Form 3特別値引きキャンペーン

FDM 3Dプリンタユーザー様向けキャンペーン

FDMタイプの3Dプリンタをご使用中のお客様に、3Dプリンタ活用の幅を広げるためのForm3特別価格キャンペーンを実施します。

<キャンペーン適用条件>
・対象のFDMタイプ3Dプリンタを所有されているお客様(10万円以上の機種のみ対応)
・Form3本体を定価\575,000から、¥45,000を特別値引き
・2019年11月1日~12月24日までのご注文
(ご注文時に、装置シリアルネーム等が表示されている写真をお送りいただきます)

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Formlabs社とは。3Dプリンターのユニコーン企業

Formlabsとは。世界最多の導入数

Formlabs社は、世界で最多の導入数を誇る3Dプリンターメーカーです。もともと2011年にMITメディアラボの学生3名が立ちあげた3Dプリンターメーカーですが、第三世代となるForm 2は、全世界5万台の導入実績を誇ります。

この数は、世界最大とされる3Dプリンターメーカーストラタシスの記録を抜き、プリント実績は4000万パーツ以上に登ります。

ストラタシスは総合的なラインナップを持ち、デスクトップから中型モデル、大型のハイエンドモデルまで幅広いラインナップを誇るため単純比較はできませんが、Formlabs社のForm 2はデスクトップながらも圧倒的なクオリティと安定性を誇り、一躍大ヒットとなりました。

現在は、Form 2の後継機とされるForm 3、そしてFormlabs初の大型機種であるForm 3Lなど、更に期待が高まります。一番初めに登場したForm1は、クラウドファンディングサイトKikStarterで295 万ドルの資金調達に成功。アメリカをはじめ全世界に出荷されました。

formlabs

デスクトップタイプの光造形 3Dプリンターのパイオニア

Formlabsの創業者の3名Maxim Lobovsky、Natan Linder、David Cranorは、MITメディアラボで、「How to Make(almost)Anything」(ほぼなんでも作る方法)を受講。

ビット&アトムセンター、ファブラボプロジェクトなどで経験を積み、2011年に使いやすいデスクトップの光造形3Dプリンターを開発、投資家からシード資金の調達に成功します。

Formlabs
MITメディアラボ出身の学生が立ち上げ。デスクトップタイプの光造形3Dプリンターメーカーとして登場

大幅資金調達に成功。Form2の本格展開を開始

その後、2013年にForm1で成功し、同年にシリーズAラウンドの資金調達を終了、2016年8月にはシリーズBの資金調達で3,500万ドルの調達に成功。

2018年4月には深センキャピタルグループなどの投資家から更に3,000万ドルの調達に成功し、Form2をはじめとしたデスクトップ3Dプリンターの本格的な展開を行っています。

Formlabs Form2
Form2をはじめ革新的なデスクトップ3Dプリンターを世に送り出す。

Form 3、Form 3Lで次世代の光造形3Dプリンターへ

そして、2019年9月にリリースされ期待される機種がForm 3とForm 3Lです。両社は新たにLFSテクノロジーといわれる新技術を搭載し、Form 2を超える滑らかさと高精細を実現。さらには簡単に取れるライトタッチサポートを実現させました。

Form 3, Form 3 L, Formlabs
注目が集まるForm 3とForm 3 L

Formlabsの製品ラインナップ

Formlabsは、現行モデルのForm 3を中心にさまざまな製品ラインナップをそろえています。

ここでは、かつてのモデルも含め、Formlabsが提供している製品ラインナップをご紹介します。

Form1(初期モデル:2013年5月)。光造形のデスクトップを確立

Formlabsがリリースした最初の3DプリンターがForm1です。Form1は、クラウドファンディングで295万ドルもの資金調達に成功し、全世界に出荷されました。

出荷は予定よりも数カ月遅れの2013年5月に出荷。これまで大型で高額であるとされていた光造形3Dプリンターの分野で、安価なデスクトップを世に出した初のモデルです。

Form1は、現在のForm 3や前モデルのForm 2とは違い、液体樹脂であるレジンの補充も手動で、造形安定性もForm2ほど高くはありませんでした。

Form1
キックスターターで登場したForm1。295万ドルを集め成功した。

Fomr1+(前々モデル:2014年6月)。Form1をアップグレード

Form1の課題であったプリント性能を向上させたモデルがForm1+です。Form1+では、スピード、印刷品質、信頼性などが向上しました。こちらもレジンの補充は手動です。

Form2 (前モデル:2015年9月)。レジンの自動補充、ワイパー機能で高品質を実現

そしてFormlabsの地位を確立された機種がForm 2です。Form 2では、Form 1、Form 1+から、驚くべき進化を遂げました。第一がレジンの自動補充です。

これまでレジンは足りなくなったらチェックして手動でいれなければなりませんでしたが、Form 2では、センサーが搭載され自動で補充されます。

また、Form 2からはワイパー機能が搭載され、プリント中のレジンを攪拌し粘度や温度を均一に保ち、プレートへのくっついて離れる精度も向上しました。

更に造形サイズも大きくなり、Form1、Form1+よりも大きく、高精彩で安定したプリントが可能となったのです。

Form2 3Dプリンター
大ヒットとなったForm2シリーズ

Form 3 (2019年9月)。次世代型光造形3Dプリンター

Form 3は、大ヒットとなったForm 2から4年の歳月を経て登場した光造形3Dプリンターです。次世代機と呼ぶにふさわしい機能を持ち、高品質であったForm 2を更に進化させることに成功しました。

Form 3では、Form 2の持つ材料ごとの自動機能:レジンの加熱、レジンの自動補充、粘度の最適化、レーザービームの最適化という機能に加え、新たなLFSテクノロジーを採用させることで、高精細と滑らかさを向上し、サポート材の取り外し安さを向上させました。

Form 2では、レーザービームが場所によって斜めにあたることがあり、プリントする場所によって若干のむらがありましたが、Form 3では、レーザービームをユニット化し、どの場所でも垂直にレーザーがあたり、平面で25ミクロンの造形精度を実現しました。

またレジンタンクを柔らかいフレキシブルレジンタンクにすることで、プラットフォームからの剥離をおさえ、更に高い寸法精度を実現しています。

Form 3, Formlabs
ビルド・プラットフォームやレジンカートリッジはForm 2と互換性がある。

FormWash(2017年5月)。自動洗浄によって後処理がより楽に

Form 3の材料は、光硬化性樹脂という液体樹脂に紫外線を照射して形にします。

そのため造形後には、余計なレジンを落とすため、イソプロピルアルコール(IPA)で洗浄しなければなりません。

基本は、Form 3本体に付属の洗浄キットで手動で洗いますが、2017年5月に発表されたFormWashを使えば、造形後の洗浄も自動攪拌し行うことができます。

FormWash
自動洗浄用のマシーンFormWash

→洗浄用ツールFormWashの機能や使い方はこちらをどうぞ

FormCure(2017年5月)。二次硬化でエンジニアリングレジンの性能UP

FormCureは2017年5月にFormWashと一緒に発表されました。

Form 3の材料は、紫外線を照射して液体から固体になっていきますが、材料の種類によっては、二次硬化といって、造形後に更に光を当てなければならないものがあります。

それがエンジニアリングやキャスタブルなどの特殊な機能を持つレジンです。

例えば、柔軟性を持ち、ゴムのような特性をもつフレキシブルレジンは、二次硬化を行わないと、ゴムの性能が発揮しません。

また、タフレジン(Tough)のような耐久性、強度がある材料も二次硬化を行わないと、本来の性能が再現されません。

FormCureは、スタンダードレジン以外の、エンジニアリングやキャスタブルなどの性能を発揮するためのツールです。

FormCure
二次硬化専用のFormCure

Huse1(2017年6月発表)。レーザー燒結法(SLS)3Dプリンター

Formlabsは、2017年6月に、レーザー燒結法(SLS)の3Dプリンターも開発を発表しました。それがHuse1です。

レーザー燒結法(SLS)は、パウダー状の材料にレーザービームを照射して焼結(焼き固める)方法の3Dプリント方式で、金属3Dプリンターの造形方法として有名です。

Fuse1はナイロンパウダーが使用できるレーザー燒結法(SLS)で、今後の発売が期待されています。

Huse1
レーザー燒結法のデスクトップタイプHuse1

FormCell。デジタル工場の第一歩

3Dプリンターは、次世代製造技術の中でも特に自動化の分野として期待されるテクノロジーです。

Formlabsは、Form 3とFormWashとロボットガントリーシステムによって、デジタルデータから自動生産を行うための仕組みFormCellを開発しました。これは完全なデジタル工場の第一歩となる試みです。

FormCell
3Dプリンターで量産を目指すFormCell

PreForm。専用ソフトウェアで自動設定が可能

Formlabsの3Dプリンターは、全て(Form1、Form1+、Form2、Form 3、Huse1)専用ソフトウェアPreFormで設定が可能です。

PreFormでは、さまざまな3Dモデルをより良い形でプリントできる設定(プリント方向やサポート材の付け方など)を自動で行うことができます。またさらに使用する材料によって最適な設定を行うことができます。

PreForm
専用ソフトウェアPreForm

まとめ 使い方を知れば常に高品質&安定したプリントが可能

Form 3は、デスクトップタイプの3Dプリンターの中では、最も性能が高くミスプリントが無い安定したプリントができる3Dプリンターの一つです。

高精彩で滑らかな仕上がり、多種多様な材料、ミスがほとんどない高い安定性、この3つの特長からさまざまな用途に利用することが可能です。

Form 3 SLA(光造形法) vs FDM(熱溶解積層法)

SLA(光造形)とFDM(熱溶解積層法)の違い

3Dプリンターにはさまざまな方式がありますが、中でも最も一般的な方式が、Form 3が採用している光造形方式と、FDM(熱溶解積層法)方式です。

3Dプリンターは、価格帯、ハイエンドモデルか中価格帯モデルか、または低価格なデスクトップモデルによって性能が異なります。
また、メーカーや機種によっても性能は多種多様です。

そのため一概に、光造形とFDM(熱溶解積層法)どちらが優れているかは単純に比較はできませんが、大まかな傾向や、特長などをしることで、用途に合った方式を選ぶことができます。

Form 3光造形の中でもSLA方式を進化させたLFSテクノロジーを採用し、光造形3Dプリンターの次世代機として注目されます。

※ここでは一般的なデスクトップタイプを比較の対象として、その特長をご紹介します。

FDM vs SLA

Form 3(光造形法)とFDM(熱溶解積層法)の比較表

 Form 3光造形3Dプリンター(LFSテクノロジー)FDM 3Dプリンター (熱溶解積層法)
造形方法光造形法:液体樹脂に紫外線レーザービームを照射し固める熱溶解積層法:材料を加熱して柔らかくして積層し自然に固まる
材料UV硬化性樹脂熱可塑性樹脂
材料の形状液体フィラメント(糸状)
積層ピッチ25ミクロン~300ミクロン50ミクロン~200ミクロン
寸法精度高い寸法精度”反り”などの可能性
表面仕上げなめらか/超高精細積層跡が残る
等方性・異方性等方性異方性
造形時間(複数時)個数が増えてもほぼ変わらない個数に応じて時間がかかる
サポート剤簡単に取り外せるライトタッチサポート手またはニッパーで取り外し
後処理IPA(90%以上)での洗浄・二次硬化不要
研磨・塗装材料によって異なる材料によって異なる
使用環境25℃前後・材料保管は直射日光を避ける25℃前後・湿度を避ける(15%がベスト)
メンテナンス樹脂ごとのレジンタンクの管理

 

レジンタンクの摩耗時の交換

プラットフォームの洗浄

押出ノズルの洗浄・交換

※FDM(熱溶解積層法)はデスクトップの一般的な特徴。機種ごとによって内容は異なります。

製法と材料の違い

光造形(LFS)とFDM(熱溶解積層法)では、造形するアプローチも、使用する材料の特性も異なります。それにより、仕上がりや精度、後処理、運用面の注意点、メンテナンスなども大きく異なります。

造形方式

Form 3の光造形とFDM(熱溶解積層法)の造形方法は“積層して物体にする”という点は共通していますが、科学的アプローチ、材料の性質、が全く異なります。

FDM(熱溶解積層法)とは

FDM(熱溶解積層法)とは、熱可塑性樹脂を糸状にしたフィラメントといわれる材料を使って造形します。

ノズルにフィラメント材料を通すことで、加熱して柔らかくし、ノズルから押出してプラットフォームの上に積層します。プラットフォームに積層されることで自然に冷却され、固体になります。

FDM 熱溶解積層法

光造形法式とは

Form 3が採用している光造形法(LFSテクノロジー)は、液体状の光硬化性樹脂を使用し、プラットフォームをタンク内の樹脂に浸け、そこに紫外線レーザービームを照射することで硬化させ、一層ずつ固めていきます。

光造形法 SLA

材料の違い:種類と形状

光造形法(LFSテクノロジー)とFDM(熱溶解積層法)は材料の性質、形状、種類が全く異なります。光造形法(LFSテクノロジー)は液体、FDM(熱溶解積層法)は固体です。

UV硬化レジン 光造形3Dプリンターの材料

光造形3Dプリンタ-は、UV硬化性樹脂といわれるレジンを材料として使用します。

UV硬化レジンとは、別名紫外線硬化性樹脂といい、液体状の樹脂で、紫外線を照射することで化学反応を起こして硬化する樹脂のことです。

ベースとなる材料は、アクリルポリウレタンエポキシ樹脂などによって構成されています。

Form 3では、独自にUV硬化レジンを開発し、透明性が高いクリアレジンや、ゴムの性質を持つフレキシブルレジン、耐久性などを強化したタフレジン、などが存在します。

Form2 光硬化性樹脂
紫外線硬化性樹脂は液体状です。

熱可塑性樹脂 FDM(熱溶解積層法)の材料

FDM(熱溶解積層法)の材料は、フィラメント状の熱可塑性樹脂です。

熱可塑性樹脂は、光硬化性樹脂とは逆で、加熱すると柔らかくなり、冷却すると固まる性質を持つ樹脂材料です。熱可塑性樹脂は、現在、多くの工業製品に使用されている樹脂材料です。

FDM(熱溶解積層法)の優れた点は、ABS樹脂PLA樹脂ポリプロピレン(PP)ナイロンポリカーボネート(PC)ポリエチレンテレフタレート(PET)など、工業製品と同じ本物の熱可塑性樹脂を扱える点です。

高品質な3Dプリンターでは、最終品もデータから直接製造することができます。

FDM フィラメント材料

Form 3 (光造形)とFDM(熱溶解積層法)の性能比較

つぎに、光造形法とFDM(熱溶解積層法)の仕上がりや、造形物の精度、造形スピードについての比較をご紹介します。

表面精度と仕上がり

積層のレベルを示す積層ピッチは、機種などによって異なりますが、光造形法も熱溶解積層法(FDM)も25ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、200ミクロンなどでプリント可能です。

しかし、材料の性質と造形へのアプローチから、その表面精度や仕上がりは異なります。

FDM Form2 仕上がり
FDM(熱溶解積層法)とFrom2の仕上がりの違い。

Form 3(光造形法)の仕上がり

光造形3DプリンターであるForm 3の最大の特長がその滑らかで高精彩な表面です。

光造形法は、液体状の光硬化性樹脂を1層ずつ硬化させていきますが、層と層の間に二つの層が混ざり合った分子レベルの中間体が出来ることから、驚くほどなめらかな表面が実現可能です。

Form2 表面 精度

FDM(熱溶解積層法)の仕上がり

FDM 3Dプリンターは、フィラメントといわれる細いスプール状の熱可塑性樹脂をノズルに通し、加熱して柔らかくし積層する造形技術です。

そのため、安価なデスクトップのFDM 3Dプリンターだと樹脂を積層した跡、いわゆる積層痕が目立ちやすくなります。

FDN 表面 精度

寸法精度の違い

3Dプリンターは、3Dデータから直接物体を成形する技術です。そのため、データ通りにどの程度再現できるかという寸法精度が求められます。

Form 3(光造形法)の寸法精度

Form 3(光造形法)では、液体樹脂にレーザービームを照射して硬化するという製法から、樹脂が加熱されたときの熱収縮が起きません。

そのため、3Dデータを正確に再現することが可能で、高い寸法精度を実現しています。95%で240μm以内の正確さを実現しています。

Form2 寸法精度

FDM(熱溶解積層法)の寸法精度

FDM(熱溶解積層法)では、樹脂の種類によって“反り”の可能性に注意が必要です。

ABS樹脂などは、熱収縮が大きく冷却される過程において、造形モデルが収縮し反ってしまう可能性があります。

そのためこの“反り”を防止するために、フィラメント材料を乾燥させたり、造形モデルの大きさを変更する(複数のパーツにわけ、1個の大きさは小さくする)など対策が求められます。

FDM 熱溶解積層法 反り

※FDMの場合は使用するプリンターの精度に大きく影響を受けます。

造形スピードの違い ※一度に複数作る場合

造形するスピードについては、機種、作るモデルの形状などによって異なるため、一概には比較できませんが、複数のモデルをビルド・プラットフォーム上で作る場合には、光造形3Dプリンターの方が熱溶解積層法(FDM) 3Dプリンターよりも早く造形できます。

Form 3(光造形法)で複数プリントするスピード

一報で光造形 3Dプリンターでは、SLAとDLPによって異なりますが、2個作っても造形時間は倍にはなりません。

それはForm 3のようなLFS(SLA)がレーザービームを一点に照射することから、FDMのノズルが動くよりもはるかに照射スピードが速いからです。

例えば、1個で30分だったのが、2個にすると33分といった形に少し増えます。

また、光造形法でも、DLP(デジタル・ライト・プロセッシング)という方法では、プロジェクターを使い、面でレーザーを照射するため、個数が増えても時間は変わりません。

Form2 スピード

FDM(熱溶解積層法)で複数プリントするスピード

熱溶解積層法(FDM)では、フィラメントを溶かしてノズルから押出て積み上げますが、造形する数が増えれば増えるほど、ノズルの動く距離が長くなり、その分時間がかかります。

例えば、造形する数を2個にすれば造形時間は単純に2倍になります。

FDM 複数プリント

等方性・異方性の違い

物体には等方性と異方性があります。等方性とは、その物体の性質が方向によって変わらないことを言います。

異方性とは、物体の性質が方向で異なることをいいます。

下記は理論上であり、実際には造形モデルごとの耐荷重試験などが必要です。

FDM SLA 等方性 異方性

Form 3(光造形法)の造形物は等方性を持つ

Form 3(光造形法)の造形モデルは、等方性をもっています。

Form 3では、光硬化性樹脂にレーザービームをあてて1層ずつ硬化していきますが、層と層の間に分子レベルで共有結合する層、いわゆる「グリーン状態」という状態が生まれるため、Z軸とXY平面との間に、ほとんど全く相違がなくなります。

SLA 等方性

FDM(熱溶解積層法)の造形物は異方性を持つ

一方、FDMによって造形されたモデルはあらゆる方向に等しく強くはなく、等方性はありません。

用途によって異なりますが、耐荷重が求められる部品などをプリントする場合には、プリント方向に注意する必要があります。

FDM 異方性

運用面の比較

3Dプリンターは性能とは別に、実際の運用面での使いやすさも重要です。

またそれぞれ正しい運用方法を行わなければ、プリンター本来の優れた性能を出すことはできません。ここではそれぞれの運用面の特長についてご紹介します。

使用する環境

3Dプリンターは使用する環境にも注意が必要です。基本的に温度や湿度などが材料の物性に影響するため、常に一定の環境化で使用する必要があります。

Form 3 (光造形法)を使用する環境

Form 3を使用する際には、2つの点で注意が必要です。

第一にForm 3の液体樹脂は高温下だと膨張する可能性があるため室温は25℃程度に保ち、湿度も一定に保つことが求められます。

また、Form 3 の樹脂は紫外線硬化性樹脂なため、太陽光などがあたると固まる可能性があり、レジンの保管は遮蔽するなどの注意が必要です。

Form2 環境

FDM(熱溶解積層法)を使用する環境

一方FDM(熱溶解積層法)を使用する環境では、湿度を低く一定の状態に保つ必要があります。

また、FDMの材料である熱可塑性樹脂のフィラメント材料は、常に乾燥させた状態で使用しないと、ミスプリントや熱収縮が強くなり反りなどが起きる可能性があります。

影響する湿度は材料の種類によってことなりますが、例えばナイロンなどは吸湿性が高いため、湿度15%以下の状況での使用などが求められます。

FDM 注意点

プリントの後処理

造形後の後処理も、Form 3(光造形法)とFDM(熱溶解積層法)では、全く異なる取り扱いが必要です。

Form 3(光造形法)の後処理

Form 3では、材料に液体状の光硬化性樹脂を使用しているため、造形モデルにくっついた余分な樹脂を洗浄して綺麗に除去する必要があります。

専用の仕上げキットもしくは別売りの自動洗浄機Form Washと、市販のイソプロピルアルコール(IPA 濃度90%以上)を使用して、モデルを洗浄します。その後サポート材を取り外せば完成です。

また、エンジニアリング用レジンやキャスタブルレジンなどは、Form Cureなどを使い二次硬化が必要になります。

Form2 造形プロセス 手順

FDM(熱溶解積層法)の後処理

基本的にFDM 3Dプリンターでは、造形が終わった後は、ビルド・プラットフォームから造形モデルを取り出し、サポート材の除去を行えば終わりです。ただ、3Dプリンターの種類によってはサポート材がくっついてしまい、なかなかはがれないケースもあります。

FDM プロセス 手順

メンテナンスの違い

3Dプリンターは製造機械であることから、定期的なメンテナンスが必要です。このメンテナンスの方法も、Form 3 (光造形法)とFDM(熱溶解積層法)で異なります。

Form 3(光造形法)のメンテナンス

Form 3では、レジンごとにレジンタンクを使い分ける必要があります。材料が液体樹脂であることから、1種類の材料につき1つのレジンタンクが必要になります。

また、使用する材料を変更する際には、プラットフォームをイソプロピルアルコール(IPA)などで綺麗に洗浄し、前に使用していた材料が残らないようにします。

レジンタンクはレーザービームの照射によって摩耗していきますので、定期的に交換が必要です(レジンタンクLPは交換不要)。更に、液体樹脂が飛び散らないように、注意が必要です。

FDM(熱溶解積層法)のメンテナンス

FDM(熱溶解積層法)では、押出ノズルのメンテナンスが必要です。

FDMは、フィラメント材料を押出ノズルに挿入して、溶かして積層する仕組みですが、押出ノズルに、フィラメントのカスなどが蓄積し、ノズル詰まりが起きる可能性があります。

この場合はメーカーの指示のもと、押出ノズルを掃除するか新たな押出ノズルに交換する必要があります。

用途の比較

3Dプリンターは材料の多角化や精度の向上によって、さまざまな用途が登場しています。

ここではForm 3(光造形法)とFDM(熱溶解積層法)の用途の違いについてご紹介します。

Form 3 (光造形法)の用途

Form 3は、その特長である高精彩で滑らかな仕上がりによって、幅広い用途に利用されています。

一般的なプロトタイプだけではなく、エンジニアリングレジンを使用することで、さまざまな機能性プロトタイプにも利用が可能です。

強度や耐久性に優れるタフから、高耐熱のハイテンプまで、さまざまな機能性プロトタイプに使用できます。

またキャスタブルレジンでは、インベストメント鋳造のロストワックスの代替品として仕え、ジュエリー製造などをより効率化してくれます。

また、滑らかな仕上がりから、フィギュアやアートなどにも利用がひろがっています。

樹脂名プロトタイプ機能性プロトタイプ冶具・工具アート・フィギュア鋳造ワックスモデル歯科用最終品
スタンダード××××
エンジニアリング×××
キャスタブル×××××
デンタル××××××

※スタンダードレジン、エンジニアリングレジンは種類や性能が複数あり、造形モデルの種類によって対応できる範囲が異なります。

FDM(熱溶解積層法)の用途

デスクトップのFDM(熱溶解積層法)の用途も幅が広がっています。

特に、FDMの最大の特長の一つが幅広い本物の熱可塑性樹脂が利用できる点です。

熱可塑性樹脂は金型で使用され、最終品に使用されている樹脂で、高性能なFDM 3Dプリンターでは、エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネートやナイロンなどと組み合わせれば、最終品やエンドユースパーツの製造も可能です。

もちろん、従来のプロトタイプや機能性プロトタイプにも最適です。

樹脂名プロトタイプ機能性プロトタイプ冶具・工具アート・フィギュア最終品
PLA××××
ABS×
PETG×
ポリカーボネート×
ナイロン×
ポリウレタン×××
Wood(木材調)×××
Metal(金属調)×××

※上記はFDM(熱溶解積層法)の代表的なフィラメント材料です。対応できる用途はプリンターの性能や設計データによって異なります。

まとめと総括

これまでの比較を総括すると、光造形3DプリンターとFDM(熱溶解積層法)では、それぞれで長所短所があります。

まず、Form 3の最大の特長は高精彩、高品質な造形とミスの少ないプリント安定性ですが、その一方で、後処理には、イソプロピルアルコール(IPA)の洗浄や二次硬化など、ひと手間かかります。

一方、FDM(熱溶解積層法)は、金型と同様の本物の熱可塑性樹脂が使用でき、材料も多彩、後処理も洗浄や二次硬化は必要なく、多彩な用途に使用できます。

しかし、その一方で、湿度やノズル温度のコントロールなど、繊細な面も持ち合わせているため、メンテナンスや使用環境に配慮が必要です。

それぞれで、長所と短所があり、機種によっても性能が異なるため、基本的には“何をつくりたいのか”という点を基準に、3Dプリンターの性能、対応材料、運用面(実際に使用する場合は運用面が最もカギになる場合が多い)を考慮し、選択する必要があります。

一般的には、3Dプリンターを選ぶ基準には、積層ピッチなどの精度などが注目されがちですが、実際には、故障などが少なく、安定的に造形できるマシーンの安定性や、造形スピード、対応材料のバリエーション、後処理の手間など、運用面の方が大きな影響があります。

レジンを取扱う4つの注意点。高品質を実現するポイント

樹脂(レジン)の状態で配慮すべき4つのポイント

Formlabsでは、Form 3Form 3Lの材料として、さまざまなタイプのレジンを提供しています。レジンは液体状の紫外線硬化性樹脂です。紫外線硬化性樹脂とは、紫外線が照射されることで、液体から固体になる特性を持っています。

こうした光造形法ならではの特長から、より良い高品質な造形を実現するためには樹脂(レジン)の取り扱いにも配慮すべき点があります。

Form2 光硬化性樹脂
紫外線硬化性樹脂は液体状です。

温度、粘度、ゴミ、遮蔽に配慮

Form 3の樹脂(レジン)は、具体的に以下の4点に配慮する必要があります。

温度:第一が温度です。紫外線硬化性樹脂には、硬化するための最適な温度があります。この温度はレジンの種類によって異なります。

粘度:第二が粘度です。粘度とは粘り気の度合いのことで、硬化に最適な粘りが必要です。

ゴミ:第三に注意すべき点がゴミです。ゴミとは、空気中に浮かぶ埃や塵、硬化ミスで発生するごみなどがあります。

遮蔽:第四に、使用していない時も含め十分に遮蔽していることが求められます。紫外線によって簡単に硬化してしまうため、太陽光はもちろん、蛍光灯などの紫外線も避けるべきです。

Form2 環境

1.樹脂(レジン)の最適な温度。十分予熱してからプリントを開始する

Form 3本体のプリントボタンを押すと、まずはじめに樹脂の予熱が始まります。

Form 3の樹脂は紫外線レーザービームが照射されることで固まりますが、それぞれ樹脂の種類によって硬化に最適な温度が決められています。この予熱が自動開始温度に達するまで、プリントは開始しません。

Form2 予熱機能

また、最低開始温度に達した場合、「Start Now」ボタンを押すと、プリントを開始することができますが、硬化やくっつきが悪く、自動開始温度に達してスタートするまで待つことをおススメします。

樹脂の温度状況や予熱状況は、Form 3本体のタッチスクリーンで確認することができます。

Form 3の樹脂の予熱温度は下記のとおりです。

 最低開始温度自動開始温度目標プリント温度
グレイ25℃31℃35℃
ブラック・ホワイト・クリア20℃31℃35℃
キャスタブル・フレキシブル・デンタル20℃31℃35℃
タフ28℃30℃31℃

予熱にかかる時間は?

Form 3を長く使用していない場合や、冬の季節などForm 3を設置している部屋の温度が低い場合には、樹脂の十分な予熱に15分程度かかる場合があります。

その場合も、自動開始温度に到達するまで、待つことをおすすめします。樹脂の温度については、Form 3のタッチスクリーンのプリンター・タブ上に表示されるので確認してください。

サードパーティ(他社)製は使用できない

また、他社製の樹脂をですが、Form 3Form 3Lでは使用することができません。Form 3、Form 3Lではレジンの種類に応じて最適な設定(温度や粘度、レーザーのあて方)などを行うため、他社製のレジンではそれができないためです。

Form2 予熱機能

2.粘度。加熱とワイパー(リコーター)で均一になる

Form 3では、レジンタンク内の樹脂(レジン)の粘度を均一にするためにワイパー(リコーター)が装着されています。

紫外線硬化性樹脂は加熱されることによって柔らかくなりますが、ワイパーが左右に動くことで、常にどの部分でも一定の粘度が保たれます。この粘度も造形の精度に影響します。

Form2 機能

3.樹脂を綺麗に保つ。定期的なろ過でゴミやほこりを取り除く

高品質な造形を実現するために、レジンタンク内の樹脂を常に綺麗に保つことが必要です。

Form 3は、長期間使用していると、レジンタンク内に埃などのゴミや、ミスプリントによる白いゴミがたまることがあります。

樹脂に埃などのゴミが含まれていると、必然的に造形が汚くなります。また、白いゴミは、プリントが失敗する際に出る硬化の残骸で、長期間使用していると樹脂の中に混ざってきます。

また空気中の微細な埃や塵も入るのを防ぐため、使用環境は清潔に保ち、樹脂(レジン)の保管も十分に遮蔽した状態で行いましょう。

Form2 レジン 管理

白いゴミの原因

Form 3の造形はビルド・プラットフォームが液体樹脂に密着した状態で、紫外線レーザービームが照射され、液体樹脂がビルド・プラットフォームの表面にくっついて1層ずつ固体にしていく方法をとっています。

しかし、ビルド・プラットフォームに密着しない状態でレーザービームがあたって固まると白いカスとして液体樹脂の中に落ちてしまいます。

この白いゴミが増えると造形が汚くなるため、定期的に液体樹脂をろ過することで埃や白いゴミを取り除くと、常にプリントを高品質に保つことができます。

三角フィルター
三角フィルターは樹脂のゴミを取り除く際に使用します。

4.樹脂(レジン)を遮蔽して保管する。太陽光・蛍光灯を避ける

最後に常に高精度な造形を保つために樹脂(レジン)の保管にも配慮します。

紫外線硬化性樹脂は紫外線があたることで硬化するため、保管中も十分な遮蔽が必要です。太陽光や蛍光灯からの紫外線など、使用していないレジンタンクには専用の蓋をかぶせ保管します。

Form2 レジンタンク管理

まとめ

樹脂(レジン)の状態を常に最適で、クリーンな状態にすることはより良い造形のためには必須です。また保管も丁寧に行うことで、常に高品質なプリントを行うことができます。

ビルド・プラットフォームのメンテナンス

ビルド・プラットフォームの注意点

FormlabsForm 3やForm 3L、Form2は、ビルド・プラットフォームに液体の紫外線樹脂を硬化させてくっつけます。ビルド・プラットフォームは造形モデルが作られる土台となる部分です。この部分も長期間使用することにより摩耗したり、異なる樹脂(レジン)を使用する場合に注意が必要です。

Form2 ビルドプラットフォーム

具体的には下記の2点に注意し、クリーニングと交換を適切なタイミングで行います。

  1. キズによる消耗
  2. レジンを交換する際のクリーニング

ビルド・プラットフォームの消耗

Form 3、Form 3Lの造形プロセスは、ビルド・プラットフォームがレジンタンクの樹脂に浸かり、レーザービームが照射されることで、1層ずつ硬化していきます。

その後、ビルド・プラットフォームに張り付いている造形モデルをスクレイパーやヘラなどで取り外します。

その際、ビルド・プラットフォームに少なからずキズが付きます。

通常のスタンダードレジンなどの取り外しは比較的容易ですが、フレキシブルなど樹脂の種類によってはビルド・プラットフォームから造形モデルを取り外しにくく、ヘラでとる際にえぐれることがあります。

ビルド・プラットフォームが消耗してくると、樹脂のくっつきが悪くなり、造形中にモデルが剥がれて落ちる可能性があります。

傷が増えビルド・プラットフォームのくっつきが悪くなって来たら新しいものに交換しましょう。

Form2 ビルドプラットフォーム

樹脂(レジン)交換の際には必ずクリーニングする

Form 3では、1台でさまざまな種類のレジンを使用することができます。その際、レジン1種類ごとにレジンタンク1台を使うのが基本的な使用方法です。

しかし、ビルド・プラットフォームは、レジンごとに用意するのではなく1つのもので、複数のレジンを使用します。

その際、注意しなければならない点が、レジンを変更する際には、十分レジンをクリーニングしてから使用しなければなりません。

ビルド・プラットフォームをクリーニングする方法

ビルド・プラットフォームに、IPA(イソプロピルアルコール90%以上)か、アクリルクリーナーを吹き付け、余分な樹脂をペーパータオルなどでぬぐい、丁寧にふき取ります。余分な樹脂がなくなるまで繰り返します。

Form2 クリーニング

まとめ

ビルド・プラットフォームもレジンタンクなどと同様に消耗品です。くっつきが悪くなってきたタイミングや傷の状況に応じて適切なタイミングで交換が必要です。

Form 3の洗浄。仕上げキットを使う

Form 3の洗浄。高品質な仕上がりを実現する仕上げ

Form 3は、造形後の後処理によって、高品質な仕上がりを実現することが可能です。それがデスクトップタイプのFDM 3Dプリンターと、Form 3との違いです。基本的に、後処理の流れは、洗浄、二次硬化(スタンダードレジン以外の樹脂は必要)、サポート除去という流れです。

Form2 仕上げ

Form 3の仕上げキットを使って洗浄する

Form 3の洗浄は、二つの方法で行うことができます。第一が付属の仕上げキットを使った洗浄です。そして、第二の方法が、FormWash(別売り)を使った洗浄方法です。ここでは付属の仕上げキットを使った洗浄方法をご紹介します。

Form2 リンスインステーション

洗浄がなぜ必要か

Form 3で造形モデルのプリントが完了した後は、まずは洗浄を行います。Form 3は液体状の光硬化性樹脂を使って造形を行うことから、造形終了後も造形モデルに余分は液体樹脂が周りについています。

そのため、そのままの状態ではモデルは使用することができず、造形モデルを洗浄し、余計な液体樹脂を取り除く必要があります。

洗浄は必須の工程で、このプロセスを踏まないと、美しい仕上がりや、正確な樹脂の特性が再現されない恐れがあります。ここでは二つの洗浄方法についてご紹介しましょう。

仕上げキットの付属品

付属の仕上げキットには以下の内容が含まれています。また、付属の仕上げキット以外に、別途用意するものがあります。仕上げキットは、造形モデルを浸しておくためのリンスステーションと呼ばれる容器と、治工具から成り立っています。下記がその正式名称と用途です。

Form2 仕上げキット

1. リンスステーション

二つの容器を入れる土台で成り立っています。それぞれ、二つの容器(リンスバケツ)にイソプロピル・アルコール(IPA)を入れ、各10分ずつ造形モデルを浸して、余分な樹脂を溶かすのに使用します。専用のバスケットに入れることで、造形モデルの出し入れが簡単です。

Form2 リンスインステーション

2. リンスバケツ

イソプロピルアルコール(IPA)を充填して使用する2つのバケツです。各10分ずつ浸します。

3. リンスバスケット

リンスバスケットは、それぞれのリンスバケツに造形モデルを移す際に使用します。このバスケットは造形モデルがバケツの中に落ちるのを防いでくれます。また、造形モデルを取り出す最にも、イソプロピル・アルコールを切るのに仕えます。

4. リンスボトル

リンスボトルは、イソプロピル・アルコールを充填し、洗浄し切れていない部分や、内部の部分を洗浄する際にかけて使用します。

5. 仕上げトレイ

仕上げトレイは、造形モデルを取り外す際や、乾燥を行う際の受け皿となるトレイです。樹脂やIPAが落下して室内を汚すのを防いでくれます。また、部品やツールを置く場所を提供します。

6. ピンセット

樹脂タンクから不要な硬化物を慎重に取り除くのに使用します。

7. スクレーパー

スクレーパーは、ビルドプラットフォームから部品を取り除くのに使用することができ、硬化した材料用の樹脂タンクを慎重に洗浄して検査することもできます。

8. 除去ツール

除去ツールは、造形モデルを取り外すのに使用します。ビルドプラットフォームと造形モデルの間に差し込み圧力をかけて、簡単に取り外すことができます。

Form2 除去ツール

9. 治具

仕上げキットの特長的な存在が治具です。この治具は、Form 3から取り外されたビルド・プラットフォームを固定し、スクレイパーなどのヘラで取り出すための道具です。取り付ける部分が、ちょうどビルド・プラットフォームの取り付け部分にはめられる形状になっており、取りはずすのに最適な構造をしています。

Form2 治具

10. フラッシュカッター

フラッシュカッターは造形モデルからサポート材を取り除くのに使用します。

11. 使い捨てニトリル手袋

プリントを取り出して完成させるときは、手袋を着用してください。

12. イソプロピル・アルコール(IPA)※別売り

イソプロピル・アルコール(IPA)は、仕上げキットの二つの容器や、ボトルに入れるために使用する洗浄剤です。イソプロピル・アルコール(IPA)は樹脂を溶かし、除去するための溶剤で、自前で用意する必要があります。

イソプロピル・アルコール(IPA)は地元の薬局やオンラインストアなどで購入することができます。こちらは濃度90%以上のものを使用します。

IPA イソプロピルアルコール
イソプロピルアルコール(IPA)は樹脂のクリーンに必須です。

※イソプロピル・アルコール(IPA)は可燃性が高く取り扱いには注意が必要です。また廃棄する際には産業廃棄物扱いになるため、専門の業者などをお住まいの自治体にお問い合わせください。

13. その他の備品 ※別売り

そのほか、ペーパータオルや、アクリルクリーナー、新しい厚手のクリーニングシート(PEC PAD)などがあると便利です。

Form2 クリーニング

仕上げキットのセッティング

仕上げキットは、リンスステーションの二つの容器に、別売りで購入したイソプロピル・アルコール(IPA)を十分な量を注ぎます。片方の容器には、リンスバスケットを挿入します。仕上げキットのセッティングはこれでOKです。

仕上げ用キットの使い方(所要時間:約35分)

それでは実際に仕上げ用キットを使った洗浄の仕方をご紹介します。手順は簡単です。造形が終了後、ビルド・プラットフォームをForm 3から取り外し、治具に固定、造形モデルを取り出し、イソプロピル・アルコール(IPA)が入った仕上げ用キットに入れるだけです。

1. イソプロピル・アルコール(IPA)を二つの容器に注ぎ、仕上げ用キットに容器をセットします。

Form2 リンスインステーション

2. 造形が終了したら、ビルド・プラットフォームを取り外します。

Form2 仕上げ

3. ビルド・プラットフォームを治具に取り付けます。

Form2 洗浄

4. ビルド・プラットフォームをつけた治具の前に、仕上げ用トレイを置きましょう。この仕上げ用トレイは、液体樹脂が垂れたりするのを防ぎます。

Form2 仕上げキット 洗浄

5. ビルド・プラットフォームと造形モデルの間に、スクレイパーか取り外し用ツールを差し込み、てこの原理で剥がします。サポートの土台にエッジがついているので、スクレイパーの先端を入れてヘラでこそぎ取ります。真空状態になっていますので空気を入れてあげると簡単に外れます。またはがれにくい場合は専用のフラッシュカッターでつまんで取ります。

Form2 仕上げキット 洗浄

6. 取りはずした造形モデルをリンスバスケットに置きます。

Form2 後処理洗浄

7. 一次洗浄:イソプロピル・アルコール(IPA)が注がれた仕上げ用キットの片方の容器にバスケットごと入れ30秒間揺らして、余分な樹脂を除去します。

8. 10分間バスケットごと浸します

9. 二次洗浄:次に一次洗浄の容器からバスケットごと取り出し、もう一つの容器に入れ、更に10分間浸します。

Form2 後処理キット 洗浄

10. その後仕上げ用キットからバスケットごと取り出し、付着したイソプロピル・アルコール(IPA)が気化するまで約10分間乾燥を行います。

11. 十分乾燥した後はサポート材を取り外し完成。必要に応じて研磨や塗装などの後加工を行い終了です。

Form2 仕上げキット 

※注意点

イソプロピル・アルコール(IPA)は樹脂を溶かす効果があります。そのため、10分間以上浸けるとイソプロピル・アルコール(IPA)がモデルに染み込みすぎてしまい、劣化したり、変形したり、割れてしまう可能性があります。

特に薄い造形モデルだと10分間で柔らかくなったり溶けたりします。モデルの形状やサイズによってイソプロピル・アルコール(IPA)に浸ける時間は短くするなど調整してください。

イソプロピル・アルコール(IPA)の交換

洗浄のために用いるイソプロピル・アルコール(IPA)は消耗品です。Form Washでも仕上げ用キットでも、長期間イソプロピル・アルコール(IPA)で洗浄を行っていると、樹脂が溶け出し段々と濁ってきます。

この樹脂が混ざり濁ったイソプロピル・アルコール(IPA)で洗浄を行っていると、液体樹脂のべたべたが取れず、洗浄効果が落ちます。

そのため定期的にイソプロピル・アルコール(IPA)の状況を確認し、適切なタイミングで新しいイソプロピル・アルコール(IPA)に変えるか、継ぎ足して濃度を高める必要があります。

また、イソプロピル・アルコール(IPA)は気化しやすい物質なため、自然と気化して蒸発すると分量が減少し、更にイソプロピル・アルコール(IPA)の濃度が低下します。

イソプロピル・アルコール(IPA)の廃棄

洗浄能力が低下し、交換したイソプロピル・アルコール(IPA)を廃棄する際には、注意が必要です。

イソプロピル・アルコール(IPA)は粘性が低くて難分解性である性質をもち、土壌汚染や地下水汚染を起こすため、産業廃棄物扱いになっており、廃棄は専門業者に依頼しなければなりません。廃棄する際には、お近くの地方自治体などに問合せください。

まとめ

Form 3は、仕上げキットの洗浄を丁寧に行うことで、造形モデルがより綺麗になり、二次硬化や研磨、塗装などの後処理がやりやすくなります。

わずか20分間洗うだけでの非常に簡単な工程なため、必ず行いましょう。また別売りのFormWashを使用すればこの洗浄工程は更に簡単になります。

FormWashを使いこなす。機能と使い方

FormWashとは。Form 3の洗浄を簡単、手軽にしてくれる

Form 3の洗浄は、別売りの自動洗浄機FormWashを使用することで、より簡単に手軽にすることが可能です。付属の仕上げキットを使って洗浄するよりも、より手軽に確実に洗浄することができます。

Form Washの特長

Form Washの最大の機能が全て自動で洗浄を行ってくれる点です。例えば、通常の仕上げキットでは、造形後にビルド・プラットフォームから取り外して洗浄を行いますが、Form Washでは、取りはずしたビルド・プラットフォームをそのまま取り付けるだけで洗浄することができます。

また、Form Washを使えば、時間を気にする必要がありません。通常の仕上げキットでは10分間の洗浄時間を自分で計測して守らなければなりませんでしたが、Form Washを使用すれば、洗浄時間を自由に設定しタイマーをセットすることが可能で、終了すると自動でイソプロピル・アルコール(IPA)から取り出してくれます。

もはや時間を気にすることなく、他の作業を行うことができるのです。またForm Washは洗浄機能も手動よりもはるかに優れています。Form Washの底に取り付けられた回転式のインペラ―によって容器内のイソプロピル・アルコール(IPA)が循環し、より正確にスピーディに余分な樹脂を除去してくれます。

FormWash

Form Washの8大機能

Form Washには、洗浄をより効率的に手軽にしてくれる8つの機能が備わっています。下記がその機能です。この8つの機能によって、付属の仕上げキットよりも正確に、手軽に、汚れが無く、尚且つ確実に洗浄を行ってくれます。

① 洗浄力UP:インペラ―の回転

Form Washの本体は、ボックス状をしています。基本的には仕上げ用キットと同様、イソプロピル・アルコール(IPA)を入れる容器で構成されています。ただし、単なる容器ではなく、本体の底部に取り付けられたインペラ―が回転することで、容器内のイソプロピル・アルコール(IPA)を循環させ、スピーディに余分な樹脂を除去してくれます。

② 自動洗浄で手離れが言い

通常の仕上げキットですと、片方の容器に10分、もう片方の容器に10分と、自分で時間を計測し、終了後、モデルを取り外さなければなりませんが、FormWashをつかえば時間を気にする必要がありません。設定時間が終われば、自動で容器から取り出してくれて、洗浄のし過ぎによるモデルの消耗を防ぐことができます。

③ 汚れ防止機能:最大8.6リットルの容器。内蓋で汚れ防止

このイソプロピル・アルコール(IPA)が入っている容器は、洗浄用バケットといわれ、8.6リットルまで入れることが出来ます。容器には、入れる量までラインが付けられています。取り外し可能で、イソプロピル・アルコール(IPA)が汚れて洗浄力が落ちたら液体を交換します。

また、取りはずす際に、イソプロピル・アルコール(IPA)がこぼれないように内蓋が設けられています。

④プリントからそのまま移行:ビルド・プラットフォームごと取り付けるだけ

また、Form Washが優れている点は、造形後の取り外しも自動化している点です。従来の仕上げ用キットでは、ビルド・プラットフォームを取り外した後は、治具に取り付けて、スクレイパーなどで造形モデルを取り外した後、洗浄を行いますが、Form Washでは、プラットフォームマウントにビルド・プラットフォームごと取り付けることが可能で、手動で造形モデルを取り外す必要はありません。

⑤ 取り外しも容易:バスケットで洗浄後の取り出しも容易

Form Washは、ビルド・プラットフォームごと取り付けて洗浄用バケットに浸けますが、洗浄中にモデルがビルド・プラットフォームからとれる可能性があります。その際、とれた造形モデルが容器の底に落ちないようにバスケットが備え付けられています。このバスケットは洗浄後の取り出しにも最適です。

⑥ わかりやすい表示:ディスプレイと回転ノブ

Form Washの自動洗浄の時間設定と進行状況などの確認をする部分がディスプレイと回転ノブです。回転ノブは、洗浄時間の選択を行います。ディスプレイでは選択時間と洗浄の残り時間が表示されます。

⑦ 収納機能で綺麗に:ツール保管場所

Form Washの本体にはスクレイパーや比重計など工具やツール類を保管する場所が設けられています。作業後はこの保管場所に収納しましょう。

⑧ 比重計でイソプロピルアルコールの交換時期もわかる

Form Washの構成要素で特長的なのが比重計です。イソプロピル・アルコール(IPA)で洗浄を行っていると、溶けだした樹脂が混ざり合い、濁ってきます。この比重計は、溶けだした樹脂の量が増えたことを確認するためのもので、交換の目安ともなるツールです。

FormWashも仕上げ用キットと同様、洗浄を行うForm Wash本体と、ビルド・プラットフォームから造形モデルを取り出す治工具から成り立っています。下記がその正式名称と用途です。

FormWashの構成

FormWashは以下のような構成になっています。

FormWash
  1. プラットフォームマウント:Form 3のビルドプラット・フォームをそのまま取り付けることができます。
  2. バスケット:ビルド・プラットフォームから取り外した造形モデルを洗浄する時に置くカゴです。造形モデルが落ちるのを防いでくれます。
  3. バスケットマウント:バスケットの上げ下げを容易に行えるようにするフックです。
  4. 外蓋: イソプロピルアルコール(IPA)が蒸発するのを防いでくれます。この外蓋は、Form Washを使用してしない時は、常に閉じた状態にしておいてください。
  5. 内蓋 :洗浄バケットからパーツを上げ下げする時にイソプロピルアルコール(IPA)がこぼれるのを防いでくれる二番目の蓋です。開閉する丁番が付いています。
  6. 洗浄バケット: イソプロピルアルコール(IPA)を8.6 リットルまで入れることができます。こちらの容器は取り外しが可能なため、IPAの交換時などには取り外して交換します。また、底に付いている回転式のインペラーによってバケット内のIPAが循環し、洗浄効率を高めます。
  7. ディスプレイ:ディスプレイでは、洗浄時間やその他の設定オプションが表示などFormWashの状態が表示されます。
  8. ノブ:ノブを回すことで、洗浄時間の調整、洗浄サイクルの状態(開始、休止、終了)を操作することができます。回転して選択し、押して決定します。
  9. ツール保管場所:仕上げキットにも付属している各ツール・工具類を保管する場所です。
  10. 電源:Form Washの電源です。仕様:24 V, 2 A
  11. イソプロピルアルコール

付属のツール・工具類

Form Washには、仕上げ用キットと同じ工具類が付属しています。基本的には造形モデルを取り外すための工具類です。造形モデルとビルド・プラットフォームの隙間に入れてこそぎ取るヘラの役割をするスクレイパーや、取り外し用ツール、サポート材を除去するために使用するフラッシュカッター、更に細かい部分を取り除くピンセットなどが付属しています。

また、液体樹脂のべたつきや、イソプロピル・アルコール(IPA)が直接触れるのを防ぐため、使い捨て用のニトリル手袋が付属しています。

FormWash
  • A. フラッシュカッター:サポート材の除去に使用するカッターです。
  • B. 取りはずしツール:造形モデルをビルド・プラットフォームから取り除く際に使用するツールです。造形モデルとビルド・プラットフォームの間に差し込み、てこの原理で引きはがすと簡単にモデルが剥がれます。
  • C. 比重計:イソプロピルアルコール(IPA)に浮かせることで、洗浄によって溶けだした樹脂の濃度がわかります。この比重計はイソプロピルアルコールの交換の目安に使用します。
  • D. スクレーパー:スクレイパーも、ビルド・プラットフォームから造形モデルを取り外したり、樹脂タンク内から硬化した樹脂の残留物を取り除くのに使用します。
  • E. ピンセット:微小なパーツを摘まんだり、プリント後のサポートを調整したりする時に使用します。
  • F. サイフォン式ポンプ:イソプロピルアルコール(IPA)を保管容器から洗浄バケットに移したり戻したりする時に使用します。

必要な備品 ※付属品ではありません

FormWashや仕上げキットの洗浄には、追加で以下の備品が必要になります。

イソプロピル・アルコール(IPA)※付属品ではありません

イソプロピル・アルコール(IPA)は、仕上げキットの二つの容器や、ボトルに入れるために使用する洗浄剤です。イソプロピル・アルコール(IPA)は樹脂を溶かし、除去するための溶剤で、自前で用意する必要があります。イソプロピル・アルコール(IPA)は地元の薬局やオンラインストアなどで購入することができます。こちらは濃度90%以上のものを使用します。

IPA イソプロピルアルコール
イソプロピルアルコール(IPA)は樹脂のクリーンに必須です。

※イソプロピル・アルコール(IPA)は可燃性が高く取り扱いには注意が必要です。また廃棄する際には産業廃棄物扱いになるため、専門の業者などをお住まいの自治体にお問い合わせください。

その他の備品 ※付属品ではありません

そのほか、ペーパータオルや、アクリルクリーナー、新しい厚手のクリーニングシート(PEC PAD)などがあると便利です。

novus アクリルクリーナー
Formlabs推奨のアクリルクリーナーです。
pecpad クリーニングシート
PECPAD。厚手のクリーニングシート

FormWashのセットアップ

FormWashのセットアップはとても簡単です。たった3ステップで完了します。第一にイソプロピルアルコール(IPA)を入れ、第二に電源をつなぎ、第三に濃度計で濃度を測ったら完了です。

FormWashの開梱と設置

FormWashは、本体の重さが6.7kg、寸法は 26.2 cm x 29.3 cm x 34.0 cmとコンパクトな大きさで、二次硬化専用のFormCureと同じぐらいの大きさです。FormWashの設置条件としては、洗浄が完了すると蓋が開いて、ビルド・プラットフォームとバスケットが30センチほど上がるため、FormWashの上は30センチほどの高さが必要です。

FormWash

FormWashのセッティング

FormWashを段ボール箱から取り出し、緩衝材を取り外します。梱包材や緩衝材は、FormWashの保証サービスを受ける時に必要になるので、処分せずに保管しておいてください。FormWashサイドの洗浄バケットからサイフォン式ポンプを取り出し、組立指示書に従って、組み立ててください。 サイフォン式ポンプは、洗浄バケットにIPAを足したりする際に使用します。

FormWash

イソプロピルアルコール(IPA)の挿入

FormWashを指定の場所に設置した後は、洗浄バケットにイソプロピル・アルコール(IPA)を注いでください。イソプロピル・アルコール(IPA)は、Form2の洗浄には必須の溶剤です。外蓋を開き、最小(7.8L)から最大(8.6L)の充填ラインまでイソプロピル・アルコール(IPA)を注いでください。

FormWash

電源接続

電源ケーブルをForm Washに装着し電源に接続します。USB挿入口がありますが、通常は使用しません。こちらは将来、FormWashのファームウェアを更新する場合に使用します。

FormWash

濃度計でIPA濃度をキャリブレーション

FormWashのセッティングは最後に付属の濃度計でIPAの濃度を計測して終了です。イソプロピル・アルコール(IPA)は、洗浄をくりかえしていると、溶けだした樹脂によってアルコールの濃度が低下します。アルコールの濃度が低下すると洗浄効果が落ち、造形モデルが綺麗に仕上がりません。そのため、未使用のイソプロピル・アルコール(IPA)を注いだら必ず濃度計で初期設定を行いましょう。

FormWash

濃度計の名称

A:Oリング
B:フロート
C:ハンドル
D:トールウィング
E:ショートウィング
F:重量

濃度計のキャリブレーション

イソプロピル・アルコール(IPA)に濃度計を入れます。入れると浮輪であるフロートが浮きます。浮いた浮輪の部分まで、リングをフロートの羽の付け根の位置まで下ろし設定します。このリングの位置が90%の濃度の位置であり、溶けた樹脂によって濃度が薄まると浮輪の位置が変わります。

濃度計は90%以上のIPAで動作するように設計されています。そのため、90%未満のIPAや代替溶剤では動作しません。必ず構成には濃度90%以上のイソプロピル・アルコールを使用しましょう。

FormWash

濃度系の計測とイソプロピル・アルコール(IPA)交換の目安

FormWashで長期間洗浄を行っていると、イソプロピル・アルコール(IPA)が濁ってきて洗浄力が低下します。その際、校正した濃度計を入れると、フロートよりも上にリングがきます。

交換の目安はリングの位置がフロートの羽の上まで来たら交換のタイミングです。詳しくは、下記のイソプロピル・アルコールの交換の項をご参照ください。

Form Washの使い方

Form Washを使った洗浄の仕方をご紹介します。手順は仕上げ用キットよりも更に簡単です。造形が終了後、ビルド・プラットフォームをForm 3から取り外し、ビルド・プラットフォームごとForm Washのプラットフォームマウントに取り付けてスイッチを押すだけです。また、洗浄が終了すると自動でイソプロピル・アルコール(IPA)からあげてくれます。

1.回転ノブで設定

まずはじめに、ディスプレイの隣についている回転ノブを回し操作します。回転ノブは時計回り、反時計回りどちらも回転させることができ、回しながらメニューを選択します。選択した項目を行いたい場合に回転ノブを押します。

FormWash

ディスプレイのメニューは以下の通りです。

  • Open:オープンボタンを押すとマウントとバスケットが上がります。
  • Start:スタートボタンを押すとマウントとバスケットが下がり、洗浄が自動で開始します。
  • 時間:こちらは洗浄する時間を選択します。洗浄時間は分単位で決めることができます。
    樹脂ごとによって洗浄時間は異なります。
  • Sleep:スリープモードのボタンです。このボタンを押すと、マウントとバスケットが下がり、スリープします。洗浄を開始する場合にはStart(スタートボタン)を押してください。

2. Openオープンボタンを押す

まずOpen(オープン)ボタンを押します。Openボタンを押すとマウントとバスケットが上がってきます。

FormWash

3.ビルド・プラットフォームをFormWashに取り付ける

Form2から取り外したビルド・プラットフォームをForm Washのマウント部分に取り付けます。ビルド・プラットフォームの上蓋の位置をマウント部分に合わせて、奥に接触するまでしっかりと押し込みます。

FormWash

3-2. バスケット部で洗浄も可能

ビルド・プラットフォームから先にモデルを剥がして、バスケットの中にモデルを入れて洗浄する方法もありますが、樹脂などを交換する際にはイソプロピル・アルコール(IPA)でビルド・プラットフォームを洗浄しなければならない点や、ビルド・プラットフォームごと洗浄した方が、造形モデルを取り外しやすくなり、スクレイパーなどでキズが付くことを防ぐこともできます。

※FormWashで洗浄できる最大サイズは、14.5cm × 14.5cm × 18.5cm

4. 洗浄時間の設定

次に回転ノブを回して時間の項目に合わせます。回転ノブを押すと、時間の設定を変更することができます。時間は、分単位で設定ができるため、洗浄したい樹脂の種類に合わせて洗浄時間を設定しましょう。また、この設定時間は造形モデルの形状や大きさ、更にはイソプロピル・アルコール(IPA)の汚れ具合などによってことなります。

FormWash

イソプロピル・アルコール(IPA)が綺麗な状態で10分が基本となっています。またタフレジン以外の樹脂は基本10分となっています。タフレジンは20分です。

5. スタート

洗浄時間の設定後、Start(スタート)ボタンを押すと洗浄が開始します。

FormWash

6. 洗浄終了とオープン

洗浄時間が終了すると、自動でマウントとバスケットが上がってきます。

7. 乾燥

マウント部分からビルド・プラットフォームを取り出し、作業用キットのトレイの上でモデルに付着したイソプロピル・アルコール(IPA)が気化するまで十分乾燥させます。Form Washに取り付けたまま乾燥させる方法もありますが、イソプロピル・アルコール(IPA)は揮発しやすい液体なため、取り外した方がいいでしょう。パーツが完全に乾くまでには、少なくとも30分掛かります。

Form2 仕上げ

8. サポート除去

十分乾燥した後はサポート材を取り外し完成。必要に応じて研磨や塗装などの後加工を行います。

Form2 仕上げキット 

※注意点
イソプロピル・アルコール(IPA)は樹脂を溶かす効果があります。そのため、10分間以上浸けるとイソプロピル・アルコール(IPA)がモデルに染み込みすぎてしまい、劣化したり、変形したり、割れてしまう可能性があります。

特に薄い造形モデルだと10分間で柔らかくなったり溶けたりします。モデルの形状やサイズによってイソプロピル・アルコール(IPA)に浸ける時間は短くするなど調整してください。

FormWashの最適な洗浄時間

FormWashの洗浄時間は基本は10分と決まっていますが、レジンの種類によって異なります。

樹脂洗浄時間注意
タフ20分樹脂濃度が5%以上の場合、洗浄後に部品表面に粘着性が確認された。
リジッド15分リジッドレジンでプリントしたパーツは、他の材料とは別のバケツで洗浄する必要あり。
グレープロ15分 
キャスタブル10分洗浄後は、すべてのIPAが蒸発してから二次硬化、鋳造を行ってください。
キャスタブルワックス10分洗浄後は、全てのIPAが蒸発してから二次硬化、鋳造を行ってください。空洞などが有る場合には、ポンプなどをつかい完全にIPAを除去してください。
ハイテンプ6分時間厳守。10分以上洗浄するとIPAを吸収する可能性があります。
歯科用SG樹脂5分96%以上のIPAで洗浄してください。洗浄後は完全に乾燥しているか検査し、必要に応じて清潔なIPAで再洗浄します。
歯科用LTクリア樹脂5分96%以上のIPAで洗浄してください。最適な機械的特性を得るためには、IPAで10分間以上洗濯しないでください。
セラミック樹脂5分別の洗浄バケツを使用してください。セラミック粒子が他の部品に付着する可能性があります。
他のすべての樹脂10分樹脂濃度が10%を超えるアルコールで洗浄したときに、部品表面に粘着性が確認された。

洗浄時間を変える場合

洗浄をくりかえしていると、樹脂が溶け出しIPAの濃度が低下します。その場合は、レジンの種類に応じて洗浄時間に5分追加します。Formlabsが行った試験では、溶けだした樹脂の濃度が5〜10%に及ぶと、洗浄後でも十分に樹脂が落ちず部品に粘着性が出始めます。

IPAに含まれる樹脂濃度が約10〜12%になったら交換の目安です。1回のIPAで洗浄できる個数は、部品サイズなどによってことなりますが、約200個まで洗浄することができます。

イソプロピル・アルコール(IPA)の交換方法と目安

洗浄のために用いるイソプロピル・アルコール(IPA)は消耗品です。Form Washでも仕上げ用キットでも、長期間イソプロピル・アルコール(IPA)で洗浄を行っていると、樹脂が溶け出し段々と濁ってきます。この樹脂が混ざり濁ったイソプロピル・アルコール(IPA)で洗浄を行っていると、液体樹脂のべたべたが取れず、洗浄効果が落ちます。

そのため定期的にイソプロピル・アルコール(IPA)の状況を確認し、適切なタイミングで新しいイソプロピル・アルコール(IPA)に変えるか、継ぎ足して濃度を高める必要があります。また、イソプロピル・アルコール(IPA)は気化しやすい物質なため、自然と気化して蒸発すると分量が減少し、更にイソプロピル・アルコール(IPA)の濃度が低下します。

イソプロピル・アルコール(IPA)の濃度チェック

イソプロピル・アルコール(IPA)の交換のタイミングは定期的に濃度をチェックすることで知ることができます。濃度をチェックするためには付属の比重計を使います。

Formlabsが推奨しているイソプロピル・アルコール(IPA)の純度は90%ですが、洗浄や気化によってこの純度がどんどん薄まっていきます。比重計は、この純度がどの程度低下しているのかを調べるためのものです。濃度のチェックはこの比重計をForm Washの洗浄用バケットに入れるだけで簡単に調べることができます。

FormWash
  1. 1. まずは比重計の校正を行います。校正は必ず新しいイソプロピル・アルコール(IPA)で行ってください。Form Washを初めて使用する際か、イソプロピル・アルコール(IPA)を交換するタイミングで行います。
  2.  新しいイソプロピル・アルコール(IPA)が注がれた洗浄用バケットに比重計を入れます。
  3. リングを浮輪が浮いている部分までスライドさせて下げます。これで、90%以上の純度を保っている時の浮輪の位置が固定されました。もし、イソプロピル・アルコール(IPA)の純度が低下した場合、比重が下がりリングの位置が上がることがわかります。
  4. 濃度をチェックする場合には、使用中のイソプロピル・アルコール(IPA)が入った洗浄用バケットに、校正済みの比重計を入れます。
  5. 使用してイソプロピル・アルコール(IPA)の濃度が低下すると、リングがついた位置が上に上がります。この上がったリングの位置が、浮輪についている羽よりも高くなったら交換の時期です。
FormWash

※浮輪の羽の位置

交換の基準となっている浮輪の羽の位置は、イソプロピル・アルコール(IPA)内の液体樹脂の濃度が10%から12%になった場合に設定されています。Formlabsの試験によると、磯プロ内の液体樹脂の濃度が5-10%になると、造形モデルがべたつき、洗浄能力が低下し始めていることがわかりました。校正した比重計のリングの位置が浮輪の羽を超えたら洗浄能力が低下しており交換の適切なタイミングです。

イソプロピル・アルコール(IPA)の廃棄

洗浄能力が低下し、交換したイソプロピル・アルコール(IPA)を廃棄する際には、注意が必要です。イソプロピル・アルコール(IPA)は粘性が低くて難分解性である性質をもち、土壌汚染や地下水汚染を起こすため、産業廃棄物扱いになっており、廃棄は専門業者に依頼しなければなりません。廃棄する際には、お近くの地方自治体などに問合せください。

まとめ

FormWashは、光造形法の課題でもある後処理を飛躍的に効率化してくれる製品です。樹脂の種類ごとに洗浄時間の設定が可能で、終了すると自動でオープンしてくれるため、イソプロピル・アルコール(IPA)へのつけすぎを防いでくれます。

Form 3は高精彩、精密な仕上がりが特長ですが、より高品質な造形を実現するためには、正しい洗浄が欠かすことが出来ません。FormWashはそんな洗浄をより正確に、簡単にしてくれる便利ツールです。

3Dプリント樹脂型デジタルモールド メディカルがグッドデザイン賞を受賞

デジタルモールドの新たな使い方

3Dプリント樹脂型として知られるデジタルモールド®。ものづくりにおける開発プロセスの効率を高め、小ロット量産を可能にする画期的な3Dプリントソリューションだ。

これまでの主な用途は射出成形やプレス成形、ブロー成形用の樹脂型として利用されてきたが、あらたな使い方として医療シミュレーション臓器モデルの製造で注目を集めている。

今回は2019年のグッドデザイン賞を受賞したデジタルモールド メディカルをご紹介しよう。

デジタルモールドメディカル
グッドデザイン賞を受賞したデジタルモールドメディカルで作り出された臓器モデル

さまざまな分野に展開するデジタルモールド

デジタルモールドは有限会社スワニーとストラタシス・ジャパンが取り組む3Dプリント樹脂型で、ストラタシスのPolyJet 3DプリンターJ750デジタルABS材料を使って作り出される。

デジタルABSは強度と衝撃性、耐熱性に優れるABS樹脂の物性を再現したUV硬化性樹脂で、前述したさまざまな金型成形に使用することができる。

ちなみにデジタルモールドのメリットとしては、デジタルモールドを使うことで、試作段階から最終品と同じ素材で確認ができたり、カスタマイズ量産(マスカスタマイゼーション)などが可能となる。

デジタルモールド 教育
3Dプリント樹脂金型であるデジタルモールド®。

デジタルモールド メディカルとは

今回開発されたデジタルモールド メディカルは、これまでの製造プロセスを高度化するものとは一線を画す取組である。

デジタルモールド メディカルはデジタルモールドで臓器モデルを作り出すのだが、成形材料として専用の天然由来成分からなるゲル材料を開発。それを使用して実際の医療モデルとして活用することができる。

またゲル材料の内部には、同じくJ750でプリントした血管モデルが組み込まれ、本物さながらの臓器モデルとして、手術などの練習モデルやシミュレーションモデルとして使用可能だ。

ゲル材料の開発はかんてんぱぱで有名な伊那食品工業が担い、ストラタシスとの連携のもと開発が行われた。

デジタルモールドメディカル
ゲルにより本物に近い見た目質感を再現

従来の手術モデルを変える革新性

このデジタルモールド メディカルの画期的な点は3Dプリント樹脂型と特殊な専用ゲルを使用することで水分を含んだ実物に極めて近い医療シミュレーション用の臓器モデルが作れる点にある。

これにより、これまで動物の臓器や樹脂やフィルムで作られた簡易模型が用いられていた臓器モデルが、より手軽に低コストで利用できるようになった。

デジタルモールドメディカル
デジタルモールドの内部にJ750で造形した血管モデルを入れて作る
デジタルモールドメディカル
ゲルを注入することで、本物さながらの質感を持つ臓器モデルが完成

また、コストや環境面だけではなく、臓器としての再現性もより向上している。
例えば、動物の臓器を使用する場合には調達に時間がかかるだけではなく管理にも手間がかかる。

更に、使用後の廃棄問題や動物愛護の観点からも課題があった。一方また簡易模型では精度や技術習得には不十分であるなど様々な課題が存在する。デジタルモールド メディカルはこうした課題を克服するものとして革新的な価値を発揮するものとして期待される。

設計を担当した有限会社スワニー代表取締役橋爪氏のコメント

有限会社スワニー の代表取締役社長 橋爪 良博氏は今回のグッドデザイン賞の受賞について以下のように述べている。

「医療現場では、コストや精度だけでなく、その安全性や環境といった多様な制限があるなかで人材育成や治療の品質向上といった課題に取り組まれています。今回のグッドデザイン賞の受賞は、未来の医療従事者の育成やより多くの命を救うための機会をより多くの方々に提供するための安全なソリューションが必要とされおり、その価値が認められたのだと感じています。

今後もより多くの医師や研修医、医療機器メーカーなど 様々な医療従事者が、デジタルモールド メディカルを活用したリアルな体験を通じより高い医療技術の習得や医療機器開発のために貢献できればと思います」。

有限会社スワニーの橋爪氏

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント

またグッドデザイン賞審査員は受賞のポイントについて以下のように述べている。「これまでのシミュレーション用臓器モデルと全く異なり、本商品は極めて精巧に美しくつくられているだけでなく、環境や倫理面への配慮があるだけでなく、植物由来ゲルを用いることで低価格を実現しており、まさに市場構造を大きく変えるものである点が高く評価された」。

まとめ

デジタルモールド メディカルは、10 月 31 日(木)から 5 日間にわたり、東京ミッドタウンで開催される展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」において展示される。また、販売は丸紅情報システムズを通じて行われる予定だ。

Form 3とForm 3L の日本向け発売がリリース

Form 3、Form 3Lの日本発売が発表

今年4月に発表され、日本での発売が期待されるForm 3とForm 3L。両機は、全世界5万台以上の導入・4000万パーツ以上のプリント実績を持つForm 2の後継機だ。

本日、9月13日(金) 14:00~15:00に、ベルサール東京日本橋にてFormlabs株式会社から日本向けの発売がリリースされた。

発表においては、米Formlabs Chief Product Officer(最高製品責任者) ダヴィッド・ラカトス(David Lakatos)氏とFormlabs株式会社 マーケティング部 部長 新井原 慶一郎氏が登壇し、発表を行った。

Form 3とForm 3L

実機と多数の造形モデルが公開

Form 3は7月からアメリカで販売を開始され(Form 3Lは予約段階)4月にアメリカで販売が開始していらい様々なフィードバックが寄せられている。

本プレス発表会においては、Form 3による使用事例や、Form 3、Form 3Lの実機展示、造形モデルの数々が公開された。

Form 3とForm 3Lの特長

Form 3とForm 3Lは全世界5万台、日本でも2千数百台以上の導入実績を持つForm 2の後継機だ。Form 2の発売が開始されてから3年、満を持して登場することとなる。

Form 3とForm 3LはForm 2同様SLA方式の光造形3Dプリンターだが、今回さまざまな改良点を備えてリリースされた。その機能と精度はデスクトップと低価格で産業用クオリティを実現するもので、次世代型3Dプリンターといっても過言ではない。

新たに搭載したLFSテクノロジー

今回の記者発表では、まず初めにForm 3とForm 3Lが搭載する新たなテクノロジーLow Force Stereolithography(TM)(以下LFS 、剥離力を低減した光造形方式)が発表された。

このLFSテクノロジーとは、従来のSLA方式、レーザービームを液体状の紫外線硬化性樹脂に照射する方式と何が異なるのだろうか。

Form 3, Form 3L 記者発表会

LPUユニット。レーザービームをユニット化

従来のForm 2との最大の違いがレーザービームの照射方法だ。今回Form 3とForm 3Lでは、レーザービームをユニット化している。

これにより平面のどの部分も垂直にレーザービームが照射され、XY面で25ミクロンの造形精度を実現している。

従来のForm 2では、ガルバノミラーにレーザーが反射して照射されるが、造形の場所によっては垂直にレーザーがあたらず、造形精度に微妙なバラつきが出てしまう可能性があった。

また、Form 3ではレーザービームのスポットサイズを85ミクロン(Form 2は120ミクロン)に小さくすることで、より高精細な造形が可能である。

Form 3, Form 3L 記者発表会

フレキシブルレジンタンク

そしてLFSテクノロジーのもう一つの核となるのがフレキシブルレジンタンクだ。レジンタンクの底面を柔軟にすることで、積層中の剥離力を低減、より滑らかな仕上がりを実現している。

Form 3 フレキシブルレジンタンク

Form 2から進化したポイント

LPUユニットとフレキシブルレジンタンクの搭載によって、Form 3とForm 3LはForm 2からどのような点が進化したのだろうか。大きく分類すると3点に集約される。

高精細がUP

第一が、高精細さが増しているという点である。レーザービームのスポットを85ミクロンにし、ユニット化することで、更に精密で高精細な造形を実現できることとなった。

滑らかさがUP

第二が、滑らかさの実現である。3Dプリンターは積層造形といわれ層と層の密着によって物体が形成されるが、Form 3とForm 3LはLFSテクノロジーによって一層一層の表面が完璧に平面になり、継ぎ目のない金型で作ったような滑らかさを実現している。

サポート除去が簡単

第三に、おおきな改善点の一つがサポートの除去である。サポート材の除去は3Dプリンター全体の課題といっても過言ではないが、Form 3とForm 3Lではサポート材のタッチポイントがより小さくなり、除去もより簡単になっている。

またその後の後加工(研磨や塗装)も簡単になっている。

From 3 sapport

Form 3、Form 3Lの今後の展開について

Form 3とForm 3Lの今後の展開だが、Form 3は2019年末の出荷開始で本体価格は57万5千円(税抜き)、Form 3Lは出荷開始時期、販売価格共に未定。

Form 3、Form 3Lのくわしい情報や、お問合せ・お見積り・先行予約については下記専用ページをご参照ください。

3Dプリンター用 ポリプロピレン(PP)ライクレジン完全ガイド

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンとは

3Dプリンター用のポリプロピレン(PP)ライクレジンは、熱可塑性樹脂のポリプロピレンの強靭な物性を再現したUV硬化レジンです。

ポリプロピレン(PP)は、工業製品に多用されているプラスチック素材で、ケースやバケツなどの容器から、家電製品、文房具などの筐体、自動車用のパーツなど、幅広い分野に使用されています。

それはポリプロピレン(PP)が持つ、耐衝撃性、耐摩耗性、耐久性といった強靭な性質によります。

しかし、その一方で、金型と同じ材料が扱えるFDM®(熱溶解積層法)3Dプリンターの材料としては再現が難しく、3Dプリンターでポリプロピレン(PP)の物性を発揮したい場合には、ポリプロピレンライクのレジンが最適です。

ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、UV硬化樹脂で、光造形法(SLA)の3Dプリンターの材料として使用することができます。

光造形法(SLA)3Dプリンターは滑らか、高精細な仕上がりが可能で、ポリプロピレン(PP)ライクレジンを使用することで、見た目も質感も本物のポリプロピレンそのままの機能、質感をつくることができます。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンの特長

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンの特長は、ポリプロピレンの特性をした高強度、耐衝撃性、耐摩耗性、耐久性です。

また、ポリプロピレン(PP)ライクは、液体ベースのUV硬化レジンであるため、光造形3Dプリンターとあわさることで、滑らかで高精細な造形が可能です。さまざまな工業製品の材料として多用されるポリプロピレン(PP)製品のプロトピングに最適な材料です。

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンの特性

  • 耐衝撃性に優れる
  • 耐摩耗性に優れる
  • 強度・耐久性に優れる
  • 積層跡が目立たない滑らかな仕上がり
  • 高精細で精密な造形ができる

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンでできること

3Dプリンター用のポリプロピレン(PP)ライクレジンは、光造形3Dプリンターの材料として使用できることで、高い寸法精度、ポリプロピレン(PP)の物理的強度を再現することができます。

これによって、ポリプロピレン(PP)製品の見た目だけではなく強度や耐久性といった機能性試験にも利用することができます。

試作品の精度向上

ポリプロピレン(PP)ライクレジンが使える光造形3Dプリンターは仕上がりは積層跡がほぼ目立たない滑らかな仕上がりが可能です。

また切削加工などでは難しい高精細な形も作ることができ、プロトタイピングの段階から高い精度の試作品を作ることができます。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

製品開発のリードタイムを短縮

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンを製品開発に取り入れることによって、製品開発のスピードを圧倒的に短縮することができます。

これまでポリプロピレン(PP)製品の試作は、切削加工で作られていましたが、光造形(SLA)3Dプリンターでつくることで、高品質な最終品に等しいプロトタイプが可能です。

そのスピードは、外注による切削加工であれば1週間から数カ月の期間がかかりますが、3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンであれば、数時間から数日ほどで作ることが可能で、リードタイムを大きく短縮することができます。

また光造形(SLA)3Dプリンターの滑らかな仕上がりと、ポリプロピレン(PP)の強度、耐衝撃性、耐久性、耐摩耗性を再現した試作品で、製品開発の精度を上げ、より効率的に進めることができます。

製品開発のコスト削減

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンで製品開発を行うことで、コスト削減にもつなげることができます。

切削加工では、ポリプロピレン(PP)のブロック状の板材から削り出すため、ブロックごとの材料費がかかります。しかし、3Dプリンターであれば、プリントに必要な量の材料しか使用しないため、無駄な材料がかかりません。

また、ポリプロピレン(PP)ライクレジンが使える光造形3Dプリンターは仕上がりが滑らかで、高い寸法精度を誇るため、造形後の後加工も必要ありません。

複数の試作品を作っても時間が変わらない

複数の試作品を作る場合に、光造形法(SLA)3Dプリンターは大きな力を発揮します。

光造形法(SLA)3Dプリンターは、紫外線レーザーを高速または面で照射して固めていく手法なため、1個プリントするのも、複数プリントするのも作る時間は変わりません。

(光造形法のDLP、インクジェットは、面で紫外線が照射されるため、全く造形時間が変わらない。SLA方式はレーザーがビーム状なため、複数作る場合に若干1.1倍~1.8倍ほど時間が増える)

複数の試作品、プロトタイプを作る場合には、切削加工だと、個数分の時間がかかりますが光造形(SAL)3Dプリンターであれば1度に複数作ることができるため、更にリードタイムの短縮と試作精度の向上につなげることができます。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンで作れるもの

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)レジンは、ポリプロピレンの見た目と物性をシミュレートする機能性プロトタイプを作ることができます。また、高い強度や耐摩耗性を利用し、さまざまなツールを作ることができます。

スナップフィット

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、スナップフィットをつくることができます。

スナップフィットは、材料の弾性を利用してはめ込む接合方法のことで、部品に凹凸部を作ってはめ込んでひっかけます。ポリプロピレン(PP)ライクレジンが持つ高い強度と耐摩耗性は、スナップフィットに最適です。

リビングヒンジ

リビングヒンジ

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、リビングヒンジもつくることができます。

リビングヒンジとは、パーツを破損することなく折り曲げることができるパーツのことで、代表的な存在が開閉してとめる蓋などがあります。こちらもポリプロピレン(PP)ライクならではのつくれるものです。

ハウジング・カバー

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、ハウジングにも最適です。ハウジングとは機械装置などを保護する筐体のことです。

主に高い密閉性と外部からの衝撃などから保護する役割を持ち、自動車の変速機やコンプレッサーの保護カバー、水中カメラの保護カバーなどがあります。

ポリプロピレン(PP)ライクの高い耐衝撃性や強度、寸法精度はハウジング・カバ-に最適です。

リビングヒンジ

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンの種類

3Dプリンター用のポリプロピレン(PP)ライクレジンは、紫外線を照射して硬化するUV硬化レジンです。形状は液体で、使用できる3Dプリンターは光造形法(SLA)が中心です。

家庭用(低価格)3Dプリンターのポリプロピレン(PP)ライクレジン

家庭用(低価格)3Dプリンターでポリプロピレン(PP)ライクレジンは、光造形(SLA)3Dプリンターで使用することができます。

中でも代表的な3DプリンターがFormlabsのForm 2、そしてその後継機であるForm 3です。

Form 2は、全世界5万台以上の販売台数を誇り、4000万を超えるパーツプリント実績がある高品質3Dプリンターで、ポリプロピレン(PP)ライクのレジンを初め、さまざまな特性を持つレジンがそろっています。

またその後継機であるForm 3は、次世代型光造形技術ともいえるLFSテクノロジーによって、滑らかさと高精細さが進化しています。

Form 3, Form 3 L, Formlabs
注目が集まるForm 3とForm 3 L

デュラブルレジン(Formlabs)

Formlabsのポリプロピレン(PP)ライクの材料がデュラブルレジンです。デュラブルレジンは、耐久性、耐衝撃性、耐摩耗性に優れる強靭な材料で、高いひずみに耐えるように開発されました。

こうした特性によってデュラブルは破損することなく折り曲げが可能な材料です。

ポリプロピレン(PP)や高密度ポリエチレンのプロトタイプモデルや、ボールジョイントなどのような低摩擦面を必要とするパーツ、剛性と柔軟性を兼ね備えた部品、スナップフィットなどに使用することができます。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン
ポリプロピレン(PP)ライクレジンが向いているもの:
  • 高い衝撃強度が必要な部品
  • ポリプロピレンやHDPE(高密度ポリエチレン)のプロトタイピング部品
  • ボールジョイントなどの低摩擦の表面を必要とする部品
  • 剛性と柔軟性の両方を備えた部品
  • スナップフィット部品
ポリプロピレン(PP)ライクレジンが向いていないもの:
  • 非常に細かい部分がある部品
  • 高温環境で使用される部品
  • 一定の負荷がかかる部品
ポリプロピレンとデュラブルの物性比較
デュラブルポリプロピレン
引張強度(Mpa)31.825~40
引張弾性率(Gpa)1.261~1.5
伸び(%)49100~400
曲げ弾性率(Gpa)0.821~1.5
アイソッド衝撃強度(j/m)109 100~160
HDT @ 0.45 MPa(°C)43.370~80

ポリプロピレン(PP)ライクレジンのケーススタディ

ここからはFormlabsのデュラブルレジンを中心にポリプロピレン(PP)ライクレジンの具体的なケーススタディをご紹介します。

FormlabsのForm 2は全世界5万台の導入実績があり、ポリプロピレン(PP)ライクレジンであるデュラブルはさまざまな用途に使用されています。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

ロボット用ブラケットとして炭素繊維の仕分け作業にデュラブルレジンを活用

Formlabsのデュラブルレジンの持つ特長の一つが高い衝撃性と靭性です。特にデュラブルレジンは引張強度などがポリプロピレンの物性を忠実に再現していることから、繰り返し作業などに使用されるパーツ製造に最適です。

シェフィールド大学先端製造研究センター(AMRC)複合材料センターでは、複数の炭素繊維シートを積み重ねることで、自動車や航空宇宙産業での利用を研究しています。

その際、炭素繊維シートを手作業で積み重ねてしまうと個体差やバラつきが出てしまうため、5軸ロボットアームによる自動化と均一化を図っています。

この5軸ロボットアームの先端には空気圧で炭素繊維シートを吸い上げ、積み上げる機能があるのですが、この空気圧グリッパーのブラケットが度重なる使用によって曲がる傾向にあったのです。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

従来のブラケットは溶接によるアルミ製でしたが、曲がることによって生じる精度のずれや、ロボットアームそのものの故障に繋がることから代替パーツの利用が検討されたのです。

その際、候補に挙がったのがデュラブルレジンです。新たに開発されたブラケットはデュラブルレジンの持つ弾性と3Dプリンターに最適化されたデザインによって、コスト効率もよく繰り返し反復に使用することが可能となりました。

Form 3のプラスチック部品生産とデュラブルレジン

Form 2の次世代機として注目されているForm 3ですが、海外ではその利用が既に開始されています。

それがプラスチック部品の生産です。Form 3は、独自のLFSテクノロジーによって、いわば光造形(SLA)3Dプリンターの進化版として、産業用レベルの性能を実現しましたが、ジャストインタイムの生産システムとして利用が期待されます。

そのデモンストレーションとして行われたのが、Formlabsがインダストリー4.0の体現として推進するデジタルファクトリの取組です。

今回はシングルステーションラジオであるThe Public Radioのパーツの生産です。この取組ではラジオステーションと希望するノブのスタイルを選択でき、デザインにあわせてドアノブがForm 3によってプリントされるというもの。

デュラブルレジンが使用されたのはアッセンブル用の樹脂インサート部分で、ネジ構造で止められる形状です。ポリプロピレンの持つ高い耐久性を再現したデュラブルレジンでは、インサート部品やスナップフィット構造に最適な性能を発揮します。

Form 3では一度にプラットフォームに81個プリントすることができ、小ロット生産用としても機能し始めています。

3Dプリンター用PP(ポリプロピレン)ライクレジン

ポリプロピレン(PP)ライクレジンの仕上げ

ポリプロピレン(PP)ライクレジンで3Dプリントした後は、洗浄と二次硬化が必要です。

洗浄と乾燥

デュラブルレジンは、造形後に洗浄が必要です。3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンは液体なため、造形モデルに余分なレジンがこびりついています。

このレジンを取り除くためには、専用の溶剤(IPA:イソプロピルアルコールもしくはエタノール)で十分に洗浄する必要があります。

Formlabsのデュラブルレジンだと、IPA(イソプロピルアルコール)で20分間浸し洗浄をおこないます。付属の仕上げキットを使用し、一つのバスケットで10分、もう一つのバスケットで10分、合計20分洗浄します。

また自動洗浄機FormWashを使用する場合にも20分間洗浄を行います。
洗浄後はIPAがなくなるまで十分に乾燥を行います。

二次硬化

デュラブルレジンは、造形後に二次硬化が必要です。二次硬化することで、層と層の半密着部分が完全にくっつき、ポリプロピレン(PP)本来の強度、耐久性、耐衝撃性が発揮されます。

二次硬化を行わないとデュラブルレジンが持つPPの物性は再現することができません。
二次硬化専用機であるFormCureを使用し、FormlabsのPPライク樹脂(レジン)であるデュラブルは、60℃の温度で60分二次硬化を行います。二次硬化を行うことで、デュラブルレジンは弾性率(ヤング率)が131%向上します。

二次硬化専用のFormCureは時間と温度を設定するだけで後はボタンを押すだけです。

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンの注意点と対策

3Dプリンター用のポリプロピレン(PP)ライクレジンは、UV硬化レジンです。光造形法の家庭用(低価格)3Dプリンターの材料として使用する場合には注意点があります。

UV硬化レジンは、液体の状態からUV光(紫外線)が照射されることで、硬化し固体になっていく特性を持っています。そのため適切な保管や造形後の後処理が必要です。

紫外線を避けて保管する

3Dプリンター用のポリプロピレン(PP)ライクレジンはUV硬化レジンなため、外部の紫外線にさらされると硬化してしまいます。そのため、保管する際には、必ず遮蔽して紫外線があたらない状態にする必要があります。

まとめ

3Dプリンター用ポリプロピレン(PP)ライクレジンは、ポリプロピレンのもつ強度や靭性、耐衝撃性を再現することで、機能性試験用のプロトタイプから治具、工具、パーツなどの生産に利用することができます。

ポリプロピレン(PP)は、FDM (熱溶解積層法)のフィラメント材料では利用ができないため、UV硬化レジンで物性を再現したPPライクという形がおススメです。

また全世界最多の導入量を誇るFormlabsのForm 3とポリプロピレン(PP)ライクであるデュラブルレジンを使用すれば、最終品さながらの高品質なパーツを作ることができます。

きっとものづくりのプロセスを向上し、インダストリー4.0時代のデジタルものづくりを実現してくれることでしょう。