三菱ケミカルがオランダの3Dプリンタ―用フィラメントメーカーを買収

三菱ケミカルがオランダのフィラメントメーカーを買収

Verbatimブランドの3Dプリンター用フィラメント材料を展開する三菱ケミカルが、新たにオランダのフィラメントメーカーDutch Filaments B.V.を買収したと発表した。Dutch Filaments B.V.は、2014年創業のFDM®(熱溶解積層法)用のフィラメントメーカーで、抱負なラインナップを持つことで知られている。

Dutch Filaments B.V.はここ数年で、ヨーロッパをはじめ、急速に拡大する3Dプリント市場に押し上げられ、グローバルサプライヤーに成長していた。今後は三菱ケミカルのグループに入ることで更なる成長を目指す考えだ。

三菱ケミカルの子会社であるMitsubishi Chemical Performance Polymersの管理下に置かれDutch Filaments B.V.が持つ技術、ノウハウが活かされることになる。

急速に開発が進むデスクトップ用3Dプリンターフィラメント材料

三菱ケミカルが買収する背景は明らかにされていないが、ここ数年で急速に進むフィラメント材料の開発が大きく影響していると考えられる。FDM(熱溶解積層法)の特許が切れることによって、安価なデスクトップモデルの3Dプリンターが続々と開発されているが、同時に、それに対応したフィラメント材料の開発も進んでいる。

当初は、ABS樹脂PLA樹脂の2種類が中心であったが、ここ数年で、その材料バリエーションは拡大し、金型で使用されていた熱可塑性樹脂のほとんどがフィラメント化されていると言っても過言ではない。

今回買収されたDutch Filaments B.Vでも、25種類以上の種類を持ち、ABSを強化し耐候性を高めたASA樹脂や、工業製品として多用されるポリプロピレン(PP)、エンジニアリングプラスチックの代表ともいえるポリカーボネート、柔軟性を持ちゴムとしても使われる熱可塑性ポリウレタンポリエステルの一種で、高い耐久性を持つポリエチレンテレフタレート(PETG)、炭素繊維配合やガラス繊維配合の強化フィラメントまで、幅広いラインナップを持つ。

まとめ 進化するフィラメント材料とデスクトップ3Dプリンター

3Dプリンター用フィラメント材料は、今後も更に開発と拡大が進むだろう。数年前までは、デスクトップタイプのFDM(熱溶解積層法)の3Dプリンターの性能は安定していなかったが、最近では精度や造形安定性など、かなり進化しつつある。

こうしたデスクトップタイプの進化と相まって、フィラメント材料の方も、ノズル詰まりを防止する技術や、安定性を保ちながら機能を強化する取組なども行われつつある。プリンターと材料、両方の進化は着々と行われつつあるようだ。

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