曇りの日に効果を発揮する3Dプリントソーラーパネルをイギリス国立物理学研究所が開発

曇りの日に充電効率がアップ

皆さんはイギリスの気候というとどのような天気を連想するだろうか。ほとんどの人が「雨が多い」とか「いつも曇り」とかの天気を連想するのではないだろうか。日本のように梅雨の時期のように集中して雨が降るということは無く、極端な話毎日、平均して曇って雨が降っているという気候だ。

変な言い方をすると、だいたい午前中は晴れ、午後に曇りや雨という感じで、毎日曇っていると言っても過言ではない。曇りや雨が多いという事情もあり、イギリスの太陽光発電は正直進んでいないのが現状だ。こうした天気によることから、イギリスのエネルギー事情は石炭や天然ガスがほとんどを占めていることから太陽光発電はあまり注目されていなかった。

しかし一方で、イギリス政府は2020年にむけて大規模な太陽光発電の導入計画を立ち上げている。その一環ともいえる画期的な太陽光発電システムが発表された。なんとイギリス国立物理学研究所が、曇りの日に発電効率を高めるソーラーパネルの開発に成功したと発表している。

 ソーラーパネルを3Dプリント製造する計画

イギリス国立物理研究所が開発した新たなソーラーパネルは、有機光起電と呼ばれる構造体を使用しており、太陽光が放射された際に半導体として働く機能を備えているという。直射日光が当たる場所と曇りの場所とで、それぞれ新型ソーラーパネルと従来品を置いて実験したところ、驚くべき結果を得たとのことだ。

なんと直射日光の条件下では従来品よりも10%発電効率が上がったのに比べ、曇りの場所の条件下では13%も発電効率がアップしたとのことだ。どういう原理で曇りの条件下での発電効率を高めたのか、具体的な部分はわからないが、イギリスの曇りや雨が続く天候でも大いに力を発揮する発明になると発表している。

また同時に画期的な点は、このソーラーパネルを構成する有機小分子は任意の形状、サイズ、色に変形させることが用意であり、3Dプリント技術で生成することができると発表している。実用化は5年後を想定しているが、将来的に自由に建物の構造や設置場所に合わせて3Dプリントでカスタマイズできるソーラーパネルとして機能させることを目指している。

新型ソーラーパネルの一部

新型ソーラーパネルの実験動画

まとめ

今回のイギリス国立物理研究所が発表した3Dプリントできるソーラーパネルは、太陽光発電の分野にとって画期的な発明だと言えるだろう。既存のソーラーパネルは、晴天時と曇りのときの発電量は大きく開きがあり、だいたい曇りのときの発電量は晴天時の発電量の60%から70%程度になってしまう。

また、オール電化が進み自宅で太陽光発電をする家が増えてきているが、多くのご家庭が雨天時や曇りのときの発電量に満足していないのではないかと思える。もし、このイギリスの新型ソーラーパネルが実用化され、3Dプリンターで自由に生成できるようになったとすれば、場所や建物に合わせて自由な形にカスタマイズし設置することが可能になるだろう。

震災で原発の問題があって以降、世界的に自然エネルギーから電力を生成する動きが出てきている中、画期的な発電方法になるかもしれない。

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