MakerBotが教育教材の3Dプリントキットをリリース 第一弾はカエルの解剖

教育分野での拡大を目指すMakerBot

MakerBotはデスクトップタイプの3Dプリンターメーカーのリーディングカンパニーだが、同時に教育分野への取組を熱心に行っている企業だ。

創業者のブリペディス氏がMakerBotを創業する前は教師だったということもあり、同社の使命は「すべての学校に3Dプリンターを導入すること」だ。

そうしたことから、直接学校に導入する活動だけではなく、学生や教師が利用しやすい環境整備や、興味関心を喚起するような取組を行っている。

これまでも様々な取り組みを行ってきたMakerBotだが、今回は3Dプリントできる学校教材の発表をご紹介したい。今回の3Dプリントできる学校教材は、MakerBotが行っている学校導入キャンペーンの一貫としてMAKERBOT ACADEMYがリリースしたもの。

3DデータのダウンロードサイトThingiverseに3Dプリントされたカエルの解剖データが公開されている。7つのパーツに分かれた解剖キットで、主に小学生向けに作られたものだ。

以前もMakerBotはThingiverse上の子供向けキャンペーンで数学を使った3Dモデルのコンテストを行った。今回のは教師と小学生を対象にしたもので、3Dプリントを習得しつつ、同時に楽しみながら解剖を模擬体験できるような取組だ。

MakerBotは第一弾としてカエルの解剖キットを公開したが、今後数か月の間に教材用となる様々な3DデータをThingiverse上に公開していくという。

3Dプリントできるカエルの解剖

まとめ -国の政策と一致する企業ビジョン-

MakerBotがこれほど教育分野に注力するのはなぜであろうか。MakerBotはMAKERBOT ACADEMYのミッションステートメントの中でこのように述べている。

私たちは、私たちが関連する技術(科学、技術、エンジニアリング、数学)の教育が、アメリカの次世代のメーカーを作ることに役に立つと考えている。

このようにMakerBotは小学生のような小さいうちに3Dプリント技術やデジタル技術に慣れ親しんでもらうことで、アメリカの製造業を牽引する人材を育てることができると考えているようだ。

通常日本だと専門学校や大学にでも行かない限り、特定分野の技術や能力の習得はできないが、アメリカは既に小学校のうちから、おもちゃや模型であそばせるような興味関心を持ってもらう教育を取り入れ、中学、高校では専門的な勉強が行える教育システムになっている。

また、通常の公立学校以外にもチャータースクールのようなデザインや工学などの特定分野の経験を積ませる学校も存在しており、かなり若いうちから専門的な人材を育てる体制だ。

将来を担う人材育成の方針においても、全ての子供にみんな同じ一定の科目を習得させるのではなく、子供の興味関心や能力に合わせた教育カリキュラムがとられている点は政策という観点から見ると国の競争力を高めるうえで非常に有効的な手段ではないだろうか。

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