3Dプリントサービスのリーディングカンパニー
マテリアライズ社は以前にもご紹介したが、ベルギーに本拠を構える工業用・医療用に特化した3Dプリントサービスを提供する企業だ。
昨年には中国の3Dプリント技術の中心機関である中国3Dプリント技術産業連盟と提携を行った。
今回新たに発表されたのはポーランドの3Dプリントサービスを手掛ける大手プロバイダの買収だ。
マテリアライズが買収を行ったのは3Dプリントサービス大手e-prototype社。e-prototype社はポーランドに本拠地を構え3Dプリントと3Dスキャニングに特化した企業で、完全に機能する試作品を提供する企業。
マテリアライズはe-prototypeの買収によって東欧圏における3Dプリントの需要にこたえサービスを拡大する見通し。
拡大するポーランドの3Dプリント需要
マテリアライズが昨年中国の3Dプリント技術産業連盟と提携を行ったのは中国が将来的にアメリカを抜き、世界第一位の3Dプリント市場になるという市場成長性を見越しての買収であった。
今回新たにポーランドの3Dプリント市場に参入する狙いはどのような点にあるのだろうか。
ポーランドは2004年にEUに加盟以降、堅調に経済成長を遂げ、GDP、人口、面積、全ての面において中欧諸国の中で最大規模を占めており、「EU内の工場」と言われている。主にパソコンやテレビ等の家電製品の生産が中心でヨーロッパのテレビ生産の30%がポーランドで生産されている。
また乗用車、トラック、鉄道車両等の製造も盛んにおこなわれ、海外への輸出も行っている。
ポーランドは2004年以降、EU加盟と同時に西欧諸国が安い人件費を求めて直接投資を行い、企業が生産拠点としてきた経緯がある。
こうした事情から、3Dプリンターの用途が必然的にヨーロッパ諸国の中でも高いと言える。
今回の買収によってポーランド諸国の企業はマテリアライズの3Dプリントサービスが利用することが可能になる。
ちなみにポーランドにも3Dプリンターメーカーが存在し、デスクトップタイプの3DプリンターZortraxという機種が登場している。
Zortraxは既に5000台のオーダーを取り出荷準備をしているところだ。
小型、中型の3Dプリントに強みをもつe-prototype社
まとめ
マテリアライズが所在するハンガリーと、今回買収されたe-prototype社が所属するポーランドは同じ中央ヨーロッパに位置している。
中央ヨーロッパにはほかに、ドイツ、オーストリア、スイス、チェコ、スロバキア、スロベニア、リヒテンシュタインという諸国が分類されているが、既にドイツ、ポーランドを含め経済大国、生産大国としての地位を確立しつつある。
特に今回焦点をあてたポーランドには多数の企業が進出しており、日経企業もトヨタやブリジストン、シャープ、東芝といった大手メーカーが現地工場を設けて生産拠点にしている。
こうした製造拠点にとって、工業用に特化した、不具合のないプロトタイプ製造というサービスは非常に重宝されるに違いない。
また、e-prototype社は中サイズや小型サイズの3Dプリントサービスに特化していることもあり、工業用のパーツ改良などにおいては最適と言える。
マテリアライズは日本においてもサービスを開始しているが、まさに世界規模で3Dプリントサービスを確立しつつある。
マテリアライズ社の記事はこちら
i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1、Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。