ラズベリーパイを使った3万円のノートパソコン
ラズベリーパイは超小型の格安コンピューターだ。イギリスのラズベリー財団によって開発されたこのボードは「クレジットカードサイズのコンピューター」として親しまれ、テレビやキーボードに接続することで普通のパソコンのように使用することができる。
その使い方もさまざまで、いろいろなモノと組み合わせることで、デジタル家電や動くロボットなど、ちょっとした新しい電子工作のキットとしても普及が加速している状況だ。
もともと教育の一貫として、コンピューター教育を促進させるために使用されてきたが、3Dプリンターの普及と同時に、アイデアをカタチにするための電子工作キットとして注目を集め、なんとその出荷台数は250万台。
まさにこれからの時代のデジタルモノづくりのキットとして使用が拡大している。そんなラズベリーパイを使った画期的なノートパソコンが登場している。組立簡単で自由にカスタマイズすることができるノートパソコンPi-topだ。
クラウドファンディングのIndiegogoで資金調達に成功し、1台たった300ドルで出荷が開始されている。本日はオープンソースのノートパソコンPi-topをご紹介。
ラズベリーパイは発売から約250万台出荷されている。1台3千円から4千円程度
子供や電子工作初心者に最適な組みたてノートパソコン
このPi-topは簡単に誰でも組み立てられる電子工作初心者向けのノートパソコンだ。キットにはラズベリーパイモデルB をベースにしたLCD画面に接続できるボードをはじめ、キーボードや液晶パネル、無線LANなどが含まれる。
またパソコンの筐体(ボディ)は射出成形で作られたプラスチックケースがついている。ユーザーははんだづけすることなく、各パーツを使って簡単にPi-topノートパソコンを組み立てるという仕組みだ。このキットを使えば電子機器の構造をわかりやすく学習することができ、子どもや、電子工作に初心者の大人までも楽しめるキットになっている。
ちなみに、Pi-topの筐体(ボディ)は3DプリンターでプリントできるSTLファイルでも提供され自由にカスタマイズして独自に3Dプリントすることもできる。
3万円で組み立て可能なノートパソコンPi-top
Pi-top動画
子供たちのハードとソフトの習得に最適
Pi-topキット
- 筐体(ボディ)射出成形品5色から選択可能
- 筐体(ボディ)3Dプリント用STLデータ
- プリント基板、電源管理、HDMI、LVDSブリッジとキーボードとトラックパッドコントローラ
- エレクトロニクスブレッドボード
- バッテリー(6時間から8時間)
- キーボード
- トラックパッド
- 13.3 “HD液晶画面
- 無線LANアダプタ
- アクリルスライス
- 配線
- DCウォールプラグ
デジタル電子工作が学べる「Maker`s Lessons」
このPi-topの画期的な点は、簡単に誰でも組み立てできるというだけではない。
Pi-topが提供するイノベーションレッスンというプログラムに参加することで、高度なハードウェアとソフトウェア設計が学ぶことがきるというサービスを提供している。
「Maker`s Lessons」と言われるこのサポートでは、独自のプリント基板を設計し、3Dプリントを組み合わせることで、最初から最後まで製品を作成する方法を学ぶことができるというわけだ。例えば、このプログラムではPi-topを使用して、オートメーション機器やロボット、家電製品のコントロール方法を学ぶことができ、学生やデジタル電子工作を始めたい人にとっては最適なものとなっている。
この「Maker`s Lessons」は既に開始されており、イギリスバーミンガムの学校でLED回路を作成するプログラムが行われた。
Pi-topプログラムの手順
- ハードウェアの構築方法
- ハードウェアデバイスコードの学習
- データ選別のためのセンサー使用の学習
- 家庭用オートメーションデバイスのためのデータ使用の学習
- 自分のロボットのコードデザインと構築
- 独自プロジェクトの開始
Pi-topプログラムの概略図
Pi-topプログラムを通して独自製品やパーツの設計を行なう
Pi-topプログラムでは独自ロボットも作れる
まとめ
3Dプリンターとラズベリーパイの組み合わせは、DIYの分野に家電製品やデジタル製品をもたらしているといっても過言ではない。これまで電子工作は一部のコアなファンの間でしか行われてこなかったが、この二つのテクノロジーのおかげでより多くの人々に門戸を開いていると言っていいだろう。
また、Pi-topでも既に教育プログラムという形で行っているが、子供たちや学生などにとっては、これから将来の仕事を決める創造的な機会になるのではないだろうか。
3Dプリンターやラズベリーパイを使いこなすにはそれなりの知識やスキルを習得しなければならないが、これまでにないぐらい安価に利用することができる。こうしたテクノロジーの低価格化は、今後ますます多くの人々をモノづくりの分野に参画させることにつながり、アイデアを持つ人はそれをカタチにすることができる環境が整いつつある。
電子機器の精度を決める、はんだの重要性についてはこちらをどうぞ
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