ものづくり支援の目的の3Dプリントセンター
デスクトップタイプの3DプリンターメーカーであるMakerBotが新たに3Dプリントイノベーションセンターを開設することを発表した。MakerBotはストラタシスの子会社で、デスクトップタイプの3Dプリンターで圧倒的なシェアを誇る企業だ。
2014年初頭に、デスクトップタイプのラインナップを一新するだけではなく、3Dプリンターの使用する場所を次々と立ち上げている。
今回のイノベーションセンターはプロダクトデザイナー、エンジニア、建築家、アーティストなど、ものづくりに関わるいろいろな作り手たちを支援することを目的としたものだ。
ちなみにこのイノベーションセンターはニューヨーク州立大学とアウチータス大学の2か所に設立されることになる。
地域企業を巻き込んだ戦略 ニューヨーク州立大学
第一のイノベーションセンターはニューヨーク州立大学に設置され2月11日にグランドオープンを迎えることとなる。
30以上のMakerBotのデスクトップタイプの3Dプリンターと3Dスキャンが配備され、企業と大学のコラボレーションが可能だ。
イノベーションセンター利用する企業は、製品設計を行う際の時間とお金を節約することが可能で、製品設計のサイクルを向上させることが可能。
また単純に、大学内の3Dプリント設備としてではなく、MakerBotのエンジニアがサポートを行い、公共の場で複数の部門にサービスが提供することができる総合的な3Dプリントハブとしての役割を持たせている。
このニューヨーク州立大学のイノベーションセンターは学生と教員、地域の企業の3つが一体となって製品開発につなげるというもので、創造性と高度な製造ノウハウを組み合わせることで、地域産業を強化していこうという狙いがある。
エンジニアと起業家を支援 アウチータス大学
第二のイノベーションセンターはアーカンソー州のアウチータス大学に設置されるもので、大学と企業間の連携を強めるとともに、エンジニアと起業家を支援する目的がある。
このアウチータス大学のイノベーションセンターは先進的な技術革新設備の一部として、世界最大規模にしようとしている。
配備されている3Dプリンターの数は相当数にのぼり3Dプリンターが累計で54台、3Dスキャナーが6台だ。
内訳はMakerBot の代表的な3DプリンターであるReplicatorsが47台、その他2台のデスクトップ3Dプリンター。
さらにReplicators2が6台、MakerBot Digitizer Desktop 3D Scannersが6台である。
MakerBotはこのイノベーションセンターを設置することによって、技術を使用することで地域に役立つイノベーションセンターにしたいとの考えだ。
市民と教育機関、地域企業が一体となって産業の発展につなげていきたいとしている。
MakerBotラインナップ
まとめ
MakerBotは昨年以降、すさまじい勢いで3Dプリンターの普及に努めている。
今回発表されたイノベーションセンターの開設だけではなく、全米の全ての学校に3Dプリンターを配備する使命を持っている。
アメリカはまさに3Dプリンター技術の研究開発を行うだけではなく、研究機関、教育機関、民間企業、市民、政府機関、全てが一体となって3Dプリント技術により製造業や新しい発明を起こす推進剤にしようとしているのではないだろうか。
今回の大学内におけるイノベーションセンターの設置も目的が明確で、教育機関と市民と企業が一体となって、地元産業の発展に貢献することにある。
このような小規模な取り組みが至る地域で行われている点がアメリカの特筆するべき点にあると考えられる。
政策を立案し、資金を投下するだけではなく、実践レベルにおいても政府と教育機関と企業が同じ方向に目を向け取り組んでいる点が面白い。
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