光造形のIPA洗浄のリスクとコストを
ご存じですか?
光造形の洗浄とIPA
光造形は3Dプリンターの造形方式の中で、滑らかさや高精細が特長の3Dプリンティング技術です。他の3Dプリンターの方式に比べて、圧倒的に綺麗で見た目の仕上がりが求められる造形に使用されます。また、材料の種類も非常に豊富で、高速で作れる材料から高強度な材料、ゴム系の柔軟性が高い材料からシリコーンまで、幅広い用途に使用することができます。
その一方で、使用する際に注意するべきポイントがあります。それは材料にレジンを使用することと、プリントが終了した後に洗浄という工程があることです。光造形はレジンに紫外線をあてて硬化する3Dプリント方式ですが、液体のレジンが固まった後、造形物の周囲には固まっていないレジンがべとべとの状態でついています。
光造形の洗浄プロセス
造形が完了
造形モデルの表面に未硬化のべたべたのレジンが付着している。
洗浄の実施
洗浄液に10分から20分の一定時間つけることで未硬化のレジンが溶ける。
乾燥して完成
洗浄液から取り出し、30分から1時間程度乾燥して完成。
この造形物の周りに付着したレジンは、水では洗い落とすことができません。水で洗える水洗いレジンが一部販売されていますが、ほとんどのレジンが専用の溶剤で洗うという工程が必要です。この洗浄に使用する洗浄液には一般的にIPA(イソプロピルアルコール)が推奨とされていますが、このIPAの使用にはさまざまなリスクやハードルが存在します。
IPA(イソプロピルアルコール)を洗浄に使うことの
リスクとは?
3Dプリンターメーカーは3Dプリンターとレジンに関する疑問や質問に関してはサポートを行いますが、造形した後の洗浄ソリューションに関しては、ユーザー任せなのが現状です。何気なくIPAが推奨されていますが、実はIPAの使用には大きなリスクやハードルが存在するのです。
1.健康に対するリスク
IPA(イソプロピルアルコール)は、健康に対する影響が指摘されています。厚生労働省の「職場の安全サイト(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/67-63-0.html)」の記載をそのまま引用すると、危険有害性情報として以下の点が記載されています。特に下記のような有害性から、直接手で触れたり、呼吸をしたりすることも健康に対してリスクがあります。
- 1.引火性の高い液体及び蒸気
- 2.強い眼刺激
- 3.呼吸器への刺激のおそれ
- 4.生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
- 5.中枢神経系、全身毒性の障害
- 6.長期にわたる、又は反復ばく露による血液の障害
- 7.長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、
肝臓、脾臓の障害のおそれ
2.IPA使用の企業側の義務と費用
上記の健康に対するリスクに備えるためにIPAを使用する際には、厚生労働省の定める有機溶剤中毒予防規則(以下、有規則)にのっとった使用が求められます。この有規則にのっとった使用環境の構築は、同じく厚生労働省が提供する「有機溶剤を正しく使いましょう(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/120815-01.pdf)にも記載されており、主に以下の4点が必要になります。
- 1.作業主任者の選任
- 2.局所排気装置の設置
- 3.作業環境測定
- 4.特殊健康診断
- 5.防毒マスクの着用
- 6.廃液の産業廃棄物処理
1.作業主任者の選任
IPAを使用するためには、作業主任者を選任しなければなりません。作業主任者とは有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから選ぶ責任者のことです。有機溶剤作業主任者技能講習は、例えば東京都を例にとると、13時間で、13,490円ほどの費用が掛かります。
2.局所排気装置の設置
IPAは直接吸い込む場合にも健康リスクがあることから、局所排気装置の設置が義務付けられています。局所排気装置を設置する場合には工事費用なども含めると数十万円から100万円ほどの費用が発生します。
3.作業環境測定
IPAでは局所排気装置を設置したうえで、さらに年2回の作業環境測定が義務付けられています。この作業環境測定は国家資格を持った専門家が行う必要があり、1回あたり5万円~10万円ほどの費用がかかります。
4.特殊健康診断
IPAを使用する場合、有規則に定められた特殊健康診断も年間2回必要です。有機溶剤等健康診断といわれるもので、尿中の有機溶剤の代謝物の量を計測したり、肝機能検査や腎機能検査などで健康診断の結果(個人票)を5年間保存する義務が生じます。この健康診断も1回につき3,000円~5,000円ほどの費用が発生します。
5.防毒マスク
IPAを使用する際には、防毒マスクの着用が義務付けられています。防毒マスクを着用して作業する場合、フィルター交換などを行う必要があります。
6.廃液の産業廃棄物処理
光造形のレジンが溶け込んでいるIPAの廃液は場合によっては「特別管理産業廃棄物の引火性廃油」という種類に該当し、産業廃棄物処理業者への引き取り処理が必要になります。この産業廃棄物処理の費用は1回あたり①収集運搬費 30,000~50,000円/回、②産廃処理費 15,000円~20,000円/ドラムの費用が発生します。
IPAの廃棄でやってはいけないこと
下水に流す
野外で蒸発させる
紙などにしみ込ませて
捨てる
また、上記の主要項目以外にも、IPAを使用する場合には使用する有機溶剤等の危険有害性を確認し、関係者や作業者の方々に周知徹底することや、提示する義務が発生します。
IPAの課題のまとめ
上記でご紹介したようにIPAを使用するには健康面やコスト面での多くのハードルが存在します。有規則に定められている環境構築を行う場合には、局所排気装置の設置や先任者の選出などの初期費用が発生するだけではなく、健康診断や作業環境測定といった環境管理のためのランニングコストも発生します。
また、昨今のSDGsの観点や企業のSCRの観点から、企業イメージや職場環境のイメージといった観点からも有機溶剤はなるべく使用しないという時代の流れもあり、総合的に考えてもIPAの使用はよりハードルが高くなっていると考えられます。
3DMedSupoはIPAの課題をすべて解決します
そこでおすすめなのが、3DMedSupoです。一言でいうと、3DMedSupoは、これまでご紹介してきたようなIPAの課題をすべて解決します。
健康面のリスクだけではなく、コストや手間といった運用面でも、光造形の洗浄工程をよりよく、よりリーズナブルなものにします。 ここでは3DMedSupoがIPA使用で発生するリスク・課題をどう解決するかをご紹介します。
健康面のリスク減
3DMedSupoは高濃度エタノール洗浄液になります。そのため、IPAと比べて臭いが少なく、有害性も低いのが特長です。
費用と手間がゼロ
3DMedSupoでは、IPAと違い有機溶剤ではないので、有機溶剤中毒予防規則(有規則)で求められるような使用環境を構築するための手間と費用は一切かかりません。具体的には以下の項目が不要です。
① 作業主任者の選任→不要
② 局所排気装置の設置→不要
③ 作業環境測定→不要
④ 特殊健康診断→不要
⑤ 防毒マスクの着用→不要
産業廃棄物処理の手間とコストがゼロ
3DMedSupoでは、産業廃棄物に関する手間と費用もかかりません。
光造形の洗浄液はレジンが溶け出してしまうと廃棄処分が必要になりますが、3DMedSupoの場合には、洗浄液に回収費用が含まれているため日本全国どこでも送料無料・回収費用無料です。
一般的に廃液の回収費用は運搬費 30,000~50,000円/回、②産廃処理費 15,000円~20,000円/ドラムの費用が発生しますが、ゼロ円になります。
使い方かんたん
3DMedSupoは使い方も廃棄方法も簡単です。
① 洗浄液を使用する
② 廃液を回収缶に入れる
以上です。回収は次回ご注文時に配送業者が引き取りを行うか、専用回収フォームから回収申し込みが可能です。(回収はどちらも無料です。一切費用は掛かりません。)
IPAと同じ高い洗浄力・乾燥力
3DMedSupoはIPAと同じ高い洗浄力と乾燥力を持っています。
3DMedSupoのメリットのまとめ
全体として、これまで使用していたIPA(イソプロピルアルコール)を3DMedSupoに切り替えるだけで、健康リスクが低減され、臭いや有毒性などの環境も改善されます。また有機溶剤中毒予防規則で必要であった初期導入コスト、ランニングコスト、人件費も削減することが可能です。さらに使い方も簡単で回収の手間もコストもありません。
医療用・歯科用の品質で安心安全
3DMedSupoは、もともと歯科用3Dプリンターの洗浄のために開発された洗浄液ソリューションです。
医療分野で使用される製品のことを考え、徹底した品質管理を行い、成分・純度管理を行って製造されています。
こうした医療用の品質から3DMedSupoは、歯科用の3Dプリンターの洗浄液として、IPAの代わりに多くの歯科医院・歯科技工所での使用実績があります。
また近年ではSDGSの観点や環境貢献の意識の高まりから、数多くの企業や個人で3Dプリンターの洗浄液として利用されています。
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