レゴブロックをリアルタイムで3Dモデル化、3Dプリントできる「レゴX」

レゴブロックで組み立てたおもちゃが3Dモデル化

3Dプリンターを使ってプロトタイプを作るためには、3Dモデリングや3Dデザインといった技術が必要だ。最近ではこうした3Dデザインソフトの開発が進み、より直観的で作業しやすいものにする開発が行われている。本日ご紹介するのは、そんな3Dモデリングを、レゴブロックを使って、より簡単に遊び感覚でやってみようといった取組になる。

レゴXと呼ばれるレゴブロックとセンサー技術による3Dモデリングは、おもちゃのレゴブロックで作ったモデルがそのまま3Dデータとして使用可能になるという新たな取り組みだ。このレゴXを使えば、3Dデザインソフトや3Dモデリングソフトを使ったことが無い人でも、誰でも3Dモデリングを楽しむことができる。

またそれをもとに3Dプリンターで出力することも可能だ。下記はこのレゴXの動画だが、実際にレゴブロックを組み立てる作業が、そのままタブレット状のタッチスクリーンに表示されている。レゴブロックは大人から子供まで世界中の幅広い人々に愛用されるおもちゃで、この創造性を育むおもちゃと、最新のテクノロジーである3Dモデリング、3Dプリント技術と結びつけることで、新たな教育キットとしての可能性が期待できるだろう。本日はレゴブロックをそのまま3Dモデリング化する取組レゴXをご紹介。

センサー技術でリアルタイムに組み立てが反映3Dプリント可能

この取組を行なうのは、Gravity Research Club(重力研究クラブ)というグループ。レゴブロックに極小センサーを挿入し、タブレットのヴァーチャル空間で、その動きを連動させるという仕組みだ。動画の様では、現実で動かすレゴブロックが、ヴァーチャル空間上で巧みに移動され、リアルタイムで動く様が公開されている。

このレゴXという技術は、実世界においてレゴで構築された物体を、ソフトウェア上で完全に3Dモデル化する技術。更新された新たなレゴXでは、レゴで作られた各継ぎ目や記号などを全て削除し、ファイルを平滑化することに成功。まるで3Dデザインソフトで作業したかのような3Dモデルを構築することができる。もちろんその3Dモデルは3Dプリンターで印刷可能で、この技術を使えば3Dデザインソフトや3Dモデリングの技術が無くても、レゴブロックを組み立てるだけで3Dプリント試作ができる。

レゴX動画

まとめ STEM教育に最適なツール

このレゴXは、子供たちのSTEM教育の一貫として最適なのではないだろうか。STEM教育とはサイエンス(science)、テクノロジー(technology)、エンジニアリング(engineering)、数学(math)に重点を置いた教育で、多くの分野がクロスオーバーしてくる今後の企業活動では最も重要な分野とされている。

レゴXは、センサー技術とソフトウェアアプリケーションの融合を身を持って体感することができるし、さらには今後のデジタルモノづくりに必須の技術である3Dモデリングと3Dプリントまで学ぶことができるからだ。アメリカは現在、このSTEM教育を次世代のグローバルリーダーを育てる人材育成の中心的存在になる都市、大幅に強化するプログラムを開始している。

また、イギリスでは、政府がプログラミングとセンサー技術による物とIT化を進める教育キットに予算を投下したりと、これまでの既成概念にとらわれない教育体制を構築し始めている。経済を発展させ、国家と企業の競争力を促進するものが時代との適合性であるならば、その国家と企業を運営する人材の育成は、より時代の最先端をとらえていなければならない。

そうした点からもサイエンス(science)、テクノロジー(technology)、エンジニアリング(engineering)、数学(math)を中心にした教育体制の構築は必要だし、さらにはより楽しめるレゴXのような教育素材は最も重要な役割を発揮するだろう。そもそも焦点が正しくても、実際の学習教材がつまらなければ子供たちの学習意欲をそいでしまうことになるからだ。