木目調の見た目と木の柔らかい質感を持つ3DプリントフィラメントWoodFill

さまざまな素材が登場するフィラメント

樹脂を溶かして積層する3Dプリンターは、光造形に比べて粗が目立つという欠点がある。しかし、その一方で材料が豊富というメリットも存在する。FDMタイプの3Dプリンターはフィラメントと言われるプラスチック材料を使用するが、さまざまな材料と組み合わせることで独特の質感を表現することが可能だ。

以前もご紹介したオランダのフィラメントメーカーColorFabbは金属の質感をプラスチックで表現できるブロンズのフィラメントを発売しているが、それ以外にさまざまな製品ラインナップを持っている。

本日ご紹介するwoodFillもそのうちの一つ。名前が示す通り木材フィラメントだ。本日はColorFabbの特殊フィラメントwoodFillとその機能性をご紹介。

 木目調の見た目と木材の持つ柔らかい質感まで再現

このwoodFillが画期的なのは、見た目が木目調というだけではない。その機能として見た目以外の質感や機能性も木材同様に再現できるのが最大の特長。

もともとこのWoodFillは靴底の製造を目的として作られた特殊フィラメントだ。今、3Dプリンターの利用は様々なモノを作ることに利用が開始されているが、そのうちの一つが靴やインソールの製造に試験的に利用され始めている。

例えば靴でいえば、ファッションブランドのユナイテッドヌードが3Dsystemsと3Dプリンターでカスタムメイドの靴を作る取組を発表したり、Feetzという個人の足のサイズにあった靴を3Dプリンターで作るサービスも登場している。

しかし、こうした靴の製造で1点課題となるのが、履いた時の履き心地だ。従来のABSPLAのフィラメントではとても履き心地がいい質感を出すことは不可能だ。

むしろプラスチックの剛性が足に不快感を与える。こうした課題から生まれたのがWoodFillだ。見た目の木目調という部分だけではなく、履いた時の質感も木材の柔らかい質感を再現できるように作られている。

木目調のフィラメントWoodFill

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靴の履き心地を快適にするためのフィラメント

上記はファッションデザイナーは、クリス·ファンデンがデザインし、子牛の皮とWoodFillフィラメントで作られた3Dプリントシューズだ。3Dプリンターの最大の特長はカスタマイズ性だが、同時に複雑な形状のデザインも作ることができる。

この3Dプリンターの特性を生かし靴に最適なやわらかい質感を持つWoodFillを使用することで、最適な3Dプリントカスタム靴が作られている。また、この靴における3Dプリンターの使用部分は靴底というあまり目立たない部分に使用されており、現状のFDMタイプの3Dプリンターの欠点である積層の粗が目立ちにくい場所に使用されている。

子牛の皮とWoodFillで作られた靴

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WoodFillスペック

  • 配合率:70%PLA樹脂、30%リサイクル木材チップ
  • 最適3Dプリント温度:195℃~220℃
  • 最適3Dプリント速度:40mm~100mm/秒
  • フィラメント直径:2,85mmと1,75mm ±0.05mm
  • 下記の3Dプリンターでテスト済み:Ultimaker、Ultimaker2、Makerbot Replicator2、Delta Tower、Felix 20、Leapfrog Creator、Beethefirst

まとめ

樹脂と異なる素材を混ぜ合わせて特殊なプラスチックを作り出すことは別段珍しいことではない。

そうした混合機能性プラスチック材料は既にさまざまな分野で使用されてきた経緯がある。しかし3Dプリンター用フィラメントで利用が可能になることで、商品開発の幅がいっきに広がるだろう。

3Dプリンターの持つカスタマイズ性と複雑な構造体を可能にする機能と、材料のレパートリーの組み合わせは商品開発で取り組める分野が広がることを意味するからだ。

このWoodFillにしても、木目調の見た目と木の質感がある程度まで再現することでこれまで作ることができなかった商品が作れるようになる。このように見てみると、FDMタイプの3Dプリンターは、性能が向上し仕上がりがもっと綺麗で滑らかになれば、対応している材料の幅がきわめて多く、最も汎用性が高い3Dプリンターになるのかもしれない。

今後のフィラメント開発は目が離せない分野だ。

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2014.9.12 投稿者:i-maker

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