Fablab出身の企業drawnは家具を巨大ロボットアームで3Dプリント

個人のモノづくりの自由な発想

3Dプリンターの急速な普及にともなって、個人のモノづくりという動きが盛んになりつつある。

モノづくりの世界はそんなに簡単な世界ではないが、「いいものを作りたい」「人に価値のあるものを作りたい」という思いは、誰でも持つことができるし、そんな思いを実現することができる時代になりつつある。

そんな個人のモノづくりPersonal Fabricationを推進し、広めていく活動として有名なのがFablabだ。Fablaは全世界で展開する「ほぼあらゆるもの」を作ることを目的としたワークショップ。

日本でも続々と拠点が増えており、既に8カ所にオープンしている。もともと、マサチューセッツ工科大学MITメディアラボが行っていた研究が基点になっているが、今ではモノづくりに興味がある多くの人々を集める大変意義深い活動だ。

そんなFablabから企業が生まれたり、新しい商品開発も多く生まれているが、本日ご紹介するフランスの企業drawnもそのうちの一つ。

フランス第二の都市と言われるリヨンで行われたFablabで知り合った二人が作った会社だ。このdrawnだが、何と、巨大なロボットアームによって家具を3Dプリントするというビジネスを開始している。

2012年Fablabでであった二人が開発

巨大ロボットアームによる3Dプリンター

近年3Dプリンターの性能は飛躍的に向上し、高速生産が可能なものから、様々な素材に対応したものまで多くの3Dプリンターが登場している。

また、製造する物体の大きさも従来の概念を超える3Dプリンターが登場している。本日ご紹介するdrawnの3Dプリンターも家具を作れてしまう巨大な3Dプリンターだ。下記はdrawnが開発した巨大ロボットアームの3Dプリンター動画。

巨大ロボットアームの3Dプリンター ガラテアの動画

ガラテアによって作られたさまざまな家具類

この巨大ロボットアームの3Dプリンターは、ギリシャ神話に登場する彫刻家ガラテアにちなんでガラテアとつけられている。2012年のFablabで知り合って以来2年かけて完成させたものであり、これにより椅子やテーブルといった家具類の3Dプリント製造を行う予定だ。

家具のカスタマイズ製造が開始される

このガラテアを使うことで、新たに展開されるビジネスは今、一般的な商品で起きているのとおなじことが言えるだろう。

例えば個人の要望に応えることができる家具のカスタマイズ製造ができたり、多くのインテリアデザイナーが自分の作品を販売することができるようになる。

ShapewaysやSculpteoなどの多くのデザイナーが登録する3Dプリントサービスと同じように家具の3Dプリントサービスや、クラウドによる受発注が可能になる。

まとめ –インテリアデザインの可能性拡大-

drawnが開発した巨大ロボットアームの3Dプリンターはどのように展開されるかはまだ言及されていない状況だ。

3Dプリンターの製造販売なのか、それもと家具のカスタマイズ製造なのか、現在の所は明らかにされていない。また、動画を見る限りだと、一般的なFDMタイプの製法であることから、作られた家具にFDM製法の特徴である積層状がみえてしまうようだ。

こうした点は、エンドユーザー向けに家具を販売する場合には改善される必要があるし、今現在は、途中経過の発表のようにも思われる。

このような細かい造形精度の向上や、技術的改善点はいまだ残るにしても、これによりインテリアの分野における製品開発は新たな段階に入るかもしれない。

データから直接成形するという特長から、これまでの製法で作ることができなかった商品がデザインされたり、量産コストを考えることなく、単品製造が可能になるためだ。3Dプリンターの技術的向上はまだ始まったばかり。今後更なる分野に影響を与えそうだ。

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