- 機種
- 院内の光造形3Dプリンター
- 用途
- 模型・装置・仮歯・サージカルガイド
診療室や待合室と同じフロアで洗浄。IPAの臭いが患者の印象に直結する
IPAの臭気を抑制
歯科用レジンはそのまま、洗浄液だけを替えた
「IPAの強い臭いが消えて、スタッフが安心して働ける環境になりました」― 白金高輪矯正歯科(取材記事より)
光造形3Dプリンターの造形物を洗う液として、IPA(イソプロピルアルコール)を使っている現場は多いと思います。
ただ、使い続けるうちに「刺激臭が部屋の外まで広がる」「手が荒れる」「有機則(有機溶剤中毒予防規則)で局所排気装置や健康診断、作業環境測定が求められると知って慌てた」「使い終えた液がポリタンクにたまる一方で、処分が後回しになっている」といった困りごとが出てきます。
「IPAの代わりになる洗浄液はないか」「エタノールで代えてよいのか」と調べ始めた方に向けて、この記事を書きました。
弊社は、光造形向けの洗浄液サービス3DMedSupo(3Dメドサポ)の正規販売代理店です。
この記事では、水洗いレジン・IPA・3DMedSupoを一つの表で比べ、臭気・皮膚刺激・有機則と特化則(特定化学物質障害予防規則)・廃液の違いをSDS(安全データシート)の記載をもとに説明します。
液の中身、早く乾くことと寸法の関係、今の洗浄機とレジンのまま切り替える手順、液の交換時期、歯科医院・大学・職業能力開発総合大学校(職能大)での導入事例まで、導入先の現場を見てきた販売店の立場でお伝えします。
読み終えたとき、ご自身の現場でIPAをやめても洗浄の品質を保てるか、どの義務が無くなるかを判断できます。
IPAの洗浄で、こんなお悩みはありませんか
この記事の要点
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IPAの代わりになる洗浄液は、3DMedSupoで供給される「3Dメディカルクリーン」です。

光造形の洗浄でIPAが担っている役目は、造形物の表面に残った未硬化レジンを溶かして落とすことと、洗ったあと速やかに乾くことの二つです。
3Dメディカルクリーンはエタノールを主体にした洗浄液で、この二つの働きがIPAと同等です。
自動洗浄機にもIPAと同じように使えるので、洗浄の品質や作業時間を変えずに置き換えられ、レジンや洗浄機の買い替えも要りません。
IPAと大きく違うのは、法令上の扱いと使い心地です。IPAは有機則の第2種有機溶剤に指定されていますが、3Dメディカルクリーンは有機則にも特化則にも該当しません。
IPA特有の刺激臭が少なく、皮膚刺激の区分も付いていません。さらに使用済み液の回収がサービスに含まれているため、廃液をため込んで処分に悩むこともなくなります。
「完全に代替できる」のは、洗浄液としての働きはそのままで、IPAで困っていた臭い・手荒れ・法令対応・廃液だけが無くなるからです。

光造形の洗浄液の種類と選び方は 光造形の洗浄液の選び方まとめ で説明しています。
3DMedSupo(3Dメドサポ)はサービスの名前で、3Dメディカルクリーンはそのサービスで供給される洗浄液の名前です。
3DMedSupoは、洗浄液「3Dメディカルクリーン」の供給と、使い終えた液の回収をセットにした光造形向けの洗浄液サービスです。
液を売って終わりではなく、廃液の回収まで含めて提供される点が、IPAを薬局や通販で買う場合との違いです。
製品には3Dメディカルクリーン 4Lと一斗缶(17.7L)があり、液の中身はどちらも同じです。
3Dメディカルクリーンのメーカーは三協製薬株式会社で、3DMedSupoの販売元は株式会社アイ・メーカーです。廃液の回収費用は製品代金に含まれ、4Lの商品には初回に回収用の専用箱が一式同梱されます。
弊社で購入できる 3DMedSupo



弊社は正規販売代理店として、液の販売と導入のご相談を承っています。この記事では、液そのものの性質は「3Dメディカルクリーン」、回収まで含めたサービスは「3DMedSupo」と呼び分けます。
IPAは、イソプロピルアルコール(2-プロパノール、イソプロパノールとも呼ばれます)という炭素数3のアルコールです。
未硬化のレジンをよく溶かし、常温で速く乾くことから、光造形の洗浄液として長く使われてきました。消毒や電子部品の脱脂にも使われる身近な溶剤で、入手しやすく価格も手頃です。
多くの3Dプリンターメーカーが洗浄手順をIPA前提で書いていることも、普及した理由です。
一方で、業務として使うときに知っておきたい性質が三つあります。一つ目は、有機則の第2種有機溶剤に指定されていることで、屋内で使う作業には設備・管理・健康診断の義務が課されます。
二つ目は、刺激臭と皮膚刺激があることで、SDSには皮膚刺激性のほか、眼刺激性や、蒸気を吸ったときのめまい・眠気といった麻酔作用が記載されています。
三つ目は、消防法上の危険物(第4類アルコール類)であることで、引火点は約12℃と常温より低く、火気のそばで使えないうえ、保管量が増えると消防署への届出が必要になることもあります。

このうち危険物としての性質は、エタノールが主体の3Dメディカルクリーンも同じです。液を切り替えて無くなるのは有機則の義務と刺激臭・皮膚刺激であり、火気厳禁と保管量の管理は続きます。
IPAの代替として検討される方法は、水で洗える「水洗いレジン」に替えるか、洗浄液を3DMedSupoに替えるかの二つです。三つを同じ項目で並べると次のようになります。
ひと目でわかる比較表
◎ 優れている○ 問題なし△ 注意が必要× 課題がある
| 項目 | 水洗いレジン | IPA | おすすめ 3DMedSupo |
|---|---|---|---|
| 今のレジンをそのまま使える | ×水洗い専用レジンに限る | ◎ほぼ全てのレジン | ◎IPAで洗っていたレジンのまま |
| 臭気の少なさ | ○液は無臭、レジン臭は残る | ×強い刺激臭 | ◎低臭気 |
| 皮膚刺激(SDS) | ○水自体にはない | △区分3(軽度の刺激性) | ◎区分に該当しない |
| 有機則の義務 | ◎非該当 | ×第2種有機溶剤 | ◎有機則・特化則とも非該当 |
| 乾燥の速さ | ×遅い | ◎速い | ◎速い(IPAと同等) |
| 廃液の処分 | △産業廃棄物として処分 | ×特別管理産業廃棄物を自分で手配 | ◎回収がセット |
| 自動洗浄機 | △機種による | ◎対応 | ◎IPAと同様に対応 |
○ 無くなる
△ 変わらない
| 項目 | 水洗いレジン(水で洗浄) | IPA | 3DMedSupo(3Dメディカルクリーン) |
|---|---|---|---|
| 洗浄に使う液 | 水道水 | イソプロピルアルコール | エタノール主体の洗浄液 |
| 使えるレジン | 水洗い専用レジンに限られる | 一般的な光造形レジンのほぼ全て | IPAで洗っていたレジンをそのまま使える |
| 臭気 | 液は無臭だがレジン臭は残る | 強い刺激臭 | 低臭気 |
| 皮膚刺激(SDSの区分) | 水自体にはないが、溶けたレジンに注意 | 区分3(軽度の刺激性) | 区分に該当しない |
| 有機則/特化則 | 非該当/非該当 | 該当(第2種有機溶剤)/非該当 | 非該当/非該当 |
| 乾燥 | 遅い(水は揮発しにくい) | 速い | 速い(IPAと同等) |
| 廃液 | レジンが溶けた水は排水に流せず産業廃棄物 | 特別管理産業廃棄物として自分で処分を手配 | 回収がセット |
| 自動洗浄機 | 機種による | 対応 | IPAと同様に対応 |
水洗いレジンは有機則の問題を避けられますが、レジンを専用品に替える必要があり、歯科用のように用途が決まったレジンでは選択肢がほとんどありません。
洗った水にも未硬化レジンが溶けているので排水には流せず、乾きも遅いため工程時間が延びます。IPAの困りごとだけを解決し、レジンと工程をそのまま残せるのが3DMedSupoです。
臭気は、IPAの代替を考える一番身近なきっかけです。IPAにはツンとした刺激臭があり、洗浄槽のふたを開けるとすぐに部屋中へ広がります。
歯科医院では待合室まで届く、設計室では隣の席から苦情が出る、大学の共用スペースでは3Dプリンターを使わない人が不快に感じる、という声を弊社も繰り返し聞いてきました。

3Dメディカルクリーンは低臭気です。エタノールが主体で、消毒用アルコールに近い穏やかな匂いにとどまり、通常の換気をしていれば作業者以外が気にするほどの匂いはほとんど残りません。
ただし、どちらの液でも溶け込んだレジン自体の匂いはゼロにはなりません。液の切り替えで無くなるのは刺激臭です。レジン由来の匂いを抑えるには、洗浄槽のふたを閉め、換気を続けてください。
皮膚刺激は、SDSの区分で差が出ます。IPAは皮膚腐食性・刺激性で区分3、3Dメディカルクリーンは区分に該当しません。
GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の皮膚腐食性・刺激性は、区分1が腐食性、区分2が刺激性、区分3が軽度の刺激性で、「区分に該当しない」はそれより弱いことを意味します。
IPAで手が荒れるのは、皮膚の脂を奪う脱脂作用に加えて、この軽度の刺激が毎日繰り返されるためです。

ただし、洗浄液には未硬化レジンが溶け込んでいます。未硬化レジンには皮膚感作性、つまり繰り返し触れるとかぶれを起こす性質があるので、液の種類にかかわらずニトリル手袋を着けて作業してください。
液を替えて手荒れが減るのは液そのものの刺激が減る分であり、素手で触ってよいという意味ではありません。
有機則と特化則に該当するかどうかが、IPAと3Dメディカルクリーンの最大の違いです。IPAは有機則で第2種有機溶剤として名指しで規制されています。
3Dメディカルクリーンは有機則の対象物質を含まず、特化則の特定化学物質にも当たりません。
有機則は、有機溶剤による中毒を防ぐために、屋内で有機溶剤を扱う作業に設備・作業管理・健康管理の義務を課す厚生労働省令です。
特化則は発がん性などのある特定化学物質を対象にした省令で、一部の溶剤が有機則から特化則へ移された経緯があるため、洗浄液の検討では両方を確認するのが通例です。
IPAは特化則の対象ではありませんが、有機則の対象として、屋内作業場で使うだけで義務が生じます。
有機則には、1日の消費量が「許容消費量」を超えない場合の適用除外もあります。
ただし第二種有機溶剤の許容消費量は作業場の広さから計算したごく少ない量で、洗浄槽に数リットルを入れて日に何度もふたを開け閉めする作業では揮発分だけで超えやすく、消費量が少なくても自動では免除されず、労働基準監督署長の適用除外の認定が必要です。
判断に迷う場合は所轄の労働基準監督署に確認してください。エタノールは安衛法のリスクアセスメント対象物のため、リスクアセスメントの義務は残ります。
なお、有機則の対象は純粋なIPAだけでなく、IPAを重量で5%を超えて含む混合物も含みます。
洗浄槽にIPAを残したまま3Dメディカルクリーンを継ぎ足すと液全体が有機溶剤含有物と見なされる可能性があるため、入れ替え時は槽を空にして拭き取ってください。
IPAを屋内で洗浄に使うと、有機則にもとづいて次の義務が生じます。3Dメディカルクリーンに替えると、洗浄作業に関してはいずれも不要になります。
| 義務 | 内容 | IPA | 3Dメディカルクリーン |
|---|---|---|---|
| 局所排気装置等の設置 | 洗浄槽のそばで蒸気を吸い込む局所排気装置、またはプッシュプル型換気装置を設け、性能を保つ | 必要 | 不要 |
| 有機溶剤作業主任者の選任 | 技能講習修了者から選任し、作業の指揮、装置の点検、保護具の使用状況の監視を行う | 必要 | 不要 |
| 作業環境測定 | 6か月以内ごとに1回(年2回)、作業環境測定士または測定機関が測定し、記録を3年保存する | 必要 | 不要 |
| 有機溶剤等健康診断 | 作業者に6か月以内ごとに1回(年2回)実施し、記録を5年保存し、結果を労働基準監督署へ報告する | 必要 | 不要 |
| 掲示・区分表示 | 人体への作用や取扱上の注意、応急処置を掲示し、第2種を示す黄色の区分表示をする | 必要 | 不要 |
3DMedSupoに替えると不要になる、有機則の5つの義務
局所排気装置はダクトとファンを備えた排気設備で、設置に工事費がかかるうえ、歯科医院や研究室のように間取りが決まった部屋では設置自体が難しいこともあります。
作業環境測定と健康診断は年2回ずつ外部に費用を払って続けるもので、作業主任者は技能講習に人を出す必要があります。洗浄液の選択一つでこれだけの差が出ることが、IPAの代替が検討される一番の理由です。
局所排気装置が要る部屋・要らない部屋
IPAを使い続けると、毎年くり返し発生する対応
自社の使い方が有機則の対象か、判断に迷ったら
現在の洗浄工程をうかがい、切り替えで何が不要になるかをお伝えします。

ただし、他の作業でIPAや別の有機溶剤を使い続けている場合、その作業についての義務は残ります。洗浄液の切り替えで無くなるのは、洗浄作業に関わる分です。
3DMedSupoに切り替えれば、防毒マスクの着用は法令上の義務ではなくなります。
有機則では、局所排気装置などを設けられない場所での作業や、装置が止まっている間の作業などで、送気マスクか有機ガス用防毒マスクの使用が求められます。
局所排気装置を付けられない小規模な歯科医院や研究室では、IPAを使い続けるために防毒マスクで作業している例が実際にあります。3Dメディカルクリーンは有機則非該当なので、この義務の対象になりません。
防毒マスクの要否

ただし、義務が無いことと換気が要らないことは別です。エタノールの蒸気も、締め切った部屋で高い濃度を吸い続ければ頭痛やめまいを起こします。窓を開ける、換気扇を回すといった全体換気は続けてください。
保護具は、未硬化レジンに触れないためのニトリル手袋と、液のはねから目を守る保護メガネが基本です。
使用済みの洗浄液は、3DMedSupoなら回収に出すだけで済みます。IPAの場合は使い終えた液を自分で産業廃棄物として処分しなければならず、これが「ポリタンクが増えていく」悩みの原因です。
使用済みの洗浄液には未硬化レジンが溶けているため、排水に流すことはできません。ふたを開けて蒸発させることも、火災の危険があるうえ廃棄物の不適正処理に当たるので認められません。
さらにIPAは引火点が常温より低く、引火点70℃未満の廃油は廃棄物処理法で特別管理産業廃棄物(引火性廃油)に当たります。
これを出す事業場は排出事業者として、特別管理産業廃棄物管理責任者を置き、許可を持つ収集運搬業者・処分業者と委託契約を結び、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して処分の完了まで確認する責任を負います。
産業廃棄物処理業者に処分を委託する費用は年間およそ5〜15万円で、液を使い切るたびに手配の手間もかかります。
3DMedSupoは回収がセットになっているため、使用済み液はまとめて回収に出すだけで、別途の廃棄コストはかかりません。
三協製薬は回収した廃液を有価物として引き取るため、産業廃棄物の委託処分に当たらず、マニフェストの交付・5年保存・年次報告も、委託契約と特別管理産業廃棄物管理責任者も要りません。
3DMedSupoの廃液の回収は三協製薬が行います。
回収容器は金属製の一斗缶(17.7L)に限られ、回収用の空の一斗缶は初回の納品と一緒に届き、2回目以降は洗浄液を使い終えて空になった一斗缶を使います。4L缶は、同梱の返却用の箱に入れて出します。
定期回収ではなく、廃液がたまったタイミングで専用のWebフォームから都度依頼します。
回数と期限の制限なく離島を含む全国で受け付けており、IPA・エタノール系のアルコール系廃液は同じ缶に混ぜてまとめて出せます。水が混ざった液と、水洗いレジンの廃液は回収できません。
廃液の処分にかかる手順
IPA:自分で処分を手配(特別管理産業廃棄物)
3DMedSupo:回収に出すだけ
| 項目 | IPA(自社で処分) | 3DMedSupo(回収) |
|---|---|---|
| 廃棄物の扱い | 特別管理産業廃棄物(引火性廃油) | 三協製薬が有価物として引き取る |
| 業者との委託契約 | 必要 | 不要 |
| 特別管理産業廃棄物管理責任者 | 必要 | 不要 |
| マニフェスト | 交付・5年保存・年次報告 | 不要 |
| 費用 | 年間およそ5〜15万円 | 製品代金に含まれる |
| 依頼の仕方 | 液を使い切るたびに業者を手配 | Webフォームで都度依頼(回数・期限の制限なし、離島を含む全国) |
| 回収容器 | ― | 金属製の一斗缶(4L缶は同梱の返却用の箱) |
1
使用済み液を金属の一斗缶にためる
2
廃液がたまったらWebフォームで依頼
3
三協製薬が回収(離島を含む全国)


Webフォームから申し込むだけ。回収の流れ
回収があることの効果は費用だけではありません。処分の手配が面倒だと使用済み液は「たまってから考える」ことになり、引火性の液が入ったポリタンクが室内に増えていきます。
これは火災の危険があるうえ、多くの市町村の火災予防条例では、指定数量(アルコール類は400L)の5分の1にあたる80L以上を貯蔵すると少量危険物の届出が要る、という問題にもつながります。
回収という処分先が決まっていれば、ため込む理由が無くなります。
購入する
3DMedSupoを購入する
17.7L 一斗缶 税込 21,780円 (1Lあたり 約1,231円)/4L 缶 税込 10,890円 (1Lあたり 約2,723円)
送料無料・廃液の回収費は製品代金に含まれます。法人のお客様はお見積りも承ります。
3Dメディカルクリーンの中身は、エタノールを主体にした高濃度のアルコール洗浄液です。
3DメディカルクリーンのSDSに記載された組成では、エタノールの含有率は80〜90%、n-プロパノールは10%未満、IPA(イソプロピルアルコール)は5%未満で、消防法では第4類アルコール類に当たります。
含有率
0%最大=10020%最大=10040%最大=10060%最大=10080%最大=100
エタノールは炭素数2のアルコールで、消毒用アルコールやお酒の成分として馴染みのある物質です。
未硬化レジンの主成分であるアクリル系のモノマーやオリゴマーをよく溶かし、沸点はIPAよりわずかに低く、常温での揮発性はIPAと同等かやや高い性質があります。
溶かす力と乾く速さの両方でIPAに並ぶため、洗浄力と乾燥性が同等です。
エタノールは、有機則が対象とする有機溶剤には含まれていません。同じアルコールでもメタノールは第2種有機溶剤で毒性も高く、代替にはなりません。
「アルコールなら何でも同じ」ではなく、エタノール主体であることが有機則非該当の根拠です。
薬局で買える消毒用エタノールで代用できないか、という質問もよく受けます。消毒用エタノールは水分を2割ほど含んでいるため、未硬化レジンを溶かす力が落ち、乾きも遅くなります。
水分の少ない無水エタノールは、小容量で割高に売られており、洗浄槽に何リットルも入れる用途には適していません。
| 液 | 有機則 | 洗浄液としての適性 | 理由 |
|---|---|---|---|
| IPA | 第2種有機溶剤 | △ | 洗浄力と乾燥は良いが、有機則の義務と刺激臭がある |
| メタノール | 第2種有機溶剤 | × | 毒性が高く、代替にならない |
| 消毒用エタノール | 対象外 | × | 水分を2割ほど含み、溶かす力が落ちて乾きも遅い |
| 無水エタノール | 対象外 | △ | 性質は合うが、小容量で割高 |
| 3Dメディカルクリーン | 非該当(特化則も非該当) | ◎ | エタノール80〜90%の洗浄液。洗浄力と乾燥性がIPAと同等 |
IPAとエタノールの性質の違いは IPAとエタノールの違い で詳しく説明しています。
早く乾くこと自体で造形物が変形することはありません。変形や寸法のずれの主な原因は、洗浄液への漬けすぎと、液が乾き切る前に二次硬化へ進めることの二つです。
光造形の造形物は、プリンターから外した直後は表面に未硬化レジンが付き、内部も完全には硬化していません。
アルコールに浸けると、表面の未硬化レジンが溶け出すと同時に、液が造形物の表層へ少しずつしみ込みます。
数分程度なら問題ありませんが、長時間漬けたままにすると表層が膨潤して寸法が増え、乾いたあとに白化やひび割れ、反りとなって現れます。
液がしみ込んだまま二次硬化の装置に入れると、内部に溶剤を閉じ込めた状態で硬化が進み、これも割れや変形の原因になります。
早く乾く液は、この「液がしみ込んだ状態」を短い時間で終わらせられるので、寸法の安定にはむしろ有利です。
3Dメディカルクリーンの乾燥性はIPAと同等なので、IPAで決めていた洗浄時間と乾燥時間をそのまま使えば、寸法の挙動も変わりません。
歯科の模型やマウスピースのように寸法が品質に直結するものでは、IPAのときと同じく、レジンメーカーの指定する洗浄時間を守り、液が完全に飛んでから二次硬化に入ってください。
寸法を安定させる洗浄の流れ


切り替えで替えるのは、洗浄液だけ
スタンダード・タフ系・歯科用・医療用・高靭性・Form 4専用など標準レジンのほぼすべてに対応し、Formlabsのシリコーン40Aなど一部の特殊レジンはIPAと同様に対象外です。
3DMedSupoへは、今お使いのレジンも洗浄機も変えずに切り替えられます。
IPAで洗えるレジンはエタノールでも洗え、IPA対応の自動洗浄機・超音波洗浄機・手洗い用の容器のいずれも、液を入れ替えるだけでそのまま使えます。
容器はステンレス・PP・PEなど耐薬品性のある物を使い、アクリル製は白化やクラックの原因になるため避けてください。
洗浄機は、液を回転させたり超音波で揺らしたりして造形物に当てる装置で、液の種類に対して特別な機構を持っているわけではありません。
IPAと3Dメディカルクリーンはどちらもアルコール類なので、同じ量を入れ、IPAと同じ設定から始められます。
3Dメディカルクリーンは、FormlabsのForm Wash・Form Wash 2・Form Wash Lのほか、IPAに対応する攪拌式の洗浄機と超音波洗浄機、バケツで使えます。
プリンターは、SLA・DLP・LCD・LFSなど光造形のすべての方式で使え、FormlabsのForm 3・Form 4・Form 4L、Rapid Shape(歯科専用機を含む)とSprintRayの機種で動作を確認しています。
| 区分 | 使える | 対象外・注意 |
|---|---|---|
| プリンターの方式 | ○ SLA・DLP・LCD・LFSなど光造形のすべての方式 | ― |
| 動作を確認した機種 | ○ Form 3・Form 4・Form 4L、Rapid Shape(歯科専用機を含む)、SprintRay | ― |
| 洗浄機 | ○ Form Wash・Form Wash 2・Form Wash L、IPA対応の攪拌式・超音波洗浄機、バケツ | ― |
| レジン | ○ スタンダード・タフ系・歯科用・医療用・高靭性・Form 4専用など標準レジンのほぼすべて | × シリコーン40Aなど一部の特殊レジン(IPAと同様に対象外) |
| 容器の材質 | ○ ステンレス・PP・PE | × アクリル(白化やクラックの原因) |
| 医療機器の歯科用レジン | ○ 添付文書でエタノールが指定・併記されているもの | IPAのみ記載のものは添付文書を確認し、レジンメーカーに問い合わせ |
レジンについて一点だけ補足すると、医療機器として承認・認証を受けている歯科用レジンでは、添付文書に洗浄に使う溶剤が指定されています。
エタノールが指定または併記されているレジンもあれば、IPAのみが書かれているものもあります。医療機器として使う場合は添付文書を確認し、必要であればレジンメーカーに問い合わせたうえで切り替えてください。
切り替えは次の手順で進めます。造形を止める期間はありません。
1
SDSを入手し記録を更新
2
洗浄機のIPAを抜き、槽を拭き取る
3
3Dメディカルクリーンを規定量入れる
4
テストピースで仕上がりを確認
5
掲示と測定計画を見直し、使用済み液は回収へ

使い方と対応するプリンター・洗浄機は 3DMedSupoの使い方 で説明しています。
洗浄液の交換時期は、液の色で判断します。洗浄を重ねると、溶け出した未硬化レジンが液にたまり、レジンの色に染まって濁ってきます。
新品のときの透明さと見比べて明らかに色が付き、洗って乾かした造形物にべたつきが残る、二次硬化後に表面が曇る、といった状態になったら交換の時期です。
3Dメディカルクリーンは時間の経過では劣化せず、洗浄のたびにレジンが液に混ざって積み重なることで劣化します。3Dメディカルクリーンの交換の時期は使用頻度によって変わります。
250ml程度の大きめの造形物を約20個洗うとべたつきが取れにくくなり、目安は、大型の造形物を1日3回洗う場合で約1か月、週数回・小型の造形物の低頻度の場合で半年以上とされています。
3DMedSupoの使い方ガイドでは、液の色で交換時期を判断し、交換の目安を1〜2か月としています。
液の色で見る交換のタイミング
液を長持ちさせる工夫は、IPAのときと同じです。
○ こうする
× しない

交換した液は回収容器に移し、3DMedSupoの回収に出してください。「処分の手配が面倒だから、もう少し使い続けよう」と汚れた液で洗い続ける必要が無くなるので、結果として洗浄品質も安定します。
継ぎ足しの限界と交換サイクルの目安は 洗浄品質を上げるコツ で説明しています。
3DMedSupoは、歯科医院、大学、職業能力開発の現場で導入されています。きっかけは臭気、共用環境、廃液とそれぞれ異なりますが、いずれも液だけを切り替える形で運用に入っています。
| 項目 | 白金高輪矯正歯科 | 順天堂大学 | 職能大 |
|---|---|---|---|
| 業種 | 歯科医院 | 大学・研究室 | 教育機関 |
| きっかけ | 院内に広がる臭気 | 共用環境の臭気と管理 | 廃液処分の後回し |
| 機種 | 院内の光造形3Dプリンター | Form 4 | Form 3/Form Wash |
| 用途 | 模型・装置・仮歯・サージカルガイド | 心臓病変のモデル | 教育(学生が入れ替わりで使用) |
| 導入後 | IPAの臭気を抑制 | 年 約30万円を削減 | 適切なタイミングで液を交換 |
診療室や待合室と同じフロアで洗浄。IPAの臭いが患者の印象に直結する
IPAの臭気を抑制
歯科用レジンはそのまま、洗浄液だけを替えた
「IPAの強い臭いが消えて、スタッフが安心して働ける環境になりました」― 白金高輪矯正歯科(取材記事より)
白金高輪矯正歯科では、院内に広がるIPAの臭気と、口腔内に入る装置をダイレクトプリントするうえでの洗浄液の安全性が、切り替えのきっかけでした。
矯正歯科では歯列模型の造形に加え、マウスピースやリテーナーなどの装置をプリンターで直接造形するダイレクトプリントが広がっています。
口に入る装置を洗う液には、刺激臭が強く皮膚刺激の区分が付いたIPAより、低臭気で区分に該当しないエタノール主体の液が適しています。

診療スペースと造形スペースが近い歯科医院では、洗浄槽のふたを開けるたびに待合室まで臭いが届くことが問題になります。
有機則の局所排気装置を院内に設けるのも難しく、液を替えることが最も負担の少ない解決策でした。
白金高輪矯正歯科では、3Dスキャナで取得した歯列データを使って模型・装置・仮歯・サージカルガイドを3Dプリントで製作しています。
院長の間所先生は、3DMedSupoはIPAと同等の洗浄力がありながら非有機溶剤なのでIPAよりも安心で、健康診断も環境測定も要らず、廃液の回収がセットな点も便利だと述べています。
共用環境のラボで、揮発性の高いIPAは扱いにくい。IPAを避けたくても洗浄液の選択肢が限られていた
年 約30万円 削減
IPAの臭気の問題も解消
臭いも穏やかで、Form 4で造形したパーツも問題なく洗え、洗浄力にも満足している― 森村先生(インタビューより要約)
順天堂大学では、複数の人が出入りする共用の環境からIPAの臭気をなくすことが課題でした。
大学や大学病院では、3Dプリンターを使う人と使わない人が同じ部屋で作業しており、洗浄のたびに広がる刺激臭が周囲の負担になります。
また、有機則の対象物質を使う場合は作業環境測定や健康診断の対象者を把握する必要があり、使う人が入れ替わる環境では管理の手間も大きくなります。
3Dメディカルクリーンへ替えたことで、洗浄の手順はそのままに、共用環境の臭気をなくし、有機則の管理対象からも外れました。
順天堂大学医学部心臓血管外科(森村先生)では、Form 4で心臓病変のモデルを造形しています。
森村先生は、3DMedSupoは臭いも穏やかで、Form 4で造形したパーツも問題なく洗え、洗浄力にも満足しており、廃液回収があるのは本当に大きく、ラボ内で廃液処理の手間を最小限にできると述べています。
廃液の処理先が決まらず交換をためらい、汚れた液で洗い続けて品質が落ちていた
悪循環を断つ
追加費用なしの回収で、適切なタイミングで交換
回収システムでメンテナンス性が格段に向上し、臭気も抑えられて安全な環境を整えられた― 新家先生(取材記事より要約)
職能大では、使用済みIPAの処分が後回しになる悪循環を、3DMedSupoの回収で断ち切りました。
教育機関では産業廃棄物の処分に業者との契約や学内の手続きが要り、担当者が忙しいと使用済み液の処分は後回しになりがちです。
すると、汚れた液で洗い続けて洗浄品質が落ちるか、新しい液に替えて使用済み液のタンクが増えるかのどちらかになり、引火性の液が実習室にたまっていきます。
回収がセットになった3DMedSupoに替えたことで、使用済み液の処分先が最初から決まり、液の交換をためらう理由が無くなりました。
学生が実習で使う液として、刺激臭と皮膚刺激が少ないことも選ばれた理由です。
同校ではIPAの代替として3DMedSupoを導入し、Form 3の洗浄にForm Washを使っています。
福祉工学ユニットを率いる教授の新家先生は、以前は樹脂が混ざった洗浄液の処理に苦慮していたが、3DMedSupoの回収システムでメンテナンス性が格段に向上し、臭気も抑えられて安全な環境を整えられたと述べています。
導入先への取材は 3DMedSupoの導入事例 で読めます。
IPAの代替について弊社に寄せられる質問は、法令・使い方・廃液の三つに集中しています。順にお答えします。
エタノール主体の洗浄液である3DMedSupoの「3Dメディカルクリーン」です。洗浄力と乾燥性がIPAと同等で、IPAで洗っていたレジンと洗浄機をそのまま使えます。有機則・特化則に該当せず、低臭気で、使用済み液の回収がセットになっています。
エタノールです。有機則の対象外で、未硬化レジンを溶かす力と乾く速さがIPAに並びます。同じアルコールでもメタノールは第2種有機溶剤で毒性が高く、代替にはなりません。消毒用エタノールは水分が多く洗浄には適していないので、洗浄用に調整された3Dメディカルクリーンをお使いください。
どちらも未硬化レジンを溶かすアルコールで、洗浄力と乾く速さはほぼ同じです。違うのは、IPAが有機則の第2種有機溶剤で刺激臭と皮膚刺激(区分3)があるのに対し、エタノールは有機則の対象外で匂いが穏やかな点です。洗浄の手順や時間は変わらず、臭い・手荒れ・法令上の義務が変わります。
イソプロピルアルコール(2-プロパノール)という炭素数3のアルコールです。未硬化レジンをよく溶かし速く乾くため光造形の洗浄に広く使われてきましたが、有機則の第2種有機溶剤であり、消防法上は第4類アルコール類の危険物です。
当たりません。エタノール主体で有機則の対象物質を含まないため非該当で、特化則にも該当しません。ただし、洗浄槽にIPAを残したまま継ぎ足すと、IPAの含有量によっては有機溶剤含有物の扱いになる可能性があるので、切り替え時は槽を空にして拭き取ってください。
法令上の義務ではありません。有機則で求められる送気マスク・防毒マスクの規定は、有機則非該当の3Dメディカルクリーンには及びません。ただし全体換気は続け、未硬化レジンに触れないためのニトリル手袋と保護メガネは着けてください。
使えます。IPA対応の自動洗浄機、超音波洗浄機、手洗い用の容器のいずれも、IPAを抜いて拭き取り、3Dメディカルクリーンを規定量入れるだけです。洗浄時間はIPAのときと同じ設定で始め、仕上がりを見て微調整してください。
液の色で判断します。溶け出したレジンで液が明らかに色付いて濁り、洗った造形物にべたつきが残るようになったら交換です。前洗いと仕上げの2槽に分け、ふたを閉めて保管すると長持ちします。
3DMedSupoの回収に出してください。使用済み洗浄液はレジンが溶けた引火性の液で、排水に流すことも蒸発させることもできず、IPAなら特別管理産業廃棄物として自分で処分を手配する必要があります。3DMedSupoは回収がセットなので、回収容器にためて回収を依頼するだけです。
IPAの代替品を探しているなら、答えは3DMedSupoの洗浄液「3Dメディカルクリーン」です。
IPAは安価で手に入りやすい一方、臭い・手荒れ・法令対応・廃液という形で現場に負担をかけ続けます。3DMedSupoなら、その負担だけを取り除いて、今の造形品質を保てます。
IPAから3DMedSupoに替えると
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