異なる素材をプリント!3Dsystemsが複合材料3Dプリンター「ProJet® 5500X」を発表

複合材料3Dプリンター「ProJet® 5500X」

3Dsystems社が異なる材料を複合し物体を造形することができる3Dプリンター「ProJet® 5500X」を発表した。

同社は史上初となるプラスチック素材のフルカラー3Dプリンター「ProJet® 4500」を同時発表を行ったが、「ProJet® 5500X」はフルカラー印刷ではなく、マルチジェット印刷技術という手法を使用したマルチマテリアル3Dプリンターと呼ばれるものだ。

従来の3Dプリンターは単一素材しか印刷することができないが「ProJet® 5500X」は3種類の素材を組み合わせて使用することが可能だ。

3種類の素材とはABS樹脂(ホワイト)、ゴム(ブラック)、ポリカーボネート(透明)の3種だ。

この異なる3種類の素材を組み合わせることで、柔らかいゴム部分と堅いプラスチック部分のパーツ精度を表現することが可能になる。

これにより今まで以上にリアルに近い試作品の造形や可動性にとんだ製品を製造することができる。

3Dsystemsは「ProJet® 5500X」の販売ターゲットとして産業用として導入が進んでいる航空宇宙産業や、自動車産業、エレクトロニクス産業、医療機器業界など幅広い分野への導入を想定しているとのことだ。

ラジコン動画

「ProJet® 5500X」は複合材料での3Dプリントを可能にするだけではなく、同時に造形速度も飛躍的に高めたことが特徴である。

同クラスの3Dプリンターと比べて2倍の速さまで造形スピードが高められている。また、造形サイズも従来の3Dプリンターと比べ60%以上拡大されている。

ProJet® 5500X画像

「ProJet® 5500X」のスペック

  • 造形サイズ:533mm×381mm×300mm
  • 解像度:375×375×790 DPI(32μ layers)/HD Mode
  •  750×750×890 DPI(29μ layers)/UHD Mode
  • 材料1:VisiJet®CR-WTリジッドホワイトABS(特長:優れた耐久性、高剛性、高温耐性)
  • 材料2:VisiJet®CF-BKブラックゴム(特長:ゴム形状、優れた柔軟性、衝撃吸収性)
  • 材料3VisiJet®CR-CL透明ポリカーボネート(特長:透明、機能性、耐久性スクラッチ耐性)
  • 外径寸法:2032㎜×1219㎜×1981㎜
  • 重量:1,157kg
  • データ形式:STL、CTL
  • 動作温度範囲:18℃-28℃(摂氏)

まとめ

3Dプリンターは対応できる素材の多角化も大きな研究課題であるが、同時に素材を同時に複合して使用する技術も使用シーンを拡大してくれる大きな要因になる。

今回発表された「ProJet® 5500X」の一番の特長はゴムやプラスチックなどの硬軟合わせた材料をモデルに組み込むことができる点だ。このような複合材料の同時使用はプロトタイプの再現性を今まで以上に高め、検証の精度も大幅に上げられる。

また、「ProJet® 5500X」は従来からの3Dプリンターの課題であった、造形スピードと造形サイズについても改善がなされており、造形スピードは同タイプの2倍のスピードで、サイズも60%の拡大となっており、よりスピーディな製造と作れる製品の幅が拡大している。

今回3Dsystemsはこの「ProJet® 5500X」と同時に、史上初となるプラスチック素材のフルカラー3Dプリンター「ProJet® 4500」の発表も行ったが、この二つのプリンターの投入でデジタルデータから製品化がなされる幅が大きく広がることになるだろうと予測される。

参考記事:3Dsystems

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