車体の50%以上が3Dプリント!わずか37リットルで全米横断に挑むUrbee2

世界初の3DプリントカーUrbee

UrbeeはKOR Ecologic社が2010年にその構想を発表し、2013年にプロトタイプが完成した世界初の3Dプリントカーだ。

Urbeeは、3Dプリント技術で構成されることや、5Hpハイブリッドエンジン、空気抵抗を抑えた特長的なデザインによって有名になりましたが、2015年に向けて新たな計画が始まっている。

Urbeeは3Dプリント技術とハイブリッドエンジンを駆使した、まさに次世代自動車としての最初のプロトタイプだが、より実用化にむけた第二弾の取組として2015年に全米横断をめざしている。

全米横断にあたってはさらに改良を重ねたUrbee2を第二のプロトタイプとして使用するとのことだ。

このUrbee2の開発にあたっては、KOR Ecologic社を中心に3Dプリンターメーカーでトップを走るストラタシスが協力を行う。

ストラタシスはこれまで自動車産業や航空宇宙産業の多くの企業とパートナーシップを組み、車体軽量化と耐久性向上の製品開発において3Dプリント技術を提供している。

Urbee2

ストラタシス社のUrbee2

燃費リッター137.5km

KOR Ecologic社が立ち上げたUrbee2の全米横断プロジェクトはバイオ燃料を使うもので、なんとわずか34リットルで全米横断が可能になるという計画だ。

横断箇所はニューヨークからサンフランシスコのルートでトータル約4676kmの長距離に上る。ちなみに燃費換算するとリッター約137.5kmという驚異的な性能だ。

この驚異的な燃費向上を果たすためにはバイオ燃料を使用することも当然だが、3Dプリント技術が必要不可欠だ。

最初のプロトタイプであるUrbee1号は車体重量が約726kgであったが、全米横断を34リットルで達成するためには、Urbee2の車体重量を三分の一約242kgまで落とさなければならない。

そのためUrbee2の車体の50%以上は3Dプリンターで製造する必要があるとのことだ。

KOR Ecologic社はこのプロジェクトを成功させることで、自動車製造の在り方に大きく影響を与えることができると考えている。

全米横断計画図

Urbee2の3Dプリントボディ1

Urbee2の3Dプリントボディ2

Urbee2 図面

Urbee2 内部

Urbee2 試作

Urbee2 ラインナップイメージ

まとめ

Urbee2の取組は現段階ではまだ仮想段階にあり、全米横断は仮想を現実化するための実証実験の意味がある。

わずか34リットルの燃料で4600kmもの距離を制覇することができれば、自動車製造の歴史に新たな1ページを加えることになる。

それこそ3Dプリンターが次の産業革命と言われる所以を体現することになるのではないだろうか。

3Dプリンターを使うことの本当のメリットは、データがあれば何でも作れるという誤った考え方ではなく、それをツールとして利用することにより、従来とは次元の異なる性能を実現させ、作り手と使い手にあらゆるメリットをもたらすことにある。

今多くのメーカーたちが3Dプリント技術に注目し、製造プロセスの切り替えに着手し始めている理由も従来とは全く異なるメリットを得られるからに他ならない。

例えばGEの場合はジェットエンジンのパーツ製造で、そのメリットを得ている。製造にかかるあらゆるコストが削減すると同時に、パーツの重量を低下させ耐久性を向上させることで、燃費向上という飛行機本体の性能アップにつなげている。

フォードはエンジンのパーツの試作品製造で圧倒的なリードタイムと製造コストの削減を実現した。

一方受けてである消費者が享受するメリットは従来品にくらべ品質の向上した製品やサービスを受けられることになる。

同時に製造コストやリードタイムの削減されたことで従来よりも安い価格で今まで以上の品質を誇る製品とサービスを手に入れることが可能だ。

こうした例はほんの一例に過ぎないが、Urbee2の取組は3Dプリントを製造に取り入れた場合のメリットを最大限表現していると言えよう。

3Dプリンターが製造プロセスに占める割合はまだまだの状況だが、2014年以降も拡大する傾向にあり、さらに私たちの暮らしに関わる製品やサービスの質が向上していくことだろう。

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