異業種に進出するローカル・モーターズ
ローカル・モーターズはアリゾナ州に本社を置く自動車製造のクラウドコミュニティの企業だ。度々ご紹介させていただいたが、世界初となる電気自動車の3Dプリント製造を行うことで一躍有名になっている。
そんなローカル・モーターズだが、最近は自動車以外の業種への進出を積極的に行っているようだ。つい先日は、GEとアライアンスを組むことで家電製品の商品開発を共同でおこなうなど、クラウドに集まるコミュニティのちからをフルに活かしている。
さらにこんどはこれまで培ってきた技術を活かし家具を簡易的に3Dプリンターで作るサービスを開始することを発表した。この新たな異業種への進出のきっかけとなったのは、現在製造する電気自動車の製造に使用されている3Dプリンターを流用しようということから生まれている。本日はローカル・モーターズの新たな取り組み、家具の3Dプリント製造をご紹介。
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高速巨大3Dプリンターを自社の家具製造に流用
まずはじめに、使用される3Dプリンターだが、巨大な高速製造が可能な3Dプリンターを流用するという。以前、ローカル・モーターズが発表した自動車フレームをプリントする巨大3Dプリンターで、オークリッジ国立研究所とシンシナティ株式会社が開発したものだ。
ちなみにそのスピードは驚異的で、シカゴで開催予定の国際製造技術ショーでは開催期間の6日間で車全体をプリントしてしまうことを計画しているほど。巨大なFDMタイプの3Dプリンターで現在の500倍のスピードでプリントできる。このような技術を他の製造にも利用しない手はないということから、今度の家具の簡易プリントが開始されることとなった。
プリントされる家具はiPadスタンドの大きさから、テレビ台、机、椅子などにも及ぶ。当面はエンドユーザー向けにサービスを提供するわけではなく、自社のラボやテックショップで使用する家具の製造のためにこの技術を使用するという。
ローカル・モーターズが開始する家具の3Dプリント
この巨大な3Dプリンターは一般的な押し出しタイプのFDMと比べてはるかにノズルの直径が大きいため、一つ一つの層が暑く、縞模様のデザインになるのが特徴的。見た感じかなり密度が粗い感じがするが、後処理等はどのように行うかは不明だ。ちなみに使用される材料は現在製造中の電気自動車フレームに使用されるのと同じ、炭素繊維含有樹脂になる。
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まとめ
オークリッジ国立研究所とシンシナティ株式会社が開発したこの高速巨大3Dプリンターはかなりのスピードで物体をつくることができるが、かなり粗いのが難点。試作品としての製造や、簡易的なものの製造には最適だがエンドユーザーに提供するにはより精度を上げなければならないだろう。しかし、3Dプリンターの精度向上は急速なスピードでなされていることから、早くて高解像度のものに改良されるのも遠くはないかもしれない。
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