光造形3Dプリンタの洗浄工程とフロー:
具体的ステップ

洗浄プロセスの全体的な目的と重要性

光造形3Dプリンターにおける洗浄プロセスは、3Dプリントしたオブジェクトの品質を向上させ、造形物としての完成度をより高めるための工程です。この工程では、未硬化のレジンを取り除くことで、造形物の精密なディテールを保ち、かつ美しい仕上がりを実現します。逆に、洗浄工程がおろそかだと、造形物自体のクオリティや、二次硬化や研磨といった次の工程にも影響を与えます。

必要な準備と安全対策の概要

洗浄を始める前に、適切な準備と安全対策を行うことが重要です。これには、洗浄に使用する洗浄液とツールの準備、作業スペースの確保、十分な換気、そして適切な保護具(手袋、保護メガネなど)の着用が求められます。また使用する洗浄液の種類によって安全対策などが異なってきます。

1. 造形物の取り外しと準備

光造形3Dプリンターの洗浄工程を開始する前に、造形物を取り外す必要があります。特に光造形3Dプリンターでは、造形モデルが微細でなめらかなケースが多く、モデルを傷つかないように外す必要があります。一部、自動洗浄機などでは、モデルを3Dプリンターのプラットフォームに取り付けた状態で洗浄が可能ですが、事前に取り外しを行う際には、スクレイパーなどの専用工具などで慎重に取り外しを行います。

2.必要な洗浄液とツールの確認

洗浄には、適切な洗浄液とツールの準備が必要です。洗浄に用いる溶剤にはさまざまな種類があります。代表的なものはIPAといわれるイソプロピルアルコールですが、IPAは、有機溶剤に該当し毒性があります。そのため有機溶剤に該当しない代わりの洗浄液がおすすめです。また浄トレイ、ブラシ、スパチュラなど、必要なアイテムを事前に準備し、使用準備が整っていることを確認します。

3.安全装備の着用と作業スペースの整備

光造形の洗浄工程において、安全は洗浄環境の構築が必要です。特に洗浄液の選定によって、構築しなければならない作業環境も異なってまいります。また、適切な保護具、例えばニトリル手袋、保護メガネ、場合によっては保護エプロンやマスクを着用します。また、作業スペースは清潔で整理され、十分な換気が確保されている必要があります。

4.洗浄液の状態の確認

光造形の洗浄は、洗浄液の状態や品質に洗浄結果に大きな影響を与えます。使用する洗浄液が適切な状態にあるかどうかを確認し、必要に応じて新しい溶剤に交換します。汚れや濁りがないか、適切な濃度が保たれているかをチェックし、最高の洗浄効果を得るための準備を整えます。

※有機溶剤に該当するIPA(イソプロピルアルコール)を使用する場合、有規則にのっとった環境構築が必要になります。その場合、局所排気装置の設置や作業環境測定などIPAを使用するだけでコストが大きくなります。

洗浄のやり方と時間

洗浄ステップのやり方

一般的な容器に洗浄液を入れて洗浄するパターンと、自動洗浄機を使用するパターンです。自動洗浄機を使用する場合には、プロペラなどで攪拌して洗浄します。 一方容器を使った洗浄の場合、基本的に洗浄液に一定時間造形物を浸すという方法になります。

適切な洗浄時間とは

光造形の洗浄における適切な洗浄時間は、使用するレジンの種類、洗浄方法、洗浄液の状態などによって異なります。一般的には、10分から20分程度が目安です。ただ洗浄液が濁っていたり、レジンがたまっている場合には、さらに洗浄が必要になる場合もあります。

基本的な洗浄プロセス

バケツ・容器を使う場合

一般的に洗浄する容器は2個用意します。一つ目の容器で造形物のレジンを洗い落とし、二つ目の容器で、追加で洗浄をするというプロセスです。また二つに洗浄用機を分けることで、洗浄液の濃度の違いもでて交換しやすくなります。最初の一次洗浄に10分、二次洗浄でさらに10分という形で洗浄します。

自動洗浄機を使う場合

自動洗浄機を使用する方法もあります。自動洗浄機は、かごの内部に造形物を入れるか、もしくは3Dプリンターのプラットフォームごとセットし、決められた時間を洗浄します。自動洗浄機を使用すると、洗浄が終了すると自動で洗浄液から取り出してくれるため、洗浄のし過ぎを防いでくれます。

乾燥プロセス

光造形3Dプリントの洗浄後、乾燥プロセスはオブジェクトの品質を保持するために重要です。十分に乾燥されていない状態で二次硬化や研磨などの後加工を行うと、造形物がもろくなったり表面の仕上がりに影響を与える可能性があります。基本的には自然乾燥がベストです。

ペーパータオルやクロスによる残留物の除去

乾燥後、洗浄液の残りがないか確認し、ある場合にはペーパータオルや柔らかいクロスを使用してオブジェクト表面の微細な残留物を慎重に拭き取ります。このステップは、表面の仕上げを向上させ、細かいディテールを際立たせるために重要です。優しく拭き取ることで、オブジェクトを傷つけることなく、清潔で滑らかな仕上がりを確保します。

最終的な品質チェックと後処理の方法

全ての後処理が完了した後は、最終的な品質チェックを行います。これには、表面の滑らかさ、ディテールの鮮明さ、および構造的完整性の評価が含まれます。必要に応じて、追加の研磨や仕上げ作業を行い、オブジェクトが最終用途に適した品質を満たしていることを確認します。

使用済み洗浄液の適切な処理方法

光造形3Dプリンターの洗浄液は、適切に処理する必要があります。使用済みの洗浄液はレジンが溶け出していると、下水に流したりすることができません。産業廃棄物処理扱いといして、地元の指定の産業廃棄物処理業者に依頼を行う必要があります。 産業廃棄物処理の金額は、自治体によってことなりますが、数万円程度かかる場合があります。ただ、3DMedSupoのように回収がセットになり、産業廃棄物処理の手間とコストかからない洗浄液も使用できます。

洗浄液を適切なタイミングで交換する

洗浄液の品質はレジンが溶け出すことで時間とともに低下し、その効果が減少します。定期的な交換は、洗浄効率を維持し、オブジェクトの品質を保つために重要です。洗浄液が濁り始めたり、レジンのべたつきが残るや、効果が低下したと感じた場合は、新しい溶剤に交換するタイミングです。これにより、常に最高の洗浄結果を得ることができます。

洗浄ツールの清掃と保管

洗浄に使用されるツールも、定期的な清掃と適切な保管が必要です。ブラシなどは洗浄後にきれいに洗い、乾燥させることで、次回の使用時に最適な状態を保ちます。これらのツールを清潔に保つことで、洗浄プロセスの品質を保ち、ツールの寿命を延ばすことができます。

まとめ:光造形の洗浄のよくある問題とその解決策

光造形3Dプリンターの洗浄プロセスでは、いくつかの一般的な問題が発生する可能性があります。例えば、オブジェクトに未硬化のレジンが残ることや、洗浄液が早く汚れることがあります。これらの問題に対処するためには、洗浄液の適切な管理、洗浄時間の調整、オブジェクトの回転や位置の変更などが効果的です。また、オブジェクトが繊細な場合は、力を入れ過ぎずに慎重に洗浄することが重要です。