ストラタシスが驚異の素材グラフェンの3Dプリント材料の開発を開始

驚異的な物性を持つ新素材グラフェン

素材は全てのモノの源流をなすものだ。この世の中に存在する全ての製品は素材から成り立っている。樹脂、金属、布、皮、紙、木材、セラミック、などモノづくりの歴史は素材の歴史といっても過言ではない。

新たな素材が生まれればそれだけ新しい機能を搭載した商品が生まれることになる。

こうしたことから、素材の研究開発というのは、モノづくりの中において主要的な位置を占めるだろう。今では炭素繊維やハニカム構造材などの先端素材の研究開発が行われているが、とりわけ未来の新素材として注目されているのがグラフェンだ。

グラフェンは未来の製品を構成する新素材として注目され、今各国の主要機関や企業が素材としての実用化に取り組んでいる。

その特性は驚異的なもので「世界で最も薄く、世界で最も柔軟性があり、シリコンの100倍の電気伝導率があり、鋼鉄の200倍の強度がある」というものだ。

この特性から、さまざまな電化製品の核となる素材として注目が集まっており、素材自体の研究開発にともなって3Dプリントへの対応も重要な研究項目で挙げられている状況だ。

アメリカとイスラエルの最先端技術への意気込み

驚異的な性能を持つグラフェンだが、3Dプリント用材料として新たに名乗りを上げた企業がいる。それは3Dプリンターメーカーとして世界で主導的な地位を持つストラタシスだ。

ストラタシスは、2014年度に入りフルカラーや複合材料のマルチプリンターをリリースするなど、3Dsystemsとともにこの分野では最先端を進んでいる。またプリンター自体の開発以外に、それに対応する様々な素材自体の研究開発も盛ん。

今回発表されたのは、グラフェンの研究開発で主導的な地位にあるグラフェンテクノロジーとの提携にある。

研究開発の状況や実用化への見通しは不明だが、今回の提携にあたって、BIRD財団という財団から多額の研究資金が投入されている。

BIRD財団は、アメリカとイスラエルの間における最先端技術や製品開発を後押しする財団で、今回はストラタシスとグラフェンテクノロジー以外に10個のプロジェクトに出資したとのことだ。

まとめ

グラフェンの3Dプリント対応の研究開発は、ストラタシス以外にも行われているものだ。

アメリカのグラファイトテクノロジー社や、中国の国策企業でも3Dプリントへの実用化が研究されている状況。今回のBIRD財団の肝いりや、各国の主要機関が開発を続ける理由は明白だ。

一素材の開発がその後の産業を、世界を変える可能性を秘めているからに他ならない。

例えば、カーボンファイバーは自動車や航空機、スポーツ用品など様々な製品に使用が開始され、これまで使われてきた素材に取って代わろうとしている。古代の例を見てみても、木製の農具が青銅の農具に追われたように、青銅が鉄に駆逐されたように、一つの素材は我々の生活や文化すらも変革してしまう可能性を秘めているものだ。

各国の取組に対する姿勢を見てみると、グラフェンはまさに次なるエレクトロニクスを担う素材と言えるのではないだろうか。その実用化は遠くまだ時間はかかるが、将来汎用化されればさまざまな商品が生まれてくるだろう。

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