高い耐久性と柔軟性をもつFDMナイロン12とは
ドイツのフランクフルトにおいてヨーロッパ最大級の製造・金型成形の展示会ユーロモールドが開催されている。
今年は3Dプリンターブームということもとあり、多数の3Dプリンタメーカーが出展し新製品や新素材の発表を行っている。本日はストラタシスが発表した新しい新素材ナイロン12についてのご紹介。
ストラタシスは言わずと知れた3Dプリンターのリーディングカンパニーで、2013年度は20%も売上を伸ばし株式上場も果たした企業だ。
ストラタシスは今回のユーロモールドにおいて自社の3DプリンターFortusシリーズ専用の新素材ナイロン12の発表を行った。
このFDMナイロン12は従来のFDM素材よりも耐久性に優れより柔軟性にとんだ素材になる。
従来の際強度を誇るFDM素材と比べた場合も、その強度は5倍になるという。主な使用用途として、補聴器、製造装置用部品、内装パネル、カバー、耐振動性部品、環境制御通気口などのパーツ類に使用されることになる。
ユーロモールドではストラタシスの製品担当役員フレッド・フィッシャー氏がコメントしている。
ナイロンはプラスチック製品の素材として最も広く使用されている材料の一つです。またFDMユーザーから強く求められていた素材です。ストラタシスが提供する最初のセミシリコン素材であり、かつ最強の素材です。
今回発表したFDMナイロン12は反復的にひねったり、高い疲労耐久性と、強い耐薬品性、耐衝撃性や圧入インサートを必要とする部品での使用を期待しています。この材料は添加剤製造法によってナイロン部品を簡単に製造できます。


FDMナイロン12で作られたジッパー
このFDMナイロン12は耐久性で100から300%の伸びを示しているという。
また品質において添加剤製造の業界の中に置いて最も厳しい基準で作られている。現在対応している3DプリンターはFortusシリーズ(Fortus 900mc, Fortus 400mc ,Fortus 360mc)になる。
現在ストラタシスのFortusタイプは自動車業界、航空宇宙産業、エレクトロニクス産業、医療分野など、幅広い製造分野で使用されていることから、今回のFDMナイロン12の登場によってさらに導入範囲が拡大すると思われる。
まとめ
ストラタシス社が発表した新素材FDMナイロン12は3Dプリンターによるパーツ製造の幅をさらに広げてくれる。
現在パーツ製造や試作品製造で使用されている3Dプリンターの材料はプラスチックや金属が主になっているが、柔軟性と耐久性に富んだナイロン素材が用いられることでさらに使用できる部品が増えることになる。
従来は試作品製造の用途で使用されていた3Dプリンターが、精度や素材が広がりを見せることで今後更なる使用範囲の拡大が見込まれるだろう。
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