3Dプリンターでカスタム製造、耳から外れないBluetooth対応イヤホンOWNPHONES

3Dプリンターでカスタムフィットのイヤホン製造

スマートフォンの普及に伴って急速に拡大している市場がある。それはイヤホン、ヘッドホン市場だ。

スマホが本格的に普及する前は年間1500万本程度の販売数であったが、2013年以降、年間2000万本近い販売数に達している状況だ。

価格帯も数千円から数万円など製品ラインも幅広く、海外製も登場してきている。

そんなイヤホン市場だが、今後のウェアラブル端末の登場をにらみ、無線で飛ばすBlutooth対応のモノが登場してきている。

スマートフォンはイヤホンジャックに接続する有線タイプのもので対応できるが、時計タイプのものや、大型のタブレットタイプなどでは、無線の方が使いやすいことが期待されているためだ。

さらにもう一つ、イヤホンの普及を加速させ、これまでの使いにくさを解消してくれる取組が登場しつつある。それは、個人個人の耳のかたちに合わせて3Dプリンターで作るカスタムメイドの取組だ。

本日は3Dプリンターで作るBluetooth対応イヤホンOWNPHONESをご紹介。

スマホアプリでスキャンするだけでカスタムデザインが可能

3Dプリンターでイヤホンを作る取組は、既に日本でも行われている。

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムと国内メーカーであるファイナルオーディオデザイン事務所株式会社のチタン製イヤホンの製造だ。

両社が行う3Dプリントイヤホンの特徴は、これまでの製法では作ることができなかった、チタン合金製完全一体型形状という点。

非常に洗練され重厚感のあるデザインで注目を集めたが、耳にフィットするイヤーパッドの部分は既存の5サイズから選択するというもので、個人個人の耳にフィットするわけではない。

一方、OWNPHONESは、完全なカスタムフィットするイヤホンを3Dプリント製造するベンチャー企業だ。現在資金調達にむけての準備中で、7月にキックスターターで公開する計画を立てている。下記はOWNPHONESの動画だ。

OWNPHONES動画

仕組みは独自の3Dスキャニング技術に基づく方法を採用しており、スマートフォンの専用アプリケーションで耳の構造を撮影後、そのデータがOWNPHONESに転送され、個人の耳の形状に合ったイヤホンが3Dプリンターで製造されるというものだ。

千差万別の個人の耳のかたちにカスタムフィット

デザインを選択できる

カラーも選択可能

一人ひとりの専用のイヤホンが誕生

Bluetooth対応なので、ジョギングや運動にも最適

まとめ -外れやすいというイヤホンの不満を3Dプリンターで解消-

既に補聴器の製造には3Dプリンターが使用されていることが有名だが、カスタマイズ可能なイヤホンではこのOWNPHONESが初めてだ。

おそらくイヤホンを使ったことがある人ならば誰でも持ったことがあるであろう、「外れやすい」「耳にフィットしていない」といった不満が解消されるかもしれない。

また、Bluetooth対応で無線ということも「外れやすい」という点を解消してくれることにつながっている。ジョギング中などのケーブルの揺れや、何かに引っかかって外れるという不満も無線なら全く気にする必要はない。

ちなみに価格は1個299ドル~499ドル(3万円~5万円)とちょっと高めだが、耳に完全にフィットするうえに、様々なデザインや、カラーを選択することができるというのもこだわりたいユーザーにとってはうれしいのではないだろうか。

3Dプリンターの特長と、これまでのイヤホンの持つ不満点を解消するという点がうまくマッチした、面白い取組だろう。今後は靴や耳など、体にフィットする様々な商品の製造に3Dプリンターの利用が加速することがうかがえる。

OWNPHONESの3Dプリント製造はそんな代表的な事例だと思われる。

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