1台で5種類の試作に対応
今3Dプリンターが新たな生産ラインを担う機器として一躍注目を集めているがもともとは試作品を製造するために使用されているものだ。
最終品の製造に使用され始めたのは2014年に入ってからで、今でも主な使用用途はプロダクトデザインを立体にして確認するために使用。そんな3Dプリンターだが、製法の特許切れによってさまざまなコンセプトの商品が登場している。
その大半は低価格タイプの3Dプリンターだ。その開発を手掛ける多くの企業がスタートアップと言われる企業で、クラウドファンディングを使って量産のための資金調達を集めるのが定番になっている。
続々と低価格帯の3Dプリンターが登場するなか、3Dプリントだけではなく、試作製造に特化したマルチ機能を備えた工作機械「ZeGo」が登場した。
「ZeGo」の最大の特長は「試作」に特化し機能を広げている点にある。製造業の現場で「試作」と一言でいってもいろいろあり、平面、立体、電子回路等、ものによって様々な種類があり、試作と検討の試行錯誤が繰り返されるのが常。
「ZeGo」はそんなさまざまな試作に対応するため、なんと1台で5種類もの試作が可能。
以下「ZeGo」ですることができる機能をご紹介する。
- 作図:紙や液晶スケッチブックに描画


- 木材バーナー:木材に燃焼させ印字

- プリント基板彫刻:プリント基板にミリング加工

4. ピック&プレース:細かい電子部品を基板に配置

5. 3Dプリンター:PLA樹脂を使った3Dプリント

「ZeGo」の動画
稼働範囲

3Dプリントのスペック
- サイズ:700㎜×345㎜×295㎜
- プリント速度:220㎜/秒
- 最小レイヤー解像度:70ミクロン
まとめ
「ZeGo」は、基本的には、ヘッドの部分を付け替えることで、5つの機能を満たしている。また、それぞれの機能別に専用ソフトウェアが付属されているとのことだ。
現状の紹介では、ミリング加工や3Dプリントしているところの動画は映されていないため、完成度は不明だが、試作に特化することで、5種類の機能を持たせているようだ。
ちなみにReprap 3Dプリンターのように組み立て式なため、価格は5種類すべてのセットがついてたった2499ドル、約25万円だ。単品だと5万円から6万円程度の価格帯。
現在量産のための資金をクラウドファンディング「indegogo」で調達を開始している。
これから新たにモノづくりに挑戦しようとする個人や、商品開発に挑戦する小規模なベンチャー企業などにとって、これ1台でこの価格で5種類ものマルチ機能が使用できるということは大きいのではないだろうか。
デジタルデータから直接生成する技術と、こうした工作機械の低価格化は、ものづくりに挑戦する人への門戸を開く大きな役割を果たしている。
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