3Dプリント展レポート④ Form2の新型レジンとレーザー焼結3Dプリンター Fuse 1の造形サンプルが登場

高精彩で幅広い材料が扱えるForm2と期待が集まるレーザー焼結3Dプリンター

デスクトップタイプの光造形3Dプリンターで圧倒的なクオリティを誇るのがForm2だ。高精彩の優れた造形精度に加え、ジュエリー鋳造用のキャスタブルレジンや、ABS樹脂のような耐久性を持つタフレジン、ゴムのような柔軟性を持つフレキシブルレジンポリプロピレン(PP)を再現したデュラブルレジン、更には高耐熱のハイテンプレジンまで豊富なラインナップを誇っている。

そんなForm2が今回の展示会では、新たな樹脂と、レーザー燒結法の3Dプリンターとして注目されるFuse 1の造形サンプルを展示している。今回は弊社のパートナー企業であるデジタルファクトリー株式会社のブースからご紹介しよう。

CMYKWの5色掛け合わせでカラー表現は無限大

まず初めにご紹介するのが、Form2のレジンのカラーバリエーションだ。スタンダードレジンは、現在、ブラック、ホワイト、グレイ、クリアの4色が利用できるが、これに新たに5色の染料を使い、自由に調色できるカラーキットが登場した。

こちらのカラーキット、CMYKW(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック、ホワイト)の5色の色を掛け合わせることで、無限大に色味を表現することができる。いわゆるCMYKのインクを掛け合わせて表現する二次元印刷の三次元版だ。Form2の樹脂は一般的に1リットルだが、こちらは800ml入った専用カートリッジに染料を混入して使用する。

Form2のスタンダードレジンは、高精彩で滑らかな仕上がりができるのが特長だ。また、引張強度と剛性は、射出成形もしくは3DプリントされたABS樹脂を上回るともされている。カラーバリエーションが加わることでよりものづくりの幅が広がることなる。

滑らかな仕上がりと強度を誇るスタンダードレジン(グレイ)

セラミックレジンの登場

Form2の新型材料の中でも画期的な存在がセラミックレジンだ。セラミックはセラミックスともいわれ、一般的には陶器や磁器のことを言う。その造形方法は、古代から変わらず加熱することによって焼き固める焼結がとられる。近年ではセラミック専用の3Dプリンターなどが開発されているが、Form2の画期的なのはこれを光造形法の樹脂と組み合わせて開発した点にある。

光造形法の樹脂は紫外線を照射することによって固まる光硬化性樹脂がベースとなっており、形状は液体だ。Form2では、このフォトポリマー樹脂にセラミックの微粒子を配合することで、光造形法で造形することに成功している。このセラミックレジンは、そのままでも使用できるが、造形後、窯で焼結することで樹脂素材が焼失し、セラミックの粒子だけが焼き固まるため、セラミックの造形品としても利用することができる。こちらのセラミックレジンも、Form2でのものづくりを広げてくれる新たな材料だ。

こちらはセラミック材料と共に展示されたガラス材料。

レーザー燒結法の3DプリンターFuse 1の造形サンプルも展示

Formlabsでもう一つ注目が集まるのがレーザー燒結法(SLS)による3Dプリンター Fuse 1だ。Fuse 1は、現在アメリカ本国で開発中だが、造形サンプルを今回の展示会では見ることができた。

レーザー燒結法は2014年に特許が満了となった技術で、金属3Dプリンターの造形方法としても有名だ。レーザー燒結法については「金属3Dプリンターの原理と仕組み、製法と種類を一挙公開」で詳しくご紹介しているが、材料としては金属粉末以外に、ナイロンポリアミドのパウダー素材も使用することができる。

Fuse 1では現在、ナイロン12(PA12)で3Dプリントが可能だ。ナイロンは、優れた靭性と引張強度、耐摩耗性に優れる材料で、特にナイロン12は、一般的なナイロンであるナイロン6を更に強化し、耐衝撃性や耐寒衝撃性を高めた素材。また吸水性も低く、工業用としては自動車や航空宇宙産業で広く使用されている。

Fuse 1では、165 x 165 x 320 mmの造形サイズで、より大きな部品を作ることができる。このナイロンパウダーが扱えることで、工業用のパーツやプロダクトの3Dプリントも可能となるだろう。

まとめ デスクトップのものづくりが驚くほど広がる

Form2は、デスクトップタイプの光造形3Dプリンターの中では、圧倒的な高精彩を誇る機種だ。

また材料バリエーションも幅広く、ジュエリー製造などに使用されるロストワックス鋳造用のキャスタブルレジンから、高耐久性のタフレジン、一般消費財などのプロダクトでは人気のデュラブルレジン(ポリプロピレンライク)など、ものづくりのあらゆるシーンで利用することができる。

また、今回のカラーキットやセラミックレジン、更にはレーザー燒結法のFuse 1の登場によって、その使い方はさらに広がることだろう。

Form2については、今後も使い方やその特長など、さまざまなコンテンツをご紹介してまいります。

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Form2は、Form3Form3Lの登場によって、現在生産を中止しております。(新古機のご案内のみ)。Formlabsの3Dプリンターは、進化した次世代型3DプリンターForm3とForm3Lをお求めください。

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