Form3でつくるカスタム3Dプリントエアガン

広がるForm3の活用事例

Form3の最大の特長の一つが滑らかで高精細な仕上がりだ。一般的に3Dプリンターの良さを図る基準として“見た目”の良さに目がいきがちだが、用途によっては、安定性や強度といった面も大きな判断基準になる。

特に、連続してプリントしても失敗することなく、データ通りに造形できる再現性と安定性はカスタムメイドやオンデマンドの製造には欠かすことができない。

今回はエアガンのカスタムメイドの3Dプリント事例をもとに、Form3の特長について個人でカスタムエアガンの設計をしている門馬氏にお話しをうかがった。

エアガンの3Dプリントカスタムメイド

今回ご紹介する門馬氏は、カスタムメイドのエアガンを3DプリントしているForm3ユーザーだ。

エアガンは、日本では「エアソフトガン(遊戯銃)」に分類されBB弾が発射するおもちゃとしてサバイバルゲームなどで愛好されている。

特に門馬氏がForm3でカスタムしているエアガンがM1911というハンドガンだ。M1911はアメリカのコルト社が開発した銃で、1911年から1985年もの長きにわたりアメリカ軍の正式銃として採用されたものである。

数多くの種類が作られており銃のメーカーとしても現在はコルト社以外に、ウィルソン・コンバット、ナイトホークなど数社が存在する。日本でもエアガンとしてM1911は登場しているがナイトホーク社製のものがまだ存在しなかったことから、門馬氏は自ら設計しForm3でカスタムメイドしている。

ちなみにナイトホーク社製のM1911は映画『ザ・ファブル』の主人公が使用している銃でもある。

Form3で製造しディティールを再現

今回カスタムメイドしたM1911 3Dプリントエアガンは、既に日本で販売されているM1911をベースに各パーツを3DCADで設計し3Dプリント後カスタマイズしたものだ。

デザインは元となるナイトホーク社製のデザインを忠実に再現している。企画から完成までは約半年近くの期間がかかり設計と試作を繰り返し現在の形状まで仕上げることに成功している。

パーツは全部で7ピースから構成されており、M1911のデザインやディティール、ナイトホークのロゴまで忠実に再現されている。特にForm3が選ばれている理由はどのような点なのだろうか。

その理由の第一が強度だ。Form3では引張強度が高く、耐衝撃性も強い高強度系レジンが複数ある。「特にエアガンのように繰り返し引いたり、打った瞬間の衝撃が加わるエアガンに使用できるレジンである」と門馬氏は語っている。こうした点からエアガンで使用するには十分な強度を持っているとのこと。

また、「Form3の最大の特長である高精細で細かい仕上がりも選ばれた理由の一つ」とも語る。実際にM1911の模様やロゴタイプも研磨することなくしっかりと忠実に3Dプリントができている。

半年で累計100個を実現するForm3の安定性

門馬氏はForm3のメリットについてもう一つ語ってくれた。今回のカスタムメイドの3Dプリントエアガンは、半年ほどの期間で累計100個ほど3Dプリントして製作を行っている。実際のパーツごとの造形時間は、パーツの種類によっては100ミクロンでも造形時間が20時間近くに達することもあり、かなりの長時間だ。

また1個1個同じレベルのクオリティでの実現が求められ、ミスが無く、正確にばらつきが無くプリントし続ける安定性が求められる。その点でもForm3は他のデスクトップタイプの3Dプリンターにはない高い信頼性を持っているといえる。

まとめ

Form3は、100万円以下のデスクトップタイプの3Dプリンターの中では、①仕上がりや見た目、②高強度、③安定性といった面で、非常に優れた性能を発揮します。今回取材した門馬氏のエアガンのように、カスタムメイドの一品ものなどの製造にも高いコストパフォーマンスを発揮します。

材料の種類も全部で18種類ものラインナップを誇り、いずれも安定して使用することが可能です。是非、新たなものづくりをはじめるのであればForm3がおススメです。

オーダーメイドのWilsoncombat社のストライカースタンダードタイプ(画像提供:門馬氏)