ストラタシスはフルカラー3Dプリンターに10素材380色以上のカラーを追加

期待されるフルカラー3Dプリンターの使用

3Dプリント技術にとってプリンター自身の性能向上と同じくらい重要なのが、材料の種類や色の幅の拡大だ。

とりわけ自由に物体の色を表現することができるフルカラープリントは今後の普及には欠かすことができないポイント。

今年に入り2大3Dプリンターメーカーである、3Dsystemsとストラタシスがそろってフルカラープリントが可能な機種を発表させたが、今回新たにストラタシスがフルカラーの表現をさらに拡大する硬軟2種類の素材のカラーパレットを発表した。

1000色以上の表現が可能なフラッグシップモデル

今年の1月に、ストラタシスは次の3Dプリンター業界を牽引するであろうフラッグシップモデルObojet500 Connexを発表したが、フルカラーでマルチ素材対応という他社にはない圧倒的な機種で一躍注目を集めている。

素材は硬軟合わせて6種類の材料が可能で、また、カラーバリエーションは1000色近い表現が可能だ。

この表現力の拡大は、これまで工業用での用途が主流であった3Dプリンターを、消費者向け製品のダイレクト製造を行うことができる機械としての認識を広げることとなった。

それに伴ってではないが、2014年の1月以降、3Dプリンターで最終品を製造する動きがぞくぞくと登場している。

今回行われた発表では、さらにその表現力の幅を拡大するもので、柔らかい素材6種類と硬い素材4種類の累計10種類がリリースされている。

驚異的なのはその色数で、この硬軟それぞれのカラーパレット追加によってさらに380色以上のカラーバリエーションを利用できるようになっている。 その内訳は、柔軟な素材6種類で200色、硬い4種の素材で180色のカラーになる。硬い素材は、グレーベースの素材で、剛性グレーが135色で、色調グレーが45色。

柔らかい素材の200色のカラーパレット

硬い素材の180色のカラーパレット

追加カラーパレットの動画 様々な最終品ができるものを紹介

今回の新色で製造したシャワーヘッド

香水ボトル

シュノーケル用の足ひれ

まとめ -最終品への使用拡大と商品開発の幅が拡大-

ストラタシスの動画では、今回の新色追加によってさらに様々な製品の製造に利用が可能になったことを紹介している。

これまで工業用での用途であったものが、一般家庭で使用される家庭用品や、電子機器、レジャー関連の商品の製造もできるようになりそうだ。 まさに今後は最終品の製造に3Dプリンターが使用されるケースが拡大してくると思われる。

ストラタシスのObojet500 Connexは、価格は33万ドル(約3300万円)程度であり、企業でもそう簡単に購入できるものではない。

しかし、この機種を搭載した3Dプリントサービスが普及してくれば、中小企業やデザイン事務所でも利用が可能だ。 高性能なハイエンドタイプのフルカラー化やマルチ素材化は今年に入り進んできているが、低価格タイプの3Dプリンターでのフルカラー化はまだ時間がかかりそう。

こうした状況を見ると、今後は精度や表現の幅が広い3Dプリントサービスの需要が徐々に高まってくることが予想され、最終品の商品開発の場において重要な役割を果たしていくだろう。

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