ナイキはブラジルワールドカップで有名選手限定3Dプリントスポーツバッグを発表

3Dプリンターを商品開発に積極的に利用するナイキ

ナイキはこれまでも商品開発に3Dプリント技術を積極的に使用してきた企業だ。過去にもご紹介したが、アメフトのスパイクを3Dプリンターで製造し、商品改良のスピードも劇的に高めている。

これはナイキが持つ、「世界中のすべてのアスリートにインスピレーションと革新をもたらすこと」という企業理念に基づくものだ。

3Dプリンターの最大の特長であるカスタマイズ性と、商品改良における圧倒的なスピード力を生かすことで、この企業理念を忠実に実行している。

そんなアスリートのための商品開発に信頼性のあるナイキだが、今度はシューズとは異なる分野で3Dプリント技術を利用しようとしている。それはサッカー選手専用のスポーツバッグだ。6月中旬に開幕予定のブラジルワールドカップで初めて登場する予定。

3Dプリンターで軽量化と耐久性を向上させたバッグ

3Dプリンターを最終品に使用するケースは今年に入って続々と登場しているが、ナイキはかなり仕上がりの高い商品を発表している。今回の3Dプリントスポーツバッグもかなりこだわった仕上がりだ。

以前ナイキが3Dプリンターを使って製作したアメフト用シューズMagistaとMercurialのスパイクにそっくりのデザイン。このバッグは今回のワールドカップでも活躍が期待される超有名選手3名に与えられるという。

その栄えある3名は、バルセロナ所属でブラジル代表のネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール、マンチェスター・ユナイテッド所属でイングランド代表のウェイン・ルーニー、レアル・マドリード所属で、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドだ。それぞれのバッグには選手の名前が印字された3Dプリントされたゴールドプレートがつけられる。

この3Dプリントスポーツバッグだが、粉末のナイロン素材をレーザー焼結で成形する製法で作られており、完全に柔軟で耐久性のあるつくりとなっている。

皮の部分はプレミアムレザーが使用されており、しっかりとしたつくりを保持しつつ軽量化を果たしたデザインだ。

今回の3Dプリントスポーツバッグの製作にあたり、ナイキのサッカークリエイティブディレクターマーティン・ロッティ氏は、「我々はゲームの最高プレーヤーのために、本当に特別なものを作りたかったのです。それには、最先端技術である3Dプリント技術を利用することが最適であった」と述べている。

3Dプリントスポーツバッグ

選手の名前が3Dプリントゴールドで印字

3Dプリントすね当てFlyLiteガードも製造

ナイキは今回同時に3Dプリンターを使ってすね当ても製造したと発表している。

これは、ナイキが以前発表した新型サッカーシューズMercurial専用のすね当て。今回の改良はネイマール選手などの意見を取り入れて作られたもので、選手たちの体型に合うようにカスタマイズされフィット感が向上したものだ。

これまで作られていたすね当てとは違い、より大きな面積にわたって力を分散し、衝撃を吸収するために脛骨に沿ってより大きな表面積を覆う設計になっている。同時に薄型化と柔軟性も実現し、空気の流れを良くする通気性も大幅に向上させたとのことだ。

ちなみにこの3Dプリントすね当てだが、7月から一般にも購入可能になる。

Mercurial専用のすね当てFlyLiteガード

まとめ

ナイキは自社製品の開発に本格的に3Dプリンターを取り入れ始めている代表的な会社だ。

彼らの商品開発での利用事例を見てみると、3Dプリンターの持つカスタマイズ性と、商品開発のスピード向上という二つのメリットを最大限生かし切っているとみていい。

以前のサッカー用スパイク「Magesta」でも圧倒的な速度で改良した経緯がある。またナイキは同時に商品自体の機能性を大幅に向上させていることは言うまでもない。

今回のバッグやすね当てなども、選手個人々のパフォーマンスに合った設計と、それに見合うだけの機能性を持たせている点が素晴らしい。機能性をデザインに落としこむ商品開発では最大限3Dプリンターの機能を活かしている事例だ。

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