プリント基板のオンライン3Dプリントサービスが登場

プリント基板の3DプリントメーカーNano Dimensionが手掛ける

電子回路のプリント基板の3Dプリンターを開発したイスラエルの企業Nano Dimension。同社が新たに、3Dプリンターだけではなく、電子回路のオンデマンドプリントサービスを開始した。これにより造形物と同様、電子回路のプリント基板も設計データがあれば、気軽に試作することが可能だ。

これまでプリント基板の試作は、リードタイムやコストがかかるものであったが、この新たなサービスの登場により、1枚単位で小ロットのプリント基板を試作することができる。

仕組みは一般的な3Dプリントサービスと同様で、ユーザーがオンラインのプラットフォームにデータをアップロードし、Nano Dimensionで3Dプリント後納品されるというもの。これによりエレクトロニクス製品のプロトタイプが迅速に作れるようになる。

NanoDimensionの3Dプリンター

わずか数日間で、プリント基板の試作が届く

Nano DimensionのCEO、Amit Dror氏はこのサービスを次のように述べている。「このオンラインのプリント基板の製造サービスは、プロフェッショナルグレードの3Dプリント回路やカプセル化されたセンサーやアンテナを、数日でデザイナーやエンジニアに提供することで顧客の製品化までの時間を短縮することができます」。

従来、プリント基板の試作には最低でも2週間、また電子回路の複雑さや多層化される場合にはそれ以上の期間もかかり、コストも決して安くはないものであった。しかし、このオンデマンドサービスが登場することで、1枚単位の試作が数日で利用できるのようになる。

センサーなどを内蔵したプリント基板の試作がわずか数日で届く。

電子回路からセンサ、アンテナ内蔵基板も可能

Nano Dimensionのこの新たなサービスは、同社の代表モデルであるDragonFly 2020 Proだけではなく、そのアップデート版の機種も使用される。それより、電子回路のみだけではなく、センサーやアンテナなどを内蔵しパッケージ化された多層基板もプリントすることが可能だ。

この電子部品内蔵の3Dプリントには、SOLIDWORKSのソフトウェアでデザインしたものを利用でき、いわばPCB多層基板専用のためのアプリケーションといえよう。

まとめ IoTプロダクトの開発やデザインも変える可能性

このNano Dimensionの新たな試みは、プリント基板の試作現場を変えるだけではなくハードウェアの設計そのものの概念を変える可能性を秘めている。とりわけセンサー機能の内蔵は、IoTプロダクトの設計にも大きな影響を与えるかもしれない。

従来のプリント基板と筐体が別々の形状では制約があったものが、一体化されることで更に設計やデザインの幅が大きく変わることで、これまで不可能であった製品が開発されるだろう。

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