驚異の新素材「グラフェン」と3Dプリント技術の融合が未来の製品を作る?!

驚異の新素材「グラフェン」とは?

ものづくりや新しい新製品を開発する際、欠かすことができないのが素材だ。一つの新素材には未来のものづくりを変えてしまうという可能性を秘めている。あらゆる製品や技術に使用されている新素材として有名なのが炭素繊維だ。炭素繊維は東レ社が旅客機ボーイングの機体の大部分に使用するプロジェクトを進めるなど、新たな素材として注目されている。

また、最近では蜘蛛の糸が新素材として注目され炭素繊維と同等の強度を持ち、優れた伸縮性をもっていると言われており、こちらも飛行機や自動車、建築資材や電子機器などでの利用が期待されている。

こうした様々な新素材はより新たな製品を生み出し世の中に革新をもたらす。最近あらたな素材として注目を集めてきているのが「グラフェン」だ。グラフェンはグラファイト(炭素)からなるナノ素材であり、その特徴は超薄型、強い透明力、柔軟性であり、その最たる特徴は導電性だとされている。

以下はICMAT2011Geim教授基調講演(2011年6月29日,シンガポール)でしめされていたグラフェンの特徴だ。

グラフェンが示す驚異的な物性

  •  想像しうる最も薄い物質(0.3nm)
  •  質量あたり最も広い表面積(3,000 m2/g)
  •  測定された中で最も強靱な物質(破壊強度 130 GPa以上)
  •  知られている中で最も堅い物質(ダイアモンド以上)
  •  最も伸長、折り曲げできる結晶 (ヤング率 1000 GPa以上)
  •  熱伝導度の最高記録(3,000 W/mK, ダイヤモンド以上)
  •  室温で最高の電流密度(銅(106A/cm2)の1000倍以上)
  •  完全な物質不透過性(高圧のHe気体をブロック)
  •  最も高い電荷移動度(Siの100倍以上)
  •  伝導電子ゼロの極限でも電気伝導
  •  最も軽いキャリア(Dirac fermion:有効質量ゼロ)
  •  室温で最も長い電荷平均自由行程(~μm)

※総合科学技術会議資料より抜粋

この特徴を見る限りだと固くて薄くて柔らかくて熱伝導ができるすさまじい物質のように思える。しかしこうした物質は何に利用できるのだろうか?

グラフェンの3Dプリント素材としての利用研究

画期的な革命を起こす素材として注目されているグラフェンだが、どういった製品に応用することができるのだろうか。グラフェンが主に注目されている分野としては、透明導電性フィルム、蓄電・発電、トランジスタ集積回路としての応用が注目されており、タッチパネルやLED,太陽電池、LCDなどでの利用が研究されている。

このグラフェンはアメリカのアメリカングラファイトテクノロジーズがウクライナ国立科学アカデミーと共同で研究開発を行っており、3Dプリントの材料としての研究を開始しているとのことだ。アメリカングラファイトテクノロジー社はこのグラフェンのプロジェクトに関して全ての知的財産権を保持しており、将来の電子部品の一躍を担う製品として注目している。

下記はグラフェンを使用した将来のデジタルデバイスをイメージした3M社の映像だ。

まとめ

素材は圧倒的な力を持っている。素材は製造業においては製品を構成する大本であり、ビジネスとしては源流を抑えた企業が圧倒的な収益を上げることができる。炭素繊維を例にとってみるとテニスのラケットや剣道の竹刀釣竿などのスポーツ用品での利用に始まり、ロケットや航空機、自動車のボディ、天然ガスの圧力容器などあらゆる製品への利用がされている。

炭素繊維は繊維事業が伝統的に盛んであった日本が圧倒的なシェアを持っており、東レ社1社で世界の炭素繊維市場の30%を占めている。こうした多品種への導入実績や拡大にはひとえに素材の汎用性の高さにある。

汎用性の高さという点ではこのグラフェンは特徴からみても圧倒的に高いと考えられる。例えばグラフェンは次世代の電子機器の中核となる革新的な素材として注目されている。すくなくともグラフェンの利用が期待されている3つの分野、透明導電性フィルム、蓄電・発電、トランジスタ集積回路の利用に関しては世界を席巻する可能性を秘めていると考えられる。

また同時に、3Dプリンターとしての素材の研究が進めば、大量生産だけではなく小規模ロットカスタマイズ生産という部分も可能になり、飛躍的に流通量が拡大する可能性がある。現在開発中で本格的な市場投入はまだ見えていないが、少なくとも素材一つで圧倒的な市場を構築することが可能だ。

モノづくりの今後を見ていくうえでは、3Dプリンターという新技術に着目するだけではなく、こうした素材も新たな動きとして注目する必要がある。特にデジタル化が進み、大量生産が必要なものは金型で製造し、小規模ロットでの生産やカスタマイズが必要な部分は3Dプリンターで在庫とコストをかけないといった合理的製造プロセスは、素材が多角化することで更なる飛躍と進化をモノづくりの世界にもたらすのかもしれない。

参考記事:3der.org

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2013.10.21 投稿者:i-maker

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