わずか12ヶ月で電気自動車をカスタムメイド!ユーザーと作るメーカーStreetScooter

顧客の要望に応じて電気自動車をカスタマイズ製造するメーカー

2014年の9月にローカルモーターズが世界で初となる3Dプリント電気自動車を公開したが、ローカルモーターズ以外でも自動車への3Dプリンターの利用が進んでいるようだ。

今回新たに3Dプリンターで電気自動車を作ることを発表したのは、ドイツの電気自動車メーカーStreetScooter。11月25日から28日に開催される3Dプリンターの世界最大の展示会、ユーロモールドのStreetScooterブースにて展示される。

StreetScooterは、ドイツのアーヘン工科大学発の2010年設立の新しい電気自動車メーカーで、建物が多く、人口密度が高い都市部での新たな自動車の提案を行っている。東京やモスクワ、ドイツの東西境の近辺、北京、など、先進諸国の年は年々増加する自動車によってすさまじい渋滞だ。また、密集した都市部では大きい車よりもコンパクトなスマートカーが最適なことから、StreetScooterは、今の都市部に最適なコンセプトの電気自動車を製造している。

既にドイツのDHLなどからカスタムメイドのコンパクト電気自動車を製造し、50種類のラインナップ製造に成功。

このStreetScooter、面白いのが顧客の要望や、使用環境に応じた完全カスタマイズ製造を行っており、顧客からの要望に基づき12ヶ月で試作製造を行なうとのことだ。その12ヶ月の試作にはストラタシスの高性能マルチマテリアル3Dプリンターが使用されている。

ストラタシスの高性能3Dプリンターを使い12ヶ月で製造

今回発表されるStreetScooterの電気自動車StreetScooter C16は、120以上の工業用材料が使用できるストラタシスのObjet1000で作られたもの。StreetScooterは、かなり早い段階からこの3Dプリンターでの試作製造を導入しており、そのすべての外装パーツをこのObjet1000で製造している。

そのパーツ類は大型フロントパネルと背面パネルに始まり、ドアパネル、バンパーシステム、サイドスカート、ホイールアーチ、ランプマスク、リテーナ計器盤などのいくつかの内装部品で、樹脂素材では比較的耐久性が高いデジタルABS樹脂で作られている。

これによりたった12ヶ月でカスタマイズされた電気自動車のプロトタイプを提案することができる。ちなみにこのC16は重量はわずか450kgで、時速100kmまで出すことができる。まさに人口密集地域や、道が入り組んだ都市部では最適なコンパクトカーと言えよう。

12ヶ月でカスタマイズされるStreetScooter
ストラタシスのObjet1000で作られたドアパネル

まとめ ユーザー目線のカスタマイズの時代

このStreetScooterが、これまでの自動車製造と明確に異なる点は、顧客からの要望に完全に答えてカスタマイズ製造する点にある。完全にユーザー目線の自動車メーカーと言えよう。既にStreetScooterと共同でカスタムカーを製造した企業は80社にのぼり、50近いラインナップが登場している。

自動車製造は金属加工の固まりといっても過言では無く、無数の金属パーツの接合で構成されているが、樹脂素材の性能向上と、高度な3Dプリント技術によって、こうしたカスタマイズが可能になっている。こうした3Dプリント技術の利用とカスタマイズ製造の波は今後も拡大するだろうし、ユーザー目線を持つことが今後のモノづくりで最も重要になってくるだろう。

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