ハードウェアのオープンソースが体験。littleBitsのポップアップストア

オープンソースでIOTプロダクトを手軽に作る時代

ハードウェアをスマートフォンのアプリケーションなどでコントロールするプロダクト、いわゆるIOTの流れが、今後のエレクトロニクスの中心になる。こうした新たなエレクトロニクス製品の特徴の一つがオープンソースだということが言える。アプリケーションでハードウェアをコントロールするといった性質上、ベースとなるプログラムや、電子部品はある程度は一定であるためだ。

基本となるベースキットはオープンに公開され、それぞれの製品の機能や特性に応じて改良されるというパターンが主流だ。既にこうしたベースキットを公開するプラットフォームビジネスはいくつか登場している。例えばGoogleやアップルは基本となる開発キットを公開し、彼らの提供するソフトとハードを低価格もしくは無料で利用し新たな製品を開発することができる。

また、freeboardは、ウェアラブルデバイスの基本となるさまざまなアプリケーション機能をオープンに公開し、メーカーは自由に利用することが可能だ。こうしたオープンソースのハードウェア開発はますますパッケージ化され、複雑な知識がなくとも一定のレベルまでは誰もが利用できるようになるだろう。

そのような中、取り付けるだけで既存のハードウェアをIT化することができる電子工作キットlittle Bitsが、新たに巨大なポップアップストアを開設した。このストアではlittle Bitsを購入することが出来るだけではなく、さまざまなオープンにされたエレクトロニクス製品の組立体験をすることが可能だ。

little Bitsのポップアップストアがオープン

little Bitsは以前にもご紹介したが、既存のさまざまなプロダクトに取り付けるだけで、アプリケーションでコントロールすることができるお手軽IOTキットだ。センサーコントロールなどを用いたキットの組み合わせによって、さまざまな機能を再現することが可能となる。

LED証明のコントロールや、カーテンの開閉機能など、14種類のIOTプロダクトをプログラミングすることなく実装可能だ。今回オープンしたポップアップストアは、ニューヨークのブロードウェイで、2200平方フィートに及ぶ広大なスペースで、little Bitsの小売販売、ワークショップ体験、デモンストレーションの3つのセクションに分類される。

ここを訪れた人は、実際にlittle Bitsが搭載されたさまざまなエレクトロニクス製品のデモを見るだけではなく自らも組立実装体験から、キットの購入までできるという仕組み。ちなみにポップアップストアとはイギリス発祥の広告宣伝の手法で、空き店舗を利用して期間限定で出店する仮店舗のこと。

仮店舗であることから内装には費用をかけず、商品イメージやブランド訴求を目的とした宣伝手法が中心。出店期間は短いと3日ほど、長いと3ヶ月近く続く場合もある。今回little Bitsは期間は明かしていないが、7月31日から開始している。

デモンストレーションエリア
ワークショップエリア

目的はハードウェアの民主化

little Bitsは冒頭で述べたとおり、プログラミングすることなくプロダクトをアプリケーションでコントロールすることができる。また、プログラミング以外に、ハードウェアの構築に必要な電子回路の配線や、はんだ付けも不要だ。いわばキットのパーツを自由に組み合わせるだけでまるでレゴブロックのように電子工作をすることができる。

通常ハードウェアを構築するためには、電子回路の設計と、基板製作、さらには電子部品とはんだによる実装といった工程が求められる。しかし、回路設計やはんだ付けには一定の専門知識や実践力が求められることから誰しも作れるものではない。little Bitsはこうして難解なイメージをもつハードウェアの構築を、簡単なキットを通して多くの人に参加してもらうことが狙いだ。

その旗艦店となるのが今回のポップアップストアで、実際のワークショップエリアでは、little Bitsの専門家たちが常駐し、参加する人は大人でも子供でも迎え入れている。

little Bitsのパーツ類
ワークショップでは自由に工作できる
既存のプロダクトに取り付けるだけ
ハードウェアの入門に最適

まとめ オープンソースとハードウェアの入門キット

このlittle Bitsは大人も子供も問わず、アプリケーションでハードウェアを動かすための入門キットとして最適だといえよう。いきなり電子回路の設計や、プログラミング、さらには電子部品とはんだによる実装までを行うのは、専門知識を得た人間でなければ難しいところだ。

おそらく興味があって取り組みたいと思っていても、その技術や知識の複雑さによって挫折してしまう可能性が高い。しかし、little Bitsのように組立も簡単で、その方法が全てオープンにされているキットであれば思い思いの発想を活かしたままハードウェアの開発の感覚を学ぶことができる。

もちろん全てがこうしたキットで作られるわけではないが、こうしたlittle Bitsを切り口として、さらにその先の詳しいスキルを身に付けるという方法には最適だといえよう。

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