5万円で50ミクロンの精度を持つ低価格3Dプリンターが登場

3Dプリンターの低価格化が激化

3Dプリンターの低価格化が激化している。とりわけクラウドファンディングなどで資金調達を行ない、新規に市場獲得を狙うスタートアップ企業は、既存の大手メーカーに対抗するため極端な低価格路線をとることが多い。

こうしたことが3Dプリンターの価格競争を激化させている要因ともいえよう。とりわけ衝撃的だったのが、完全に消費者をターゲットにしたM3Dという3Dプリンターだ。

M3Dは1台349ドル、約3万5千円程度で購入できる低価格3Dプリンターで、キックスターターでは約3億4000万円もの資金調達に成功した。

M3Dは軽量小型で完全に家庭用や教育用をターゲットにした機種であったが、M3Dが登場以降、各社の低価格化は止まらない一方だ。

本日ご紹介する中国ベースの3DプリンターメーカーRapide-3Dも低価格路線で新規参入を狙う企業の一つ。しかもサイズ違いの3種のラインナップに加え、50ミクロンという高性能を売りにしての参入だ。新たに低価格に加え高性能を売りにクラウドファンディングで資金調達を開始する予定だという。

1台3万円代で購入できる低価格3DプリンターM3D

キックスターターで340万ドルを調達

3種のラインナップと50ミクロンの解像度をもつ機種

Rapide-3Dは中国ベースの企業だが、イーサン・ハントというオーストラリア人によって設立された企業だ。Rapid-3Dは造形サイズが異なる3種類のラインナップを準備中の状況。

500ドル(約5万円)で提供されるのは最も造形サイズが小さい機種になる。ちなみにこの3Dプリンターの最大の売りは50ミクロンという解像度だ。上記でご紹介したM3Dも50ミクロンから350ミクロンという幅を持っているが、Rapid-3Dの場合は50ミクロンレベルでも安定した性能を発揮することができるという。Makerbotのreplicator2が100ミクロンなのに比べると半分のレベル。

Rapide-3D

Lite200

  • プリンターサイズ:360mm×350mm×380mm
  • 造形サイズ:200mm×200mm×200mm
  • 対応材料:PLAABS、PVA、ナイロン、HIPPS、木材
  • フィラメントサイズ:1.75mm&3.0mm (任意)
  • ノズル径:0.3mm、0.4mm、0.5mm
  • 最小レイヤー:50ミクロン
  • プリンター総重量:10キロ
  • その他:加熱構築プラットフォーム、交換可能なノズル

Lite350

  • プリンターサイズ:470mm×450mm×470mm
  • 造形サイズ:350mm×350mm×350mm
  • 対応材料:PLAABS、PVA、ナイロン、HIPPS、木材
  • フィラメントサイズ:1.75mm&3.0mm (任意)
  • ノズル径:0.3mm、0.4mm、0.5mm
  • 最小レイヤー:50ミクロン
  • プリンター総重量:21キロ
  • その他:LCDスクリーン、ボードカメラ、加熱構築プラットフォーム、交換可能なノズル

Lite500

  • プリンターサイズ:620mm×650mm×650mm
  • 造形サイズ:500mm×500mm×500mm
  • 対応材料:PLAABS、PVA、ナイロン、HIPPS、木材
  • フィラメントサイズ:1.75mm&3.0mm (任意)
  • ノズル径:0.3mm、0.4mm、0.5mm
  • 最小レイヤー:50ミクロン
  • プリンター総重量:44キロ
  • その他:LCDスクリーン、ボードカメラ、加熱構築プラットフォーム、交換可能なノズル

3種類のラインナップはプリンターのサイズと造形可能サイズが違う。さながら大中小と3種類から選ぶカタチになる。ちなみに一番大きいLite500は50㎝四方の物体を作ることが可能だ。解像度は全ての機種が50ミクロンが正規のスペックだ。

この価格帯で50ミクロンの解像度が安定して発揮できれば製品としての競争力はかなり高そうだ。1点明らかにされていないのは造形スピード。

一番大きい機種Lite500を使って50㎝四方の巨大な物体を作る場合には、プリントの安定性ももちろん重要だが造形スピードも重要な要素になってくる。詳しくはクラウドファンディングで資金調達を開始した際にわかるだろう。

まとめ

当たり前のはなしだが、過度な価格競争は同時に性能向上をもたらすことになる。

もしRapide-3Dが発表するスペックが表記通り安定して発揮されるのであればより消費者レベルでの普及のきっかけになるだろう。

消費者レベルへの普及には3Dプリンターの性能以外に、3Dデータや3Dソフトの普及が必須だが、それでも教育現場や商品開発を行なう起業家、デザイナーなどにとっては大きなメリットをもたらすことになる。そうした面からも過度な宣伝ではないスペック通りの製品としての安定性は重要になってくる。

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