3Dプリンター導入を検討するイギリス大手テスコ
テスコは日本だと撤退してしまっているためあまりなじみがないスーパーマーケットチェーンだが、ウォルマート、カルフールについで世界第3位の小売りチェーンだ。テスコはイギリスに本拠地を置き、世界14カ国で展開する巨大小売チェーンだが、小売業以外にも金融サービス電気通信や通信販売なども手掛けている企業だ。
このテスコのIT責任者マイク・マクナマラが発表したところのよると、テスコは現在3Dプリントサービスの検討を行っているとのことだ。
3Dプリントサービスが店舗の集客につながる
マイク・マクナマラは、今後数年間で、超高速ネットワーク、クラウドコンピューティングやスマートフォンデバイスなど全ての顧客の行動を変化させる技術があり、それらを組み合わせることで、小売業のプロセスに大きな影響を与えると考えている。
すなわち、小売り業で取り扱うエンドユーザー向けの製品がデジタルデータでダウンロードされ、3Dプリントされることを想定しているとのこと。また、顧客がスーパーで買い物を行い、ちょっとした時間の間で印刷することが可能となると考えている。
実際3Dプリンターは2013年度に爆発的に流通量が伸び、技術力が高まることで印刷される造形物のクオリティが向上し、印刷にかかる時間も短縮されることが予測されている。
業務用ではないデスクトップタイプの3Dプリンターも10万円程度から30万円程度の金額で販売されてきていることから、3Dプリントすることで製品を手にする時代もそう遠くはないかもしれない。
しかし、紙のプリンターのように広く一般家庭で使用されるまでにはまだまだ時間がかかることから、データを持ち込み店舗で3Dプリントするサービスが効果的であるとマイク・マクナマラは考えている。
また、3Dプリント革命は実店舗に顧客を訪れさせる契機になると考えている。特にオンライン販売ではニッチ製品などのアクセスがあることから、ニッチ製品を3Dプリントで印刷するなどの対応をとることで店舗での足音を高める助けることができるというのだ。
現に3Dプリンターの性能は日に日に向上しており、3Dsystemsが高性能なフルカラープラスチック素材の3Dプリンターや3種類の異なる素材を自由に組み合わせて成形できる複合3Dプリンターを発表している。
こうした3Dプリンターの素材の多角化や品質の向上はより高いクオリティを求められるエンドユーザー向け製品のダイレクト製造を可能にしてくれる。
3Dsystems社が発表したフルカラー3Dプリンターと複合3Dプリンターの記事はこちら
まとめ
テスコは3Dプリンター発祥と言えるイギリスに本拠地をおいているためいち早く3Dプリントサービスを取り入れていると考えられる。テスコの考えている3Dプリントサービスの使い方は非常に斬新であり、情報技術の高速化とスマートフォンの普及による情報化社会の先を正確に読んでいると考えられる。
インターネット通販の特徴であるニッチ商品が購入されるロングテールの性質と3Dプリントサービスを結びつけることによって実店舗での集客につなげるという発想はまさにこれからの時代にマッチした戦略なのではないだろうか。
日本でもキンコーズが出力サービスの一環として3Dプリントサービスを取り入れ始めているが、まだまだイオンやセブン&アイなどの小売りチェーンでは取扱は行われていないようだ。しかしここ数年の情報技術の進化はビジネスの変革スピードを飛躍的に高速化しているため日本の小売りチェーンが3Dプリントサービスを導入するのも近い将来なのかもしれない。
参考記事:.3ders.org
小売りチェーンの3Dプリントサービスに関する記事はこちら
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