広がる教育機関への3Dプリント技術の導入
世界中の大学機関に3Dプリント技術の導入が加速している。
日本でも慶応大学に自由に利用できる3Dプリンターが配備されたり、専門学校などではかなりの台数の3Dプリンターが導入されている。
日本は教育機関への3Dプリント技術の導入に力を入れているが、アメリカも同様に教育機関への強化は進んでいるようだ。
特にMakerBotをはじめとして、大学レベルだけではなく、中学、高校への3Dプリンターの導入も推し進めている。
こうした教育機関への導入は、3Dプリント技術に対応できる将来的な人材を育成し、自国の製造業を高めることが目的だ。そのため、中学、高校ももちろんだが、より専門分野として研究ができる大学機関への導入が急務と言える。
こうしたことから、各国が躍起になって予算を投下し、3Dプリンターの導入費用に充てている。
また、単純に3Dプリンターを導入して学生への利用を促すだけではなく、新しい製品開発を生み出すイノベーションセンターとしての役割も持たせ、製造業の研究開発機関の拠点としての位置づけが強いのが特長だ。
今回はフロリダ州立大学のイノベーションセンター設立をご紹介。
3Dsysmtesが3Dプリンターを寄贈
フロリダ州立大学は1851年に設立された総合大学で、フットボールの強い大学としても有名だ。
今回新たに導入されたのは3Dsystems社製の3DプリンターCube3DプリンターとCubePro、そして3Dスキャニングシステムだ。
3Dsystemsはこれらの製品をフロリダ州立大学のイノベーションラボに寄贈したという。
フロリダ州立大学のイノベーションラボでは次世代のモノづくりに対応できる人材を育成するための核として、3Dデザインと3Dプリント技術ととらえ、実地習得を学生にしてもらうことを目的としている。
特にアメリカの製造業の間では、海外での製造工場から、自国での製造に回帰する動きが今後加速していくとみられており、自国製造の核になる部分が労働力ではなく、3Dプリント技術を使いこなせる人材、との見方が強いためだ。
フロリダ州立大学のイノベーションラボと、コミュニケーション·情報学部は、今回の3Dsystemsからの寄贈が、学生に大きな影響与え、これからの製造業に大きく貢献できると発表している。
3Dsystemsのcubepro
フロリダ州立大学
まとめ
3Dプリント技術の教育機関への導入は今後も更なる拡大がなされるだろう。
こうしたデジタル技術に対応するだけではなく、縦横無人に使いこなせる人材を育成することが、今後の国の競争力を高める源泉になることは言うまでもない。
また、何がその国の競争力の核になるのかという点を突き詰めた上で、技術や設備を導入する必要がある。
特にアメリカやイギリス、シンガポールといった諸国が、大学機関だけではなく、中学校、高校といった幅広い学年にわたって3Dプリント技術を導入し、カリキュラムに組み込んでいることは、自国の産業構造に直結し、それを高める人材が必要だからだ。
あくまでも自国の産業構造を見極めたうえで、次世代に対応する動きが必要となる。ただやみくもに導入すればいいわけではない。
欧米諸国にはそこに明確な10年先20年先あるいはもっと先の時代を見据えた戦略があったうえで現在の教育機関への投資と、政策がなされているとみるべきであろう。
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