CO2レーザーカッター完全ガイド。概要とおススメ機種

CO2レーザーカッターとは?

CO2レーザーカッターとは、一種の工業用ツールで、CO2レーザーという特殊なレーザーを使って様々な素材を切断したり、マーキング(印付け)したりする装置です。これらの装置は、非金属材料の切断や彫刻に特に優れており、木材、アクリル、ファブリック、革など、さまざまな種類の素材に対応しています。また、工業用途だけでなく、アートやクラフト、教育など、さまざまな分野で利用されています。

CO2レーザーカッターの概要

CO2レーザーカッターは、その名の通り、二酸化炭素(CO2)を媒体とするレーザーを利用します。これは、電気を通すことで発生するエネルギーをレーザー光に変換する方法です。このレーザー光は、レンズや鏡を通じて特定の素材に焦点を絞り、素材を切断または彫刻します。その精度と速度から、CO2レーザーカッターは製造業から芸術分野まで幅広い分野で利用されています。

CO2レーザーカッターの原理とは:
レーザーの作成とレーザーチューブの機能について

CO2レーザーカッターの心臓部とも言えるのがレーザーチューブです。このチューブ内部には二酸化炭素ガスが封入されており、電気エネルギーを注入することでレーザー光を発生します。具体的には、電気エネルギーによってガス内の分子が励起状態になり、その後、基底状態に戻る際にレーザー光が放出されます。

このレーザーチューブから放出されたレーザー光は、一連の鏡とレンズを通過します。これらはレーザー光を導き、特定の素材に対して焦点を絞ります。そして、この高エネルギーのレーザー光が素材に衝突すると、素材の一部が高温で蒸気化し、切断または彫刻されます。CO2レーザーカッターの精度は非常に高く、複雑な形状や細かいディテールも正確に再現できます。

CO2レーザーカッターの特長

CO2レーザーカッターは、その精度、速度、そして多様な素材への適用性により、多くの業界で広く利用されています。しかし、その性能と利便性はメリットとデメリットの両方を持っています。

CO2レーザーカッターのメリット

高い精度

CO2レーザーカッターは極めて高精度な切断と彫刻が可能で、複雑な形状や細かいディテールも正確に再現できます。

速度

レーザーカットは従来のカット方法に比べて非常に高速で、生産効率を大幅に向上させることができます。

多様な素材への適用性

木材、アクリル、革など、非金属素材へのカットと彫刻に特に適しています。

ツールの摩耗が少ない

レーザーカッターは物理的な刃を使わないため、刃の摩耗や交換が不要です。

CO2レーザーカッターのデメリット

メンテナンス

レーザーチューブは時間とともに劣化し、定期的に交換する必要があります。また、レンズや鏡の清掃も定期的に必要です。

金属の加工に制限

CO2レーザーは、特に厚い金属のカットには向いていません。金属の加工には、より強力なファイバーレーザーカッターが推奨されます。

安全性

高エネルギーのレーザーを扱うため、適切な安全対策と操作の知識が必要です。

CO2レーザーと他の製法の比較

レーザーカッターにはいくつかの種類があり、それぞれが特定の素材やアプリケーションに最適化されています。ここでは、CO2レーザーカッターをダイオードレーザーカッターとファイバーレーザーカッターと比較し、それぞれがどのようにアクリルと木材の加工に適しているかを見ていきます。

ダイオードレーザーとの比較:特にアクリルと木材への適用性について

ダイオードレーザーカッターは、その名前が示す通り、ダイオードを使用してレーザー光を生成します。ダイオードレーザーは一般的に出力が低く、それ故に彫刻には適していますが、厚い素材の切断にはあまり適していません。

アクリル

ダイオードレーザーでアクリルを彫刻することは可能ですが、切断するにはパワーが不足しています。一方、CO2レーザーカッターは、アクリルをクリーンで滑らかなエッジで切断する能力を持っています。


木材

ダイオードレーザーは木材の彫刻に適していますが、CO2レーザーは木材の彫刻にも切断にも適しています。特に、CO2レーザーは厚い木材の切断に優れています。

ファイバーレーザーとの比較:特にアクリルと木材への適用性について

ファイバーレーザーカッターは、主に金属の切断や彫刻に使用されます。ファイバーレーザーは非常に高い出力を持ち、その結果、金属を含む厚い素材の切断に非常に適しています。

アクリル

ファイバーレーザーはアクリルの切断や彫刻にはあまり適していません。その一方で、CO2レーザーカッターはアクリルの切断や彫刻に最適です。


木材

ファイバーレーザーは木材の加工にもあまり適していません。一方、CO2レーザーカッターは木材の切断と彫刻の両方に適しています。

比較表

以下に、それぞれのレーザーカッターの主な特性とアクリル、木材への適用性についての比較表を示します。

CO2レーザーカッター ダイオードレーザーカッター ファイバーレーザーカッター
主な用途 非金属素材の切断と彫刻 彫刻、薄い素材のカット 金属の切断と彫刻
アクリルへの適用性 高い(切断と彫刻) 低い(彫刻は可) 低い
木材への適用性 高い(切断と彫刻) 中等(彫刻は可) 低い
初期費用 高い 低い 高い
メンテナンス 定期的なレーザーチューブの交換と清掃が必要 低い 低い

以上の比較からわかるように、CO2レーザーカッターは非金属素材、特にアクリルと木材の加工において優れた選択肢となります。

CO2レーザーカッターの対応素材

CO2レーザーカッターは非金属素材の加工に適しており、さまざまな素材の切断や彫刻が可能です。以下に、いくつかの一般的な素材とそれぞれの適用性、およびカット例を紹介します。

木材

適用性:CO2レーザーカッターは木材の切断と彫刻に非常に適しています。硬い木材から軟らかい木材まで、幅広い種類の木材が加工可能です。

カット例:家具の部品、ジグソーパズル、名札、壁掛け時計、イラストや文字の彫刻など。

アクリル

適用性:CO2レーザーカッターはアクリルの切断と彫刻にも優れています。切断面が滑らかで、綺麗な仕上がりが期待できます。

カット例:看板、アクリル製アート、トロフィー、ジュエリー、ディスプレイスタンド、アクリル製ケースなど。

適用性:CO2レーザーカッターは革の切断と彫刻にも適しています。細かいデザインや文字の彫刻が可能で、オリジナルのアクセサリーやバッグなどが作成できます。

カット例:ウォレット、キーケース、ブレスレット、ベルト、革製バッグやポーチ、革製の家具など。

石膏

適用性:CO2レーザーカッターは石膏の彫刻に適していますが、切断は難しい場合があります。精密なデザインや文字の彫刻が可能です。

カット例:壁装飾、インテリアアクセサリー、アート作品、教育用模型など。

ガラス

適用性:CO2レーザーカッターはガラスの彫刻に適していますが、ガラスの切断は困難です。ガラス表面にデザインや文字を彫刻することができます。

カット例:ガラス製の飲料器、窓飾り、ミラー、アワード

CO2レーザーカッターのおすすめ機種

CO2レーザーカッターは多くのメーカーから様々なモデルが提供されています。以下に、特に人気のある2つのシリーズ、BeamoシリーズとHAJIMEシリーズについて紹介します。

Beamoシリーズ

Beamoシリーズは産業用のCO2レーザーを搭載した世界最小レベルのレーザーカッターです。材料も1台で透明なアクリルからゴム、ガラス、アルミなど多彩な材料の加工に対応しており、ものづくりの幅を大きく広げます。

HAJIMEシリーズ

HAJIME CL1 PLUSは最高レベルの加工精度と圧倒的に簡単なインターフェース、高い安全性を実現したデスクトップタイプのレーザー加工機です。アクリルから木材、ステンレスへのマーキング(※要マーキング剤)まで幅広い素材に対応しています。一台でものづくりの幅が大きく広がります。

木材 レーザーカッター用

CO2レーザー使える木材

CO2レーザーカッターでは幅広い木材材料に対応しています。杉やブナ、朴木、キハダなどレーザーカッター用に最適化されたサイズの木材を取り揃えています。

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