ネスカフェの3Dプリンターを使った新しい取組
ネスカフェを知らない人はいないだろう。世界的な食品会社ネスレ社が販売するインスタントコーヒーのブランドだ。その販売は1937年以来行われ、世界各国で親しまれている。
日本でもインスタントコーヒーや缶コーヒーとして知られ、オフィス向けにコーヒーマシーンを提供するネスカフェアンバサダーなど、新たな市場開拓を行う企業としても有名だ。
そのネスカフェが新たなブランディングのツールとして3Dプリンターを使った画期的なマーケティングツールを発表している。本日はネスカフェが提供する3Dプリントされた目覚まし時計つきアラームキャップをご紹介。
200個限定生産の3Dプリントアラームキャップ
今回ネスカフェが発表した目覚まし時計つきアラームキャップは、インスタントコーヒーのキャップにアラーム機能を取り付けたものだ。最大7つのアラームがあり、鳥のさえずりとともに目覚められるような仕組みになっている。
アラームはキャップを開ければ止まる仕組みになっており、必ずコーヒーのボトルを開けなければならないという仕組み。朝の寝覚めとともにコーヒーのいい匂いを体験できる。下記はネスカフェが提供している動画。
ネスカフェアラームキャップの動画
このアラームキャップだが、ヨーロッパ最大のフランスの広告代理店パブリシスグループのパブリシスメキシコのイノベーションラボ「NOTlabs」と、デザイン会社である「NOTCOT」とのコラボレーションで生まれたもの。
200個限定生産の販促品として作られており、2種類のデザインがある。このような200個限定生産という少量生産であることから金型で製造するよりも3Dプリンターで作るのに最適というわけだ。
内部のプラスチックパーツはMakerBotのReplicatorで作られており、外側のナイロン素材のケースはShapewaysで作られている。
MakerBotのReplicatorで作られた内部のプラスチックパーツ
外側のナイロンケースは3DプリントサービスShapewaysでプリント
2種類のデザイン
ケースやカタログもこだわった作り
USBケーブルで充電
まとめ -広告代理店の提案の幅を拡大する-
3Dプリンターは1個単位の小ロット生産が可能なことから、数量限定の販促品やマーケティングツールとして最適だ。今回のネスカフェが作った200個限定のアラームボトルはメキシコシティで提供されたものだが、テストマーケティングなどにも利用することができる。
また受注生産のプレミアム用などでも1個単位から作ることが可能たため3Dプリンターが有効だ。
こうしたテストマーケティングや、プレミアムなノベルティの製造に利用されることで、企業側もより効率的にエンドユーザーに対してアプローチをすることが可能だ。
また3Dプリンターを販促品に利用することは広告代理店側の提案の幅も拡大することができる。
広告代理店の仕事で必ず課題となるのが、作り手側のこだわりと、広告主側の予算との折衝だ。
作り手側はいいモノを作りたい、という当然の意識から、デザインや素材にこだわり予算を超えるケースがある。
一方広告主側は予算範囲に納めてほしいという要望がある。
しかし、3Dプリンターで1個単位から製造することができれば、従来提案することができなかった販促ツールなどが製造することが可能になるだろう。
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