LED照明の3Dプリント生産が本格化
以前もご紹介させていただいたが、オランダの光学製品の3Dプリント製造を行う企業LUXeXceLが新たにアメリカカリフォルニア州の3Dプリント工場に多額の投資を行ったと発表した。新しい新設の工場は10,000平方フィートの広大に敷地を有しており、この工場の稼働によってLED照明の3Dプリント製造を本格化させる見通しだ。
世界中でLED照明の需要が高まるなか、LUXeXceLの動きはそうした需要にこたえるだけではなく、新たな雇用創出につながるものとして注目されている。LUXeXceLについては下記の記事をご参照いただければわかると思うが、今回のカリフォルニア州の工場では試作品製造だけではなく、最終製品の製造での利用もかなりの比率を占めることになるという。
ちなみに生産開始の時期は今年の末だという。
LUXeXceL社の記事はこちらをどうぞ
- 光学製品の3Dプリントを行うLUXeXceL社が500万ユーロを調達 LED市場を狙う取組
- LUXeXcelがLED照明の超薄型レンズを3Dプリント、不可能なデザインを可能に
- LUXeXceLの高性能光学レンズの3Dプリントサービスは射出成形に変わる
今回の工場への投資にあたり、LUXeXceL創業者のチャード·ファン·デ氏は下記のようにのべている。
我々は、この新しい施設をオープンすることに興奮しています。私たちは、光学系の設計と製造を従来の方法から、デジタルでの方法に変更しています。私たちの新しい3Dプリンターは、非常に正確にLED照明用光学レンズをプリントすることが可能ですし、新たな光学材料も使用できるようになります。この我々の事業によって、光学設計者の方たちの設計能力を向上させ、LED照明用の単一生産が可能になりますし、あらゆるカスタマイズに応えることが可能です。
LUXeXceLの3Dプリント
世界的に高まるLED照明市場
LED照明市場は以前にもご紹介したが、毎年上昇し続ける傾向にある。2020年にはグローバル規模でLED照明市場は5兆円規模に上り、世界各国の国々が白熱電球から切り替える動きをとりつつある状況。
こうしたことの背景には先進諸国での環境対策や省エネ化の動きがあるためだ。日本でも2020年までに100%LED照明に切り替える目標がたてられており、2030年にはストックの照明も全てLEDに切り替える方向だ。
LEDは白熱電球に比べて電力消費量が圧倒的に少ないうえに、発光効率が6倍近い強さを誇るためCO2削減・省エネという近年の流れには最適なためだ。
日本だけではなくこうした動きは韓国、中国、台湾、アメリカなどでも盛んで、各国が開発や製品化にむけた資金を投入している状況だ。
まとめ –LED照明メーカーの競争力を高める可能性-
こうした圧倒的な普及が予測されるLED照明だが2009年以降価格は低価格化が進み、現在ではほぼ当初の3分の1程度の価格にまで下がっている。
日本の状況だけ言うと、新規参入も含め多数のメーカーが乱立しており、有名メーカーでも7社近くおり、競争が激化している状況でもある。
数の普及による低価格化とメーカーの乱立は無駄な競争を招き、メーカーの利益率を極端に下げることとなるが、こうした製造コストを抑え、生産効率を上げ、品質を向上さえるものとしてもLED照明の3Dプリントは期待が持てるのではないだろうか。
LUXeXceL社も今回の3Dプリント生産が本格化されれば、大幅なコストと時間の削減が可能で、小ロット生産から対応することができると発表している。今後のLED市場に一石を投じる取組だ。
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