1台5万円のオープンソースの光造形3Dプリンターが本格生産を開始

期待が集まる低価格で高性能な光造形3Dプリンター

今年の5月に一躍注目を集めた1台5万円代から購入することができるオープンソースの高解像度3DプリンターLittleDLPer。5月の発表時には簡単なスペックと造形されたサンプル公開にとどまっていたが、キックスターターでの資金調達を前に、新たな進捗状況を発表している。

若干名前を変更しLittleRPとしての登場だ。今度の発表では、実際に造形される動画が何パターンも公開されると同時に、提供される組立キットの種類も発表された。現在登場している低価格タイプの光造形3Dプリンターでは、最も有名なForm1が3,299ドル(約33万円)、高さ24センチの高さまで造形できるTitan1が1,899ドル(約19万円)となっているが、本格的にLittleRPが5万円前後で提供されればさらに価格競争が進みそうだ。

本日は、最も注目の低価格3DプリンターLittleRPの進捗状況をご紹介

5月のLittleDLPer発表の記事はこちらをご参照ください

3種類のタイプからキットを選択可能

今回、キックスターターでの資金調達前に明らかにされたのは、提供されるキットの種類と、造形シーンを公開した動画だ。基本的にユーザーは3種類の組立キットを利用可能だ。第一は最もオーソドックスなキットで、3Dプリンターと1024×768プロジェクターAcerX1240のセット。

第二はプロジェクターのグレードが高精度のもので、高精細1920×1080プロジェクターAcerP1500が付属したHDキット。第三は、プロジェクターなしのキット。

価格帯だが、それぞれ通常タイプの1024×768プロジェクターの場合と、高精度タイプで追加コストがかかる仕組み。

通常タイプのプロジェクターでは追加で300ドル(約3万円)、高精度な1920×1080プロジェクターの場合は追加コストが600ドル(約6万円)かかる。最も安いのがプロジェクターなしのキットだが、この場合は、自分でプロジェクターを購入して組み立てる事になる。その場合にはデルの中古プロジェクターなども使用可能で、1万円以下で購入できるという。

ユーザーの要望で自由に組立をすることが可能だ。

ちなみに光造形とは加熱すると硬化するエポキシ樹脂に紫外線を照射し造形化するという製法のこと。材料はエポキシ樹脂が主流となる。

プロジェクターの種類やサイズなど自分の好みにカスタマイズ可能

高精度な仕上げの造形物が作れる

予定されている価格帯

  • プロジェクター無しキット:499ドル(約5万円)/475ドル(キックスターターの早期限定支援用価格)
  • 1024×780プロジェクターAcerX1240つき:999ドル(約10万円)
  • 1920×1080プロジェクターAcerP1500つき:1249ドル(約13万円)

LittleRP動画

LittleRP – Basic Version Promotional Video from LittleRP on Vimeo.

LittleRP – MadeSolid Resin (Accuracy Large or Small) from LittleRP on Vimeo.

LittleRPスペック

  • 階層のステップ分解能0.005mm(0.020mmではテストプリント済み)
  • 推奨レイヤー解像度:25ミクロン、50ミクロン、100ミクロン
  • プロジェクターAcer x1240のXY解像度:60ミクロン
  • プロジェクターAcer P1500のXY解像度:40ミクロン
  • プロジェクターAcer x1240の造形領域:60×40×100mm
  • プロジェクターAcer P1500の造形領域:72×40×100mm
  • 理想的なレイヤー時間:1000ミリ秒~5000ミリ秒

LittleRPキット

  • Lasercutアクリル系UVシールドパネル
  • LasercutメラミンMDFパネル
  • 2020 T-スロットフレーム
  • 印刷されたPLAパーツ
  • ビルドプレートとノブ
  • エイサーX1240用修正スペース
  • 円形プレコートしたバット
  • ミラー
  • HIWINリニアレール
  • Sparkfun Redboard
  • アルドゥイーノシールド/ステッピングドライバ付
  • 高品質のDC電源
  • ネジとナットセット
  • 100ミリリットルMakerJuice SubSF
  • 1024×780プロジェクターAcerX1240(スタンダードキット)
  • 1920×1080プロジェクターAcerP1500(HDキット)

まとめ

LittleRPは既にベータ版を初期のプレ参加者たちに数量限定で提供している。これにより基本的な性能テストは実証済みとのことだ。後はキックスターターキャンペーンが終了すればフル生産体制に入れる状況にある。

組み立て式のオープンソースタイプのReprapが一気に普及したように、LittleRPも爆発的に普及する可能性を秘めている。高性能なHDプロジェクターを搭載しても価格帯はわずか13万円程度。低価格タイプの3Dプリンターは価格競争と性能の向上が一気に進みそうだ。

光造形の原理と仕組み、種類についてはこちらをどうぞ

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