Fuse 1の後処理の流れ
Fuse 1は3Dプリント中にビルドチャンバーの内部が200℃近い高温になります。その後造形時間の半分程度の時間が冷却時間として費やされます。冷却時間が長い理由は、温度変化による熱収縮を抑え、造形モデルとしての仕上がりを正確にするためです。
冷却した後は、Fuse Siftで余分なパウダーの除去を行い、パウダーの再利用を行います。
3Dプリント後の冷却
Fuse 1では造形時間の約半分の時間を冷却時間にあてています。この冷却時間は造形されたパーツが着実に放熱し、反りや機械的特性の低下を防ぐ目的があります。これにより最適な機械的特性が得られないことを防ぎます。
冷却はFuse 1とFuse Siftでそれぞれ行います。

Fuse 1内部で冷却
3Dプリントが完了後すぐに冷却を行います。ビルドチャンバー内部が200℃の高温に加熱されており、半分の100℃近くまで温度が下がらないと、ビルドチャンバーを取り出すことはできません。
この冷却時間はプリント時間の30~50%です。例えば、プリン時間が10時間の場合には最大5時間までFuse 1本体に入れておきます。
下記のPreFormの画像でもわかる通り、プリント時間と冷却時間はプリント前に確認することができます。

Fuse Siftで冷却
Fuse 1で最初の冷却を終えた後はビルドチャンバーをFuse Siftに移しさらに冷却を行います。ビルドチャンバーのプラグをFuse Siftに接続することで冷却温度を見ることができます。さらに温度が低下しプリントが取り出し可能になると通知してくれます。
Fuse Siftで取り出し
ビルドチャンバーをFuse Siftに移行した後は、パウダーごと造形モデルをビルドチャンバーから取り出し、後処理を行います。後処理は、造形モデルから余分なパウダーを除去し、パウダーを再利用します。

換気口をスタート
Fuse Sift を使用する前に、ベントをオンにしてパウダーが外に飛び出すのを防ぎます。粉体をHEPAフィルターで回収します。

ふるいで粉を選別する
Fuse 1のビルドチャンバーから焼結していない粉と造形されたパーツを“ふるい”に送ります。ふるいにかけることで、未焼結の小さな塊やゴミを取り除き粉体をきれいに保つことができます。ここでは使用済みのナイロン粉末を専用の入れ物で保管し次の3Dプリントのために新しい粉と混ぜ合わせます。

粉末の塊を排出
タッチコントロールを使いプリントベッドを上下しチャンバー内の粉末の塊をFuse Siftのワークスペースに排出します。

造形モデルを取り出す
粉末の中から3Dプリントが完了した造形モデルをとりだします。Fuse Siftに付属しているブラシやピックを使用して未焼結の粉を書き出してください。大きいパウダーのかたまりは手でほぐしても大丈夫です。

後片付け
粉末の中から3Dプリントされた部品を取り出した後は清掃を行います。作業スペースに溜まった粉体は、ふるいで拭き取り再利用して後で使用するために回収することができます。
作業スペースの周りや、ビルドチャンバーの筐体、フードに付着した小さな粉体はワークスペース内部のバキュームホースで回収してくださいバキュームの操作はコントロールパネルでできます。

粉末のリサイクル
レーザー焼結法の課題の一つが未焼結の粉末のリサイクルです。ほとんどのSLSレーザー焼結3Dプリンターはリフレッシュレート通りには再利用ができず、数回のプリントで物性が劣化してしまうため新たなパウダーを使用しなければなりません。

リフレッシュレートとは
SLS方式の3Dプリンターでは使用した粉末を新しい粉末と混ぜて3Dプリントすることができます。これにより材料の無駄を最小限にしてパーツあたりのコストを最適化します。Fuse 1では30%~50%のリフレッシュレートを持っています。
Fuse Siftは自動でリフレッシュ率を計算し今後可能
Fuse Siftは新しい粉末と再利用の粉末を自動で混合してくれます。またその際のリフレッシュレートも設定に応じて自動計算してくれる機能を備えています。これにより人の手によるあいまいな後処理ではなく、正確な後処理が可能です。
競合他社との比較
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他のSLSレーザー焼結3Dプリンター |
Fuse 1&Fuse Sift |
プリント回数 |
新品と使用済みの粉が混在した状態で、わずか5~9回のプリントで品質が低下する。 |
30%のパウダーリフレッシュ率で材料の無駄を最小限に抑えることができる。 |
品質 |
すべての使用済みパウダーを廃棄する必要があり、実際の材料コストは30%以上増加する |
社内外の広範なテストにより証明された、一貫した機械的特性 |
手間 |
手間がかかる粉体リサイクルプロセス |
Fuse Siftでリサイクルが自動化 |
まとめ:実質的に廃棄が無い高効率のランニングコスト
Fuse 1のリフレッシュレートは30%という高い水準を持ちこれによって実質的には最大70%のリサイクル粉末を使って3Dプリントすることができます。これによってほぼ材料の無駄な廃棄物をゼロにすることが可能で、費用対効果の高いランニングコストを実現することが可能です。
