プラスチック素材のフルカラー3Dプリンター「ProJet® 4500」とは
3Dsystems社が世界で初のプラスチック素材をフルカラーでプリントできる3Dプリンター「ProJet® 4500」を発表した。
「ProJet® 4500」はカラージェット技術が使用されており、耐久性のあるフルカラーのプラスチック部品の造形をすることが可能。
「ProJet® 4500」の発表まではフルカラー印刷ができるものは石膏を素材として使用するプリンターのみで、プラスチック素材は単色でのプリントしかできなかった。
「ProJet® 4500」の登場で3Dプリント製品の使用範囲が更に拡大しそうだ。
「ProJet® 4500」の特長は、優れた表面仕上げを行うことが可能な高解像度印刷で、PANTONEのような色彩で表現することができる。フルカラーであるため、後加工や塗装などの後処理も行う必要はない。
またサポート剤を必要としないため、最小限の廃棄物で済む。
「ProJet® 4500」のスペック
- 解像度:600×600DPY
- カラー:連続CMY
- 最小造形サイズ:0.1㎜
- 積層スピード:8㎜/1時間
- 造形サイズ/体積:203㎜×254㎜×203㎜ 10,487 cm3
- データフォーマット:STL、VRML、PLY、ZPR
- 対応OS:Windows®7とWindows®Vista
- 動作温度:13℃-24℃(摂氏)
- 外径寸法:190cm×122cm×172cm
- 重量:340kg
- タブレット・スマートフォン端末でリモートコントロールが可能
- 自動セットアップおよびセルフモニタリング
- コアリサイクル
ProJet® 4500
ProJet® 4500で造形したフルカラーのプラスチック製品
3Dsystems社は販売ターゲットとして消費者向け製品の製造、家庭用家具、医療、おもちゃやグッズ、ガジェット類の製造現場を想定しているとのことで、それ以外に建築モデルやファッションデザイン等の試作品もターゲットとしている。同社は「ProJet® 4500」
の登場によってデザイナー、エンジニア、建築家、マーケティング担当者、芸術家のための可能性を再定義する製品だと発表している。3Dsystemsの副社長Buddy Byrum氏は
ユーザーが、正確かつ低コストで迅速に、フルカラーで機能的な実使用部品を直接手に入れることができるのは史上初めてだ。(意訳)
と述べている。
まとめ
今回の「ProJet® 4500」の一番の特長はフルカラーでプラスチック部品が製造することができる点だ。
この製品の登場によって3Dプリンターで製造することができる業界が一気に広がるだろう。
今までの3Dsystemsの主な主要導入先は、教育機関や製造業、医療分野が主であったが、「ProJet® 4500」は一般消費者向けの製品メーカーやファッション業界などにとって大きな需要になることは間違いない。
従来のプラスチック製品が単色のみなのに比べてフルカラーで製品化することができれば表現の幅も圧倒的に広がり、提供できる製品も増えることになる。
従来から消費者向けアイテムやファッションアイテムを製造する企業にとっては、より個人の要望に応じたカスタマイズ製品を提供することが可能になるだろう。
参考記事:3Dsystems
同時発表された「ProJet® 5500X]の記事はこちら
ユーロモールド2013の各社新製品発表の記事はこちら
ストラタシス社のカラーマルチ素材3Dプリンターの記事はこちら
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