ストラタシスのデザイナー育成と製品開発における3Dデザインの役割変化

3Dデザインはプロダクトデザインの必須技術になる

3Dプリンターの性能向上にともなって、3Dデザインの役割も変化しつつある。もともとモノづくりにおいて、3Dデザインは単なる作業、デザインをCADにおとしこむ一工程とみられていた。

製品開発の流れは非常に簡単に言うと、はじめに商品コンセプトがなければならない。その後コンセプトに基づいてデザインを行い、デザインされた製品を正確な設計図におとしこむという流れだ。この設計図におとしこむ作業が3Dデータ化である。

この3Dデザインの立ち位置はある意味では正しい。人の心にいかに印象づけるかがデザインの最も重要な役割であり、その意味からするとコンセプトとプロダクトデザインがなければ3Dデザインはただの作業に過ぎない。

しかし、3Dプリンターが製品開発や製品改良の分野で大きな役割を担い始めると、3Dデータ化はプロダクトデザインの重要な一部としてとらえられるようになりつつある。

例えば、自動車や航空機産業における3Dプリンターの使い方を見ればそれが明白だ。航空機の製造開発にとってパーツの軽量化は性能向上につながる。従来は複数のパーツを組み合わせることで一つの部品を構成していたが、3Dプリンターで作った方が、コストも安く軽量化も耐久性向上も果たすことができる。

こうした3Dプリンターを使った製品設計の場合、機能性だけではなく高度な物性も理解している必要があり、それを3Dデータ化しなければならない。すなわちデジタル化されたモノづくりにおいては、ジェームズ・ダイソンの言うデザインとエンジニアリング、両方の理解が必要になる。こうしたことから3Dデザインは今後の製品開発、プロダクトデザインには必須のスキルと言える。

3Dデザインの振興で10年以上の経験を持つストラタシス

上記で述べたように、3Dデザインの習得は、もはや単純な作業という位置から、製品開発、製品改良の必須スキルになりつつある。ちなみにここでいう3DデザインとはAutoCADが使えるとか、ライノセラスが使えるといった3Dデザインソフトが操作できるという狭義の意味ではない。

3Dプリンターと素材の物性を理解し、新たにデザインされたもので性能を向上させることができ、全く違う機能を持つ商品を誕生させることができるスキルである。

こうしたことから、3Dプリント技術を教育カリキュラムに取り入れようとする動きが世界中で盛んだ。これまで3Dデザインの教育は、日本でも美大や一部の専門学校でしか行われてこなかったが、これからの時代を見据え将来的に必須の科目になることは間違いない。

こうした3D教育の必修化は、アメリカを代表とする海外の先進諸国が最も盛んで、高校、中学レベルまでのカリキュラム制定を行っている状況にある。さらには、教育機関に先駆けて独自に3D技術の人材育成に力を入れるのが企業だ。3Dプリント技術と3Dデザインを身に着けた人材は将来の製造業を担う貴重な人材として今後ますます重要性を増してくるためだ。

最近では多くの企業が3Dデザインの振興を考え始めているが、実はこの分野で他社に先駆けて、10年以上も前から3Dデザインの分野で多くの学生を支援している企業が存在する。それが3Dプリンターの世界的メーカー、ストラタシスだ。ストラタシスは、つい先日今年11回目となるデザインチャレンジの募集を発表した。

ストラタシスのデザインチャレンジは今年で11回目

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デザインを通して製品開発力と課題解決力を養う

ストラタシスが行なうデザインチャレンジについては「ストラタシスのデザインチャレンジに見る3Dプリント教育の重要性」で詳しく述べたが、今年で11回目を迎えることになる。

2015年の2月までエントリーを受け付けているが、今回も3部門、中学・高校生対象のエンジニアリング部門、大学生を対象にした高等エンジニアリング部門、美術・建築部門だ。今回も3Dデザインだけではなく、創造性やプレゼンテーション能力が問われるデザインチャレンジだ。

各部門で第1位に選ばれた学生には2500ドル(約25万円)の優勝賞金が与えられ、2位と3位でも1000ドル(約10万円)の賞金が授与される。提出するものは3Dデータ以外に、200ワード以上もの説明と30秒のビデオプレゼンテーションが必要。

このデザインチャレンジの画期的な点は、学生が対象とはいえ本格的な製品開発や製品改良に結び付くような内容になっていることだ。応募にあたり何よりも重要視されるのは、既存製品の現状の課題や弱点を明確にし、自分のデザインによって何が改良され、結果としてどのような問題解決につながるかということを果たさなければならない。

前回のストラタシスのエクストリームチャレンジ、美術と建築部門の優勝作品

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ストラタシスエクストリームチャレンジの選考ポイント

  • 機械設計、部品の整合性をサウンド
  • 説得力のある説明(書き込みおよび/またはビデオ)
  • 設計創造性
  • 製品の有用性
  • 美的魅力

 まとめ

このデザインチャレンジに優勝した学生は、奨学金を授与するだけではなく、3Dプリント製造会議に出席ができる。さらには会議に出席するための航空運賃や宿泊費、食費などはストラタシスが負担してくれるとのこと。学生たちにとって賞金として奨学金をもらえることもうれしいがこうした自らの将来につながる体験は何よりも貴重だ。

ストラタシスが提供する3Dプリンターはさまざまな機種があり、フルカラーマルチプリントができる高性能機種から、簡易金型を作ることができる機種まで幅広いラインナップをそろえている。こうした機器本体の販売ももちろんそうだが、それに付随する製品設計や製品改良もソリューションとして提供できるところが何よりの強みだろう。

つい先日も世界的なCADデザイナーやエンジニアのクラウドコミュニティGrabCADの買収を完了したストラタシスだが、単なる3Dプリンターメーカーとしてのビジネスから、製品開発やデザインまで含めたトータルサービスを提供する企業に変貌を遂げつつある。

2014.9.26 投稿者:i-maker

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