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M1.ノズルの清掃(フィーダーギアの掃除)
「フィラメント(材料の糸)が入っていかない」「途中で詰まる」――そんなときに行う、いちばん多いお手入れです。原因の多くは、フィラメントを送り出す歯車(フィーダーギア)のまわりに、けずれたカスや溶けた樹脂がたまること。ヘッド(ノズル部分)を少し分解して、このカスを取り除きます。ユーザーご自身で行える作業です。
こんな症状のときに行います
① フィラメントを入れても奥まで入っていかない。 ② 造形の途中で材料が出なくなる・詰まる。 ③ 「カチカチ」と音がして送りが空回りする。 ④ ノズルまわりにカスがたまって気になる。
用語:フィーダーギア
フィラメントをノズルへ押し込むギザギザの歯車のこと。フィラメントを噛んで送り出すため、けずれたカス(粉や小さなかけら)が歯のすきまにたまりやすく、たまるとうまく送れなくなります。
はじめる前に必ず(やけど・感電の注意)
ノズルは造形直後はとても高温です。この作業は ① フィラメントを抜く → ② ヘッドを中央へ移動 → ③ 電源を切ってよく冷ます の順に準備してから始めます(手順0)。分解は冷めた状態で行ってください。
自信がないときは無理をしない
ヘッドの分解は、ねじやカバーがいくつもあります。不安なときや、カスを取っても直らないときは、無理をせず販売元の日本3Dプリンター(raise3d.jp)にご相談ください。
用意するもの
道具(ほとんどが付属品)
① 付属の六角レンチ(数本のセット。カバーやノズル本体のねじ用)。 ② プラスドライバー(サイドカバーのねじ用)。 ③ ピンセットまたはニッパー(カスをつまみ出す用)。 ④ ウエス(布)や歯ブラシ(細かいカス取り用)。
戻すときのために
外したねじは小皿などにまとめ、どこのねじか分かるように分けておくと安心です。分解の途中をスマホで写真に撮っておくと、組み立てで迷いません。
手順
手順0:分解の前の準備
- フィラメントを抜くタッチパネルでノズルを材料に合った温度まで温め、「フィラメント取り出し(Unload)」を選んで材料を抜きます。材料が残っているとノズル本体は外せません。
なぜ温めてから?フィラメントは冷えると固まってノズルに張り付きます。温めてやわらかくしてから抜くと、きれいに引き抜けます。
- ヘッドを中央へ移動するタッチパネルの「Utilities(ユーティリティ=軸の移動)」を開き、X/Y の矢印でヘッドを作業しやすい中央あたりへ動かします(「中央へ一発」のボタンはないので、矢印で寄せます)。手で動かしたいときは「モーター解除」をしてから、ゆっくり中央へ寄せます。

▲ Utilities(軸の移動)画面。X/Yの矢印でヘッドを動かす。刻み幅(10/1/0.1mm)を選んでから操作 - 電源を切って、よく冷ます本体の電源を切り、ノズルがさわれるくらいまで冷めるのを待ちます(数分)。ここから先は冷えた状態で進めます。
手順1〜9:ヘッドを分解してカスを取る
- ヘッドを本体から取り外すヘッドにつながるコネクタ(配線)を外し、固定しているねじを外して、ヘッドを本体から取り外します。落とさないよう手で支えながら外します。

▲ 取り外したヘッド。外したねじ(写真は2本)は無くさないようにまとめておく。コネクタ・ねじの位置を写真に残しておくと戻すとき安心 - 外側カバーを外す(付属六角・2か所)いちばん外側のカバーを留めているねじ2か所を、付属の六角レンチでゆるめて外します。

▲ 外側カバーのねじは2か所 
▲ 付属の六角で2か所を外す - 外側カバーが外れた状態カバー(冷却ファンの付いた部品)が外れると、中の金属ブロックとギアが見えます。

▲ 外側カバーが外れた状態。右の銀色ブロックに金色のギアが見える - ノズル部のカバーのねじ(3か所)を外す続いて、ノズル部分のカバーを留めているねじ3か所を、付属の六角で順番に外します。

▲ ノズル部のカバーと、外すねじ(3か所) 
▲ 1か所目 
▲ 2か所目 
▲ 3か所目 - ヘッド上部カバーのねじを外すヘッド上部のカバーを留めているねじを、付属の六角で外します。

▲ ヘッド上部カバーのねじを外す - サイドカバーのねじを外す(プラスドライバー)サイド(横)のカバーのねじはスプリング(ばね)付きで、プラスドライバーが必要です。外すとばねが一緒に出てくるので、なくさないようにしてください。

▲ サイドカバーのねじはプラスドライバーで外す 
▲ ねじにはスプリングが付いている。小さいので紛失注意 - ノズル本体の固定ねじを外す(付属六角)ノズル本体(先端の真鍮ノズルが付いた部品)を留めているねじを、付属の六角で回して外します。残ったフィラメントはピンセットやニッパーでつまみ出します。

▲ ノズル本体の固定ねじを付属の六角で回す - ノズル本体を外し、フィラメントのカスを取り除くノズル本体を取り外すと、ギアのまわりが見えます。たまったフィラメントのカス(けずれた粉・小さなかけら)を、ブラシやピンセットでていねいに取り除きます。これがこの作業の山場です。

▲ ノズル本体を取り外したところ 
▲ ギアのまわりに残ったフィラメントのカス。これを取り除く 
▲ 歯のすきまのカスまでしっかり取り除く - 溶けて注入口に固まっているケース下の写真のように、溶けたフィラメントがノズルの注入口で固まっていることがあります。この固まりも取り除きます。固くて取れないときは、ノズル本体だけを少し温めてから(やけどに注意)取り除くと外れやすくなります。

▲ 注入口で黒く固まったフィラメント。これも取り除く
組み立てと動作チェック
組み立ては逆の順番で
外したときと逆の順番で戻します。ノズル本体 → サイドカバー(ばねを忘れずに)→ 上部カバー → ノズル部カバー(3か所)→ 外側カバー → ヘッドを本体に取り付け → コネクタを差し込む。ねじの締めすぎに注意(樹脂部品が割れることがあります)。
戻したら確認
① コネクタがしっかり差さっているか。 ② ねじの付け忘れ・ゆるみがないか。 ③ 電源を入れ、フィラメントを入れ直して(Load)、スムーズに送られて先端から出てくるか。
清掃のあとは「オフセットキャリブレーション」を
ヘッドを分解するとノズルの高さがわずかに変わります。清掃後は必ず M2. オフセットキャリブレーション を行って、1層目の高さを合わせ直してください。
このページでおさえること
① 詰まり・送り不良の多くはフィーダーギアのカスが原因。 ② 始める前にフィラメントを抜く→中央へ→電源OFF→冷ます。 ③ 道具は付属の六角+プラスドライバー。 ④ サイドカバーのねじはばね付き・プラスで紛失注意。 ⑤ ギアのまわりと注入口の固まりを取り除く。 ⑥ 戻すのは逆の順番、最後に送りをテスト。