リサイクル3Dプリントでレゴのように組み立て可能なおもちゃIKOS

高校生が考えたリサイクルビジネス

以前にもなんどかご紹介させていただいたが、アメリカはプラスチックのリサイクル率が極端に低い国だ。経済や技術などでは先進国の中でも最先端を走る国だが、環境問題に対する意識は低い。

産業廃棄物によるCO2排出問題や、環境汚染など、この巨大な国土でしばしば問題しされる声も多い。 しかし、最近では一部の有識者や、一部の起業家たちの間で、産業廃棄物として最もリサイクル率がひくいプラスチックを使ったリサイクルビジネスが立ち上がるケースが増えてきている。

そんな中、ユタ州の学生によるプラスチックのリサイクルビジネスが立ち上がった。

この若い学生たちによって開始されたプロジェクト「IKOS」は産業廃棄物であるプラスチック容器を再利用し、3Dプリンターの素材として使用することで、レゴのような組立可能なおもちゃを作って販売するものだ。

ちなみにアメリカのプラスチックリサイクル率は20数パーセントと極めて引くのが現状。 この「IKOS」では主にアメリカの牛乳容器などに使用される高密度ポリエチレンを再利用し、デスクトップ3Dプリンター用の材料として再利用する。

再利用されたプラスチックで形成されるものは一言で表現すると球体のパズルで、ユーザーは思い思いの構造物をつくることが可能だ。 まさに現代版3Dプリントレゴブロックともいえるこの斬新なアイデアは3人の高校生によって考え出されたモノで、特許申請中の状況にある。

彼らはこのアイデアを実際のビジネスとして実現するため、クラウドファンディングサイトキックスターターで資金調達を行なっている最中だ。下記は「IKOS」に関する動画と様々な構造物。

「IKOS」動画

3Dビューア

3次元のレゴブロックのよう

組み立てられた様々な構造物    

まとめ

キックスターター上では既に、目標金額である21000ドル(約210万円)に到達する勢いだ。製造は100%リサイクルで、国内のリサイクル業者で3Dプリンター用の材料に再生成される。

調達資金の主な用途はこのリサイクル用に充てられるとのことだ。 現在モデルとして公開されているのが、赤、白、黒の3色だが、将来的には様々な表現が可能になるだろう。

3Dプリンターの性能は年々向上しており、特にプラスチック3Dプリンターはフルカラーで製造できるものも登場しつつある。 こうした性能向上は更なる価格低下をもたらし、より手軽に3Dプリント技術を利用することが可能だ。

こうした価格低下はあらたな事業を始めようとする起業家を後押しすることにつながり、高校生やもっと下の子供でもアイデアと技術力があればビジネスを立ち上げるチャンスがますます増えるだろう。「IKOS」の事例はそんな起業の層の厚さを感じさせる取組だ。

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