靴の3Dプリント生産が本格始動
3Dプリンターで個人の体にフィットするカスタマイズ製造が本格始動し始めている。もともと医療分野では当たり前であった個人の体型にフィットするカスタマイズ製造だが、ここのところさまざまな商品の生産に利用されている。
とりわけ足周り、インソールや靴といった商品では他の業界に一歩先んじて3Dプリンターを取り入れ始めている。本日ご紹介するFeetzもそのうちの一つ。今年の2月に3Dプリンターによる靴のカスタマイズ製造を発表したが、数多くの試作製造を経てようやくサービスが本格始動し始めたとのことだ。本日は靴のカスタマイズ製造をおこなうFeetzをご紹介。
2月のリリースのときのFeetzの記事はこちらをどうぞ
素材と独自3Dプリントの研究でサービスの幅を向上
Feetzが開始した靴のカスタマイズ生産だが、専用のアプリケーションで自分の足の写真を三方向から撮影し、データをFeetzに送るというやり方をとっている。始めは4種類の靴から好きなタイプのデザインを選択し、個人個人のサイズにフィットしたものをわずか1週間で納品してくれる。人間の足は左右によっても微妙にサイズや形状が異なるが、3Dプリンターで生産すれば、1個単位からつくることが可能なため、左右それぞれの形状に完璧に適合した靴を手に入れることができる。
Feetz動画
4種類のタイプから選択し、カラー、サイズ、形状など全てをカスタマイズ




多少FDMの積層具合が気になる仕上がり

耐久性テストは十分行い、500マイル(約800km)までの耐久力は担保している

Feetzが現在使用している3DプリンターはFDMタイプの独自の3Dプリンターだが、今後さらに複雑なデザインが提供できるように3Dプリント技術を開発しているところだ。また、靴の素材といえばなんといっても主流なのは革になる。本物の革での3Dプリント製造は不可能だが、革素材に見えるような素材として新たにセラミックを複合した新素材も独自開発するとのこと。そうなれば従来の革素材とは異なり、見た目はそっくりで同時に革素材にはない通気性を実現することができる。
使用する独自3Dプリンター

まとめ
Feetzが公開した3Dプリントされた靴だが、多少FDMの粗さがめだつものの、かなりのレベルまで精度が上がっていることが分かる。また、特筆すべき点は自分たちで素材の研究開発と3Dプリント技術を開発しているところだ。
今後、オンラインやスマートフォンのアプリケーションでデータ送信、3Dプリンターで製造され納品されるというサービスは当たり前のように普及していくと思われるが、そのようななかにおいて競合他社に打ち勝つのは、独自の技術や独自の商品力を持つことだと思われる。そのためFeetzがおこなう革のような素材開発や、より細かいデザインを可能にする3Dプリント技術の開発は、大きな差別性に繋がるに違いない。
既に多くの3Dプリントカスタマイズを販売するECサイトは続々と登場しているが、今後は独自性を持ち、尚且つ特定分野に特化した3Dプリントサービスが大きな力を持ってくる。
靴やインソールの3Dプリントカスタマイズの記事はこちらをどうぞ
- インソールを3Dプリント製造するSOLSが640万ドルの追加資金を調達
- スペインの3Dプリント材料メーカーが折り曲げ可能なスニーカーを3Dプリント
- ナイキがたった1カ月でアメフト用スパイクの改良版を発表 -3Dプリントで製品改良のスピード向上-
- 3Dプリント技術で製造体制とサプライチェーン変革を図るプーマ
- アディダスの最先端製造改革 3Dプリントでスニーカーのカスタマイズ
- ユナイテッドヌードは靴の3Dプリントデモンストレーションを旗艦店で開始
i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1、Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。