- 機種
- Form 4
- 用途
- 心臓病変のモデルの造形
共用環境のラボで、揮発性の高いIPAは扱いにくい。IPAを避けたくても洗浄液の選択肢が限られていた
年約30万円 削減
IPAの臭気の問題も解消
臭いも穏やかで、Form 4で造形したパーツも問題なく洗え、洗浄力にも満足している― 森村先生(インタビューより要約)
IPAをやめたいとき
何を替えるか?
光造形(液体のレジンに光を当てて固める方式)3Dプリンターの造形物を洗うたびに、イソプロピルアルコール(IPA:Isopropyl Alcohol)の臭いが部屋にこもります。
有機溶剤中毒予防規則(有機則)への対応も求められます。使い終わったIPAの容器が倉庫にたまっていきます。こうした悩みから「水洗いレジンに切り替えようか」と考えている担当者の方は多いはずです。
ただ、水洗いレジンにすると今使っているレジンが使えなくなるのか、本当に水だけで洗えるのか、洗った後の水を下水に流してよいのかが分からず、決めきれない方も少なくありません。
この記事では、水洗いレジン・IPA洗浄・洗浄液サービス3DMedSupoの3つを1つの表に並べ、使えるレジン、洗い方の工程、排水と廃液、規制、導入した事業所の事例で比べます。
弊社は3DMedSupoの正規販売代理店として、導入先の現場を見てきました。その立場から、自社のレジン・事業所の規模・排水設備に合う洗い方を選べるように解説します。
この記事の要点
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今のレジンを変えられない現場で、IPAの臭い・有機則・廃液に困っているなら、3DMedSupoが第一候補です。レジンを自由に選べて、求める物性が厳しくない現場なら水洗いレジンも選択肢に入ります。
局所排気装置や危険物の保管、特別管理産業廃棄物の処理契約がすでに整っていて、現状に困っていない現場でも、洗浄液を3DMedSupoに替えれば、その設備と契約を維持する負担そのものを減らせます。

判断の分かれ目は「何を替えるか」です。
Q1歯科用・医療用・工業用など、レジンの銘柄が決まっている
Q2IPAの臭い・有機則対応・廃液の保管に困っている
他どれにも当たらない(排気設備・危険物保管・産廃契約が整っている)
| 現場の状況 | 適している方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 歯科用・医療用・工業用など、レジンの銘柄が決まっている | 3DMedSupo | 水洗いレジンへの切り替えは材料そのものの変更になるため |
| IPAの臭い・有機則対応・廃液の保管に困っている | 3DMedSupo | 洗浄液を替えるだけで運用でき、廃液は回収サービスに任せられるため |
| 排気設備・危険物保管・産廃契約が整っている | 3DMedSupo | 設備の維持費と健診・測定の手間を減らせ、今の運用を止めずに切り替えられるため |
水洗いレジンへの切り替えは、洗い方の変更ではなく「材料の変更」です。造形物の強度や寸法、表面の仕上がりが変わり、プリンターの露光設定も調整し直すことになります。
一方、3DMedSupoは洗浄槽の中身をIPAから洗浄液「3Dメディカルクリーン」に入れ替える方法なので、レジンも造形データも、二次硬化の工程もそのまま使えます。
3Dメディカルクリーンは、FormlabsのForm 3・Form 4・Form 4L、Rapid Shape(歯科専用機を含む)、SprintRayの機種で動作を確認しており、スタンダード・タフ系・歯科用・医療用・高靭性・Form 4専用など標準レジンのほぼすべてに対応します。
Formlabsのシリコーン40Aなど一部の特殊レジンは、IPAでの洗浄と同様に対象外です。

3DMedSupo(3Dメドサポ)は、光造形3Dプリンターの造形物を洗うためのIPAに代わる洗浄液「3Dメディカルクリーン」の供給と、使い終わった洗浄液の回収をセットにしたサービスです。
洗浄液は三協製薬株式会社が製造し、廃液の回収・分析・リサイクルも同社が担います。弊社は、このサービスの正規販売代理店として、販売と情報発信のほか、導入のご相談から洗浄液の手配、回収の段取りまでを担当しています。
IPAを別の洗浄液に置き換えるという考え方自体は、以前からあります。ただ、洗浄液だけを替えても、使用済みの液がたまる問題は残ります。
3DMedSupoの特徴は、液を売って終わりではなく、廃液を引き取るところまでをサービスに含めている点です。使用済みの洗浄液を所定の容器にため、回収を依頼する流れになります。回収費用は製品代金に含まれています。
使用済みの液は三協製薬が有価物として引き取るため、産業廃棄物の委託処分には当たらず、排出事業者側のマニフェストの交付・5年保存・年次報告は要りません。
1
使用済み液を金属の一斗缶(17.7L)にためる
2
廃液がたまったらWebフォームで依頼
3
三協製薬が有価物として引き取る
弊社で購入できる 3DMedSupo



名前に「メディカル」とありますが、導入先は歯科医院に限らず、大学の研究室や職業訓練校にも広がっています。
歯科・医療・教育に共通するのは、「人が長時間いる部屋でプリンターを動かしている」ことと、「材料を簡単には変えられない」ことです。この2つの条件がそろう現場ほど、洗浄液だけを替える方法が適しています。

3つの方法の違いは、「何を替えるか」「どのレジンが使えるか」「洗った後の液をどう処理するか」の3点です。
| 比較項目 | 水洗いレジン | IPA洗浄 | 3DMedSupo |
|---|---|---|---|
| 替えるもの | レジン(材料) | なし(現状) | 洗浄液 |
| 使えるレジン | 水洗い対応品に限られる。歯科用・工業用は少ない | ほぼすべての光造形レジン | 今のレジンのまま、スタンダード・タフ系・歯科用・医療用・高靭性・Form 4専用など標準レジンのほぼすべてに対応(Formlabsのシリコーン40Aなど一部の特殊レジンはIPAと同様に対象外) |
| 洗い方の工程 | 水の予備洗い→水の仕上げ洗い→乾燥→二次硬化。超音波洗浄機を併用することが多い | IPAの予備洗い→IPAの仕上げ洗い→乾燥→二次硬化 | 一次洗浄槽(使用済みの液)→二次洗浄槽(きれいな液)→乾燥(エアブロー)→二次硬化。洗浄時間の目安は10〜20分程度で、Form Wash・超音波洗浄機・バケツで使用可 |
| 洗浄後の液の扱い | 未硬化レジンを含む水。下水には流さず、硬化・ろ過または処理委託 | 特別管理産業廃棄物(引火性廃油)に該当しやすい。処理業者へ委託 | 使用済み液をサービスで回収。金属製の一斗缶(17.7L)にためて専用のWebフォームから都度依頼し、三協製薬が有価物として引き取るため産業廃棄物の委託処分に当たらず、マニフェストは不要(回収費用は製品代金に含まれる) |
| 消防法 | レジン自体は非危険物のものが多い(安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)で確認) | 危険物第4類アルコール類。指定数量400L、1/5以上で少量危険物の届出 | 危険物第4類アルコール類に該当(SDS記載の引火点13℃)。指定数量400L、1/5以上で少量危険物の届出 |
| 有機則 | 水で洗うため対象外 | 第二種有機溶剤として対象 | 該当しない(SDSの適用法令の欄)。特殊健康診断・作業環境測定・作業主任者・局所排気装置の法的義務なし |
| 臭い | 弱い(レジン自体の臭いは残る) | 強い。揮発が早く部屋に広がる | 導入先で臭気が解消・軽減。無臭ではなくマイルドなアルコール臭で、IPAのような鼻を突く刺激臭はなく、オフィスでも使用できるとされる |
| 切り替えの負担 | レジンの再選定、露光設定の再調整、造形物の物性変化の確認 | なし | 洗浄槽の液の入れ替え、回収容器の設置 |
| 適している現場 | 材料を選べる教育・試作現場 | 排気・保管・産廃の体制が整った現場 | 材料を固定したまま臭い・規制・廃液を減らしたい歯科・医療・製造・教育現場 |
表の中で見落とされがちなのが「洗浄後の液の扱い」です。水洗いレジンは水で洗えますが、洗った後の水には溶け出した未硬化レジンが含まれており、普通の生活排水とはまったく違うものです。
IPAも水洗いの水も、事業所から出る以上は廃棄物として扱う必要があります。この手間をどこまで自社で持つかが、3つの方法の実質的な違いになります。

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3DMedSupoを購入する
17.7L 一斗缶 税込 21,780円 (1Lあたり 約1,231円)/4L 缶 税込 10,890円 (1Lあたり 約2,723円)
送料無料・廃液の回収費は製品代金に含まれます。法人のお客様はお見積りも承ります。
減ります。水洗いレジンは、水で洗い流せるように配合を変えた専用のレジンであり、今使っているレジンがそのまま水で洗えるようになるわけではありません。
市場に出ている水洗い対応レジンは、ホビー用途や一般造形用のスタンダード・ABSライク・タフ系が中心で、歯科用の生体適合性レジンやエンジニアリング用途の高機能レジンは、ほとんどがIPA洗浄を前提に設計・検証されています。
水洗いレジンへの切り替えは、洗浄方法の変更ではなく材料の変更です。通常のレジンは油性に近く、水とはなじまないため、IPAのような溶剤で溶かして落とします。
水洗いレジンは、親水性の高いモノマー(硬化前の樹脂の主成分)を多く配合して、未硬化のレジンが水に分散するように作られています。配合が違うので、同じ「スタンダード」という名前でも、硬化後の性質はまったく違います。
通常のレジン:油性に近い水をはじく → IPAなどの溶剤で溶かす
水洗いレジン:親水性のモノマーが多い未硬化レジンが水に分散して落ちる

現場で起きやすい違いは次の通りです。
歯科技工所で使う模型用・サージカルガイド用・マウスピース用のレジンや、製造現場で寸法・強度を評価した上で採用したレジンは、そもそも水洗い対応品が存在しないか、あっても再評価が必要です。
医療機器として扱う造形物であれば、レジンメーカーが示す使用方法(洗浄に使う溶剤や時間を含む)から外れること自体が問題になります。
「水洗いにすれば楽になる」と考えて調べ始めた結果、使えるレジンがないことに気づく、というのが現場でよくある流れです。

3DMedSupoは、レジンではなく洗浄液を替える方法なので、今使っているレジンをそのまま使い続けられます。造形データ、サポートの付け方、露光設定、二次硬化の条件も変わりません。変わるのは洗浄槽に入れる液と、使い終わった液の行き先だけです。
○ そのまま
△ 替わる
歯科用レジンや医療機器として扱う造形物については、レジンメーカーが指定する洗浄条件との関係を確認した上で導入してください。
お使いのプリンターとレジンの銘柄を弊社にお知らせいただければ、洗浄液との相性について分かる範囲でお伝えします。
弊社の検証記事では、推奨される洗浄時間内でIPAと同等の寸法安定性を示し、サージカルガイドのスリーブホール径やマウスピースの辺縁封鎖性に影響するような有意な寸法変化は確認されませんでした。

「レジンを変えられないからIPAを我慢して使っている」という現場にとって、洗浄液だけを替えられることは、水洗いレジンにはない選択肢です。
水と洗剤で洗えますが、「水に浸けて振るだけ」で済むわけではありません。実際の現場では、予備洗いと仕上げ洗いの2槽を用意し、超音波洗浄機を併用し、乾燥を丁寧に行うことで、ようやくIPA洗浄と同程度の仕上がりになります。
工程の数はIPA洗浄と変わらず、むしろ水の管理に気を使う場面が増えます。
水洗いレジンの洗浄は、一般に次の4つの工程で行います。
1
予備洗い(1槽目の水で大部分を落とす)
2
仕上げ洗い(2槽目・超音波洗浄機は数分単位)
3
乾燥(細い穴やサポートの付け根に水が残りやすい)
4
二次硬化(メーカーの時間・温度)
超音波洗浄機は水洗いレジンと相性が良い道具です。ただし、超音波洗浄機を長く回すと水温が上がり、造形物が軟らかくなって変形したり、表面が荒れたりします。1回あたり数分を目安に、様子を見ながら使ってください。

水洗いレジンのメーカーが示している洗浄条件は、多くの場合「水で洗う」「必要に応じて超音波洗浄機を使う」程度にとどまり、洗剤の種類・濃度・水の交換時期までは示されていません。ここが現場で判断を迫られる部分です。
洗剤については、水だけでは落ちにくい場合に中性洗剤を少量加える運用が広く行われていますが、どの洗剤をどれだけ入れるかはメーカーの推奨ではなく、現場ごとの経験則です。洗剤の成分によっては造形物の表面に残り、二次硬化や塗装に影響することもあります。
水の交換時期も示されていません。1槽目の水は数回の洗浄で白く濁り、溶け込んだレジンの濃度が上がると、洗ったはずの造形物にレジンが再付着してべたつきます。
「白く濁ったら替える」「べたつきが出たら替える」という判断になりますが、交換するということは、その水を処分するということです。水洗いレジンを使っている現場の多くが、この「濁った水をどうするか」で立ち止まります。
交換した水は下水に流せないため、一般的には次のような処理をします。
濁った水をためる下水には流さない
紫外線で硬化溶けたレジンを固める
固形物を分けるろ過して取り出す
残った水を処理自治体の基準に従う
この一連の作業が、水洗いレジンの「見えないコスト」です。IPAの管理をなくす代わりに、水の管理が加わると考えると実態に近くなります。
3DMedSupoの洗浄工程は、IPA洗浄と同じ考え方で組めます。洗浄槽の中身をIPAから3Dメディカルクリーンに替え、予備洗い・仕上げ洗い・乾燥・二次硬化の順に進めます。
IPAから切り替えても、工程はほとんど組み替えずに済みます。
3Dメディカルクリーンの標準の流れは、造形→一次洗浄槽(使用済みの液でレジンの大半を落とす)→二次洗浄槽(きれいな液で仕上げる)→乾燥(エアブロー)→二次硬化です。
洗浄時間の大まかな目安は、造形物の大きさ・レジンの種類・使用頻度によって10分から20分程度で、長すぎると膨潤・変形します。
Form Wash・Form Wash 2・超音波洗浄機・バケツなど、IPAで使っていた洗浄設備をそのまま使えます。
1
造形
2
一次洗浄槽(使用済みの液でレジンの大半を落とす)
3
二次洗浄槽(きれいな液で仕上げる)
4
乾燥(エアブロー)
5
二次硬化

洗浄液の交換時期は、洗浄液に溶け込んだレジンの量で決まります。一般に溶剤系の洗浄液では、洗った造形物の表面がベタつく、乾燥後に白く曇る、洗浄に以前より時間がかかる、といった症状が交換のサインです。
1槽目を先に汚し、2槽目を清浄に保つ2槽方式にすると、交換のタイミングを1槽目に集中させることができ、液の使用量も抑えられます。3Dメディカルクリーンは時間の経過では劣化せず、交換の時期は使用頻度によって変わります。
目安として、250ml程度の大きめの造形物を約20個洗うとべたつきが取れにくくなります。使い方ガイドでは液の色で交換時期を判断し、交換の目安を1〜2か月としています。
使用頻度ごとの目安は、大型の造形物を1日3回洗う場合で約1か月、週数回・小型の造形物を洗う低頻度の場合で半年以上です。
大型を1日3回
約1か月
使い方ガイドの目安
1〜2か月
週数回・小型
半年以上
表面がベタつく
乾燥後に白く曇る
洗浄に時間がかかる
交換した液の行き先が決まっているのが、IPAとの大きな違いです。IPAの場合は交換のたびに廃液が倉庫にたまり、処理業者の引き取りを待つことになります。
3DMedSupoでは回収容器にためて回収を依頼するだけなので、「もったいないから」「捨てる先がないから」という理由で汚れた液を使い続ける状況を避けられます。
流してはいけません。水洗いレジンを洗った後の水にも、IPAの廃液にも、未硬化のレジンが含まれています。
未硬化レジンは水生生物への有害性が指摘されており、水洗いレジンのSDSにも、排水に流さないよう記載されているのが一般的です。事業所から出る以上は、家庭の排水と同じ感覚で流すことはできません。
○ こうする
× しない
IPAの廃液はより明確です。使用済みIPAは「廃油」に分類され、IPAの引火点は約12℃のため、廃棄物処理法上の特別管理産業廃棄物(引火性廃油)に該当しやすく、レジンの混入や液の状態で判断が変わります。
許可を持つ処理業者に委託し、マニフェストを交付する必要があり、事業場には特別管理産業廃棄物管理責任者を置くことが求められます。IPAの廃液の処理を産廃業者に委託する費用は、年間およそ5〜15万円です。

水洗いレジンの洗浄水は、見た目が水に近いため軽く考えられがちですが、含まれているのは同じ未硬化レジンです。少量なら硬化させて固形物を分離する方法が取れますが、事業所として継続的に出る以上、「少量だから」という理由は成り立ちにくくなります。
排水の規制は、事業所の業種と排水量で適用される内容が変わります。公共下水道に接続している事業所の場合、下水道法と各自治体の下水道条例が定める「下水排除基準」を守る義務があります。
事業所の規模や業種で適用される基準は変わりますが、温度・pH・油分などの基準は歯科技工所や小規模な製造現場にも適用されます。未硬化レジンは油分として計上される可能性があり、自治体ごとに厳しい基準値が定められています。
流してよいかどうかを自社で判断するのは難しいため、自治体の下水道担当部署に確認してください。
下水道に接続していない地域で浄化槽を使っている事業所は、さらに注意が必要です。未硬化レジンや溶剤が浄化槽に入ると、微生物の働きを妨げて処理能力を落とす恐れがあります。
規模が小さい事業所ほど、「排水は流せない、廃液は処理業者に頼むほどの量でもない」という中途半端な状態になりやすく、結果として容器にためたまま放置されがちです。洗浄方法を選ぶときの論点は、この状態の解消です。
3DMedSupoは、使い終わった洗浄液の回収がサービスに含まれています。洗浄液を交換したら、使用済みの液を所定の容器に移してためておき、回収を依頼します。
自社で処理業者を探し、契約し、引き取り日程を調整する手間がなくなります。3DMedSupoの回収容器は金属製の一斗缶(17.7L)に限り、ポリタンクやプラスチック容器は使えません。
4L缶は、同梱の返却用の箱に入れて出します。水が混ざった液や、水洗いレジンの廃液は回収できません。回収用の空の一斗缶は初回の納品と一緒に届き、2回目以降は洗浄液を使い終えて空になった一斗缶を使います。
定期回収ではなく、廃液がたまったタイミングで専用のWebフォームから都度依頼する方式で、回数と期限の制限はありません。回収費用は製品代金に含まれています。
三協製薬が有価物として引き取るため産業廃棄物の委託処分には当たらず、マニフェストの交付・5年保存・年次報告は要りません。回収は離島を含む全国で受け付けています。
導入時は、IPAの廃液とエタノール系の廃液、使いかけ・未使用のIPAの在庫を初回無料で回収します。



廃液の処理をサービス側に任せられることは、単に手間が減るだけではありません。処理の見通しが立つことで、「液が汚れたら迷わず交換する」という運用が可能になります。
IPAの現場でよく見かけるのは、廃液の引き取り先が決まっていないために交換を先延ばしにし、汚れた液で洗い続けて造形物の品質が落ちる、という流れです。回収が仕組みとして用意されていれば、交換の判断を品質だけで決められます。
なお、排水・廃液の扱いは自治体や処理業者の判断で変わる部分があります。3DMedSupoの廃液の回収は、メーカーの直接回収のため、自治体ごとの引取条件の違いに左右されません。
IPAは、労働安全衛生法に基づく有機則の第二種有機溶剤であり、消防法の危険物第4類アルコール類でもあります。この2つの法令が、IPAを使う現場の負担の中心です。
有機則の対象になると、屋内作業場でIPAを使う事業者には次のような義務が生じます。
| 項目 | IPA:有機則の義務の内容 | 3Dメディカルクリーン |
|---|---|---|
| 設備 | 密閉設備、局所排気装置、またはプッシュプル型換気装置の設置 | 有機則の対象外 |
| 作業主任者 | 有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者の選任 | 有機則の対象外 |
| 作業環境測定 | 6か月以内ごとに1回の実施と記録の保存 | 有機則の対象外 |
| 健康診断 | 従事する労働者への6か月以内ごとの有機溶剤等健康診断 | 有機則の対象外 |
| 表示 | 作業場への有機溶剤の区分(第二種は黄色)と注意事項の掲示 | 有機則の対象外 |
| 保護具 | 必要に応じた呼吸用保護具の備え付け | 有機則の対象外 |
使用量が少なければ適用が外れる場合もあります。有機則には、作業場の広さから計算した許容消費量以下の場合に、労働基準監督署長の認定を受けて一部の規定の適用を除外する仕組みがあります。
ただし許容消費量はごく少ない量で、洗浄槽からの揮発分だけで超えてしまいます。造形物の洗浄にIPAを日常的に使う現場では、適用されると考えてください。

消防法では、IPAは引火点がおよそ12℃の第4類アルコール類で、指定数量は400リットルです。
指定数量の5分の1(80リットル)以上を保管すると、多くの自治体の火災予防条例で少量危険物として消防署への届出が必要になります。一斗缶(17.7L)を5缶置けば超える量です。
保管量は新品と廃液を合わせて数える点にも注意が必要です。3DMedSupoでは廃液がたまらないため、廃液が原因で届出の対象になる心配がなくなります。
一斗缶(17.7L)× 5缶 = 88.5L
このほか、IPAは労働安全衛生法のラベル表示・SDS交付の対象物質であり、リスクアセスメントの実施も義務付けられています。
3Dメディカルクリーンがこれらの規制にどう該当するかは、製品のSDSで確認してください。
SDSの「第2項危険有害性の要約」で引火性と有害性の分類を、「第9項物理的及び化学的性質」で引火点を、「第15項適用法令」で消防法・有機則・労働安全衛生法・化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)の該当有無を読み取れます。
3Dメディカルクリーンの主成分は高濃度のエタノールで、SDS記載の組成ではエタノールが80〜90%を占めます。SDS記載の引火点は13℃で、消防法では第4類アルコール類(指定数量400L)に当たります。
SDSの適用法令の欄によれば有機則・特定化学物質障害予防規則(特化則)・PRTR法には該当しませんが、エタノールは労働安全衛生法のリスクアセスメント対象物のため、リスクアセスメントの義務は残ります。
| 第2項 危険有害性の要約 | 引火性・有害性の分類 | 1有害性の区分を読む |
|---|---|---|
| 第3項 組成 | エタノール80〜90% | 2主成分が高濃度のエタノール |
| 第9項 物理的及び化学的性質 | 引火点13℃ | 3消防法の第4類アルコール類(指定数量400L) |
| 第15項 適用法令 | 有機則・特化則・PRTR法 非該当 | 4リスクアセスメントの義務は残る |
有機則や消防法への該当有無は、産業医や消防署への説明にも使える情報です。SDSを入手したら、切り替えの判断材料として社内で共有してください。
3DMedSupoの導入先は、大学の研究室、職業訓練校、歯科医院と幅広く、それぞれ解決したかった課題が異なります。費用、品質、臭気という3つの観点で、代表的な3件をご紹介します。
共用環境のラボで、揮発性の高いIPAは扱いにくい。IPAを避けたくても洗浄液の選択肢が限られていた
年約30万円 削減
IPAの臭気の問題も解消
臭いも穏やかで、Form 4で造形したパーツも問題なく洗え、洗浄力にも満足している― 森村先生(インタビューより要約)
順天堂大学では、Formlabsの光造形3Dプリンター「Form 4」で造形した部品の洗浄を3DMedSupoに切り替え、洗浄にかかる費用を年間およそ30万円削減するとともに、IPAの臭気の問題を解消しました。
順天堂大学医学部心臓血管外科(森村先生)では、Form 4で心臓病変のモデルを造形しています。森村先生は、もともとIPAを避けていたものの洗浄液の選択肢が限られていたと述べています。
Form 4のような高速な光造形機は、造形回数が増える分だけ洗浄液の消費も早く、IPAの購入費と廃液の処理費が積み上がります。研究室は居室と隣接していることが多く、IPAの臭いは研究者や学生の作業環境に直接影響します。
費用と臭気の両方を同時に解決できた点が、この事例の特徴です。順天堂大学の森村先生はインタビューで、ラボは大部屋で各研究室がさまざまな実験を行う共用環境のため、IPAのような揮発性の高い液は扱いにくいと述べています。
3DMedSupoは臭いも穏やかで、Form 4で造形したパーツも問題なく洗え、洗浄力にも満足しているとのことです。
廃液の処理先が決まらず交換をためらい、汚れた液で洗い続けて品質が落ちていた
悪循環を断つ
追加費用なしの回収で、適切なタイミングで交換
回収システムでメンテナンス性が格段に向上し、臭気も抑えられて安全な環境を整えられた― 新家先生(取材記事より要約)
職能大(職業能力開発総合大学校)では、3DMedSupoの廃液回収サポートによって、洗浄液の交換を先延ばしにすることで起きていた造形物の品質低下の悪循環を断ちました。
同校では、福祉工学ユニットを率いる新家先生のもとでForm 3を使っており、IPAの代替として3DMedSupoを導入し、Form 3の洗浄にはForm Washを使っています。
教育現場では、多くの学生が入れ替わりでプリンターを使うため、洗浄液の汚れが早く進みます。一方で、廃液の処理先が決まっていないと交換をためらい、汚れた液で洗い続けることになります。
汚れた液で洗った造形物はべたつきや白濁が残り、二次硬化もうまくいかず、やり直しの造形が増えてさらに液が汚れる、という悪循環です。
回収の仕組みがあることで交換の判断を品質基準だけで下せるようになり、この循環を止められました。
職能大では、3DMedSupoの廃液回収サービスに追加費用がかからないため、洗浄液を適切なタイミングで交換でき、後処理の品質を保てています。
新家先生は取材記事で、3DMedSupoの回収システムでメンテナンス性が格段に向上し、臭気も抑えられて安全な環境を整えられたと述べています。
診療室や待合室と同じフロアで洗浄。IPAの臭いが患者の印象に直結する
IPAの臭気を抑制
歯科用レジンはそのまま、洗浄液だけを替えた
「IPAの強い臭いが消えて、スタッフが安心して働ける環境になりました」― 白金高輪矯正歯科(取材記事より)
白金高輪矯正歯科では、院内で使う光造形3Dプリンターの洗浄を3DMedSupoに切り替え、IPAの臭気を抑えました。
同院(院長は間所先生)では、3Dスキャナで取得した歯列データを使い、模型・装置・仮歯・サージカルガイドを3Dプリントで製作しています。
IPAの代替として3DMedSupoを導入し、「IPAの強い臭いが消えて、スタッフが安心して働ける環境になりました」と紹介されています。
矯正歯科では、歯列模型やマウスピース型矯正装置の製作のために院内でプリンターを運用するケースが増えています。診療室や待合室と同じフロアで洗浄を行うことも多く、IPAの臭いは患者の印象に直結します。
歯科用レジンは洗浄方法が指定されているものが多く、水洗いレジンへの切り替えは選びにくいため、洗浄液だけを替える方法が合っていた事例です。
減ります。水洗いレジンは専用の配合であり、今のレジンが水で洗えるようになるわけではありません。歯科用や工業用の高機能レジンは、ほとんどがIPA洗浄を前提にしています。今のレジンを使い続けたい場合は、洗浄液を替える3DMedSupoが選択肢になります。
流せません。水洗いレジンの洗浄水にも未硬化レジンが含まれており、SDSで排水に流さないよう指示されているのが一般的です。事業所からの排水は自治体の下水排除基準の対象で、油分などの基準に抵触する恐れがあります。硬化させて固形分を分離するか、処理業者に委託してください。
水と洗剤で洗えますが、2槽の水と超音波洗浄機、丁寧な乾燥が必要で、工程数はIPA洗浄と変わりません。洗剤の種類や水の交換時期はメーカーが示していないことが多く、濁った水の処分も自社で行う必要があります。
材料を自由に選べて物性の要求が厳しくなければ水洗いレジンが選べます。レジンを変えられない現場は、IPAを続けるより、洗浄液を替えるだけで臭い・規制・廃液を減らせる3DMedSupoをおすすめします。
洗浄液に溶け込んだレジンの量で決まります。造形物のべたつき、乾燥後の白濁、洗浄時間の延びが交換のサインです。3Dメディカルクリーンの交換の時期は使用頻度によって変わり、目安として、大型の造形物を1日3回洗う場合で約1か月、週数回・小型の造形物を洗う低頻度の場合で半年以上です。使い方ガイドでは液の色で交換時期を判断し、交換の目安を1〜2か月としています。2槽方式にすると1槽目に汚れが集中し、交換の判断がしやすくなります。
3DMedSupoの導入をご検討の方は、弊社までお気軽にご相談ください。お使いのプリンターの機種・レジンの銘柄・1か月あたりの造形回数・現在のIPA使用量と廃液の処理方法をお知らせいただければ、切り替え後の運用イメージと概算費用をご案内します。3DMedSupoは弊社のECサイトの製品ページで購入できます。導入前の相談と見積の依頼はECサイトのお問い合わせフォームで受け付けており、Zoomでの相談にも対応しています。
相談する
自社の使い方が有機則の対象か、判断がつかないときは
現在の洗浄工程・保管量・廃液の出し方をうかがったうえで、切り替えたときに何が不要になるかをお伝えします。
お電話でもご相談いただけます:042-444-7220(平日 9:00〜17:00)