フィギュアやCADデータを3Dプリント造形する
こんにちは!Z造形師です。
今回は「3DプリンターForm3で造形するための3Dデータ制作」の観点から、制作するうえで相性が良いと思われるソフトをご紹介したいと思います。
まずForm3で専用利用する「スライスデータ」を作成する「PreForm」ソフトを起点に考えましょう。
このソフトでインポートして利用できる3Dデータ形式は、「OBJ」「STL」の2種になります。
この形式は汎用型ですので、一般のどの3DCGソフトでもエクスポートが可能だと思います。
そうなりますと、3DCGソフト自体が使い勝手が良いかどうか、という点に焦点が当たってくると思います。
これは人それぞれ使い慣れたソフトが一番いいわけで、それがあれば文句なしにそのまま使い続けるのが良いと思います。
ただメインソフトを使いながらも、それひとつだけでなく機能的に違った3DCGソフトをサブとして使えるようにしておくと、制作するものによってメイン/サブソフトの利点を活かせて時間と労力の節約にもつながります。
その観点から、お勧めできるソフトが以下になります。
まず利用目的が「フィギュア系」「工業設備系」で異なりますので、分けて考えていきます。
「フィギュア系」
まだメイン3DCGソフトをお持ちでない方にお勧め
最初のメインソフトを決めかねている方がいらっしゃるならば、第一のお勧めは「Blender」です。
このソフトはもともとオランダの映像制作会社のインハウスソフトでした。
実務で使われていたソフトであった点と、その後フリーソフトとして有志により継続開発されていますが、その資金を世界的な大企業がバックアップしている点で異質なフリーソフトです。
今後さらに開発が進めば、有料ソフトさえ凌駕する性能が加わる可能性の高い驚愕のソフトウェアと言えます。
メインソフトをお持ちの方にお勧め
メインソフトをお持ちの方にサブソフトとしてお勧めなのが、「Zbrush」です。
こちらは、一般的なモデリング方法と一線を画しているスカルプトモデリングソフトとして3DCGソフトとしては比較的新しい機能群を盛り込んだソフトとなります。
ただし有償ソフトで、その主要機能を使おうと思うとそこそこ高価なPRO版が必要になります。
資金的な問題がなければお勧めしたい機能が多数搭載されています。
「工業設備系」
まだメインCADソフトをお持ちでない方にお勧め
AutoCad社が配布している有償ソフト「 Fusion 360 」がお勧めです。
基本的には有償ソフトではありますが、非商用目的で個人的にご自宅でデザイン・設計・製造・ファブリケーションプロジェクトを行う場合、無償の個人用 Fusion 360 が利用できます。
書籍やネット上に解説や情報が豊富で、初歩から高度な要求にも答えられる非常に有用なCADソフトと言えます。
メインソフトをお持ちの方にお勧め
メインCADソフトをお持ちの方にサブソフトとしてお勧めなのが、「ライノセラス (Rhinoceros)」や「モアイ(MOI)」です。
ともに有償ソフトですが、CADと3DCGの中間的な位置づけのソフトで、幅広いニーズにも答えられるソフトです。
「ライノセラス (Rhinoceros)」は高額ですが非常に高機能で利用範囲が広いことが特長です。
高機能ゆえに難易度は高めのソフトです。
「モアイ(MOI)」は、シンプルな機能で初心者でも扱いやすく、またCAD以外の分野の方の利用でも直感的に操作しやすい仕様になっています。
映像ゲーム向けの3DCGソフトをお使いの方にも、これらのソフトは「Zbrush」の次点くらいにお勧めしたいソフトでもあります。
またその他にも有効なソフトがありますので、合わせてご紹介したいと思います。
MeshMixer
「Meshmixer(メッシュミキサー)」は、世界最大手の3DCGメーカーAutodesk社が開発した無償の3DCG(スカルプト系)のモデリングソフトです。
多様な加工用ブラシが実装されていて、初心者でも簡単な操作で粘土のようにモデル表面を変形することができます。
また多くの3Dデータ形式に対応していることで、非常に汎用性の高いモデリングソフトであると言えます。
特に「中抜き(肉抜き)」という、モデルの内部を中空にして3Dプリントした時に軽量化したりレジンなどの材料を節約したりできる作業を自動でおこなう機能が装備されています。
その他にポリゴンの流れを整える「リメッシュ」機能も搭載されていて、無償ソフトとしては破格の機能が満載されています。
以上のソフト群を使いこなせれば、できないことは無いというくらいモデリングとして充実した環境が整うと思います。
皆様の制作しようとしている目的に合わせて適性の高いソフトを選択することによって、快適で生産性の高い作業環境を構築して頂けることを願っております。
またソフトだけでなくパソコンのスペックも重要な作業環境構築の一翼を担っています。
このパソコンスペックに関しても「Z造形師」の知見としてのコンテンツを公開しますので、ご参照頂けましたら幸いです。