無人航空機マイクロドローン2.0
3Dプリンターの性能が向上していることから、最終パーツの製造や消費者製品の製造への利用が開始されている。
今回ご紹介するのはおもちゃの無人航空機のカスタマイズ製造の事例だ。3Dプリンターを使ってカスタマイズ製造のサービスを開始したのはドローンメーカーのExtreme Flyerのマイクロドローン2.0の取組。
Extreme Flyerは自社の代表的なドローン、マイクロドローン2.0を構成する部品の設計に3Dプリンターで出力することができるSTLファイルの提供を開始した。
これによりユーザーはマイクロドローン2.0のデータをダウンロードし、自由に自分のドローンをカスタマイズすることが可能だ。
マイクロドローン2.0は2013年の9月に発売を開始してから2万ユニットも売り上げている大人気のドローンで、従来のラジコンやドローンなどでは実現できなかったアクロバットな飛行をすることができるのが特長的だ。
動きを事前にプログラムすることで、空中で横転(ロール)と機首上げ(ピッチアップ)を同時に行うバレルロールという動きや宙返りといった飛行を可能にしている。
また動き以外にこのドローンは鳥の目のHDカメラ、センサー、リモコンを搭載しており、ビデオや写真を撮影することができる。
マイクロドローン2.0

カスタマイズでオリジナルなドローンを作れる
マイクロドローン2.0は4つのローター、メインシャーシから構成されており、この技術は空中で安定させるための高度なロボット工学が使用されている。
重量も36グラムと非常に軽い。ユーザーは新しく設計したモジュールを組み合わせてカスタマイズできる。
カスタマイズには3Dプリンターが使用されるという仕組み。Extreme Flyerはマイクロドローン2.0の3Dプリントサービスの開始により更なる売上向上を目指す方向だ。
今後2年間で100万台の販売計画を達成しようとしている。その根拠となるのは徹底したカスタマイズによるヘビーユーザーの満足感の達成にあるという。
おもちゃの世界は従来は店舗に行って既にメーカーから発売されている商品を購入するしかなかったが、3Dプリント技術の登場によってあらゆるカスタマイズが可能になり、その人にしかない1台を作ることができるためだ。
自分だけのドローンがつくれる

まとめ
3Dプリント技術の精度が向上し、対応する素材も増えれば増えるほど、カスタマイズ製造の分野が広がることになる。
今回のマイクロドローン2.0も自分にしかないカスタマイズドローンを手に入れることが可能になる。
こうしたカスタマイズ製造で最も力を発揮する業界の一つとしておもちゃ業界があげられそうだ。特に子供はおもちゃに対するこだわりが強く、自分だけのオンリーワンの製品を欲しがる傾向にある。
ラジコンやミニ四駆といったおもちゃもホイールやタイヤの形状は他の人とは違うものにしたがり、自分で改造を行う子供もいる。
こうしたモノにこだわる子供の純粋な探究心を満足させる意味でも3Dプリント技術は非常に適しているのかもしれない。今後ドローンだけではなく、いろいろなおもちゃの分野で3Dプリント技術の活躍が広まりそうだ。
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