靴の3Dプリントカスタマイズで世界展開を狙うFeetz

シューズの3Dプリントカスタマイズ

3Dプリンターが最も適している製品として、人間が身に付けるものが挙げられるだろう。人間の体は千差万別で、一人として同じ形状をしていることはない。こうした点から、医療分野において3Dプリンターは早くから注目され使用されている。耳にはめる補聴器やインプラントなど、その人その人にあった形状のものを1個単位でつくることができる。

こうした3Dプリンターの使用方法が拡大することは自明の理で、足にフィットするシューズや足裏にはめるインソールでは既に3Dプリントサービスを開始する企業が登場してきている。本日ご紹介するFeetzもそのうちの一つ。以前もご紹介したが、彼らは靴の完全な3Dプリントカスタマイズ生産を目指している新たなメーカーだ。

現在はベータ版の公開のみだが、改めてその概要をご紹介しよう。ナイキなどの大手シューズメーカーも3Dプリンターをシューズの製造に取り入れる中、これからの展開に注目が集まりそうだ。

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デザイン、機能性、フィット感、スタイル全てをアプリで3Dカスタム

Feetzは、2013年創業のアメリカテネシー州に本拠を置くスタートアップ。2年前の3Dプリントカスタマイズシューズの発表以来、着々と準備に取り組んでいる。彼らの目指すところは、3Dプリントと独自開発したアプリケーションによって、あらゆるシューズをその人に最適な形、デザインにカスタマイズして届けることだ。

その種類は70億種類にも及ぶとされている。ユーザーはFeetzが提供するスマートフォン専用のアプリケーションで写真を3枚撮影するだけ。その写真を下に、好きなシューズを選び、デザインをバーチャル上でカスタマイズすることができる。カスタマイズの内容は、形、機能、フィット感とスタイルといった部分で、いわばシューズに求められるファッション性と快適性両面をその人の満足がいくものにするというわけだ。

このアプリケーションの開発と3Dプリント製造のため、シューズ設計やソフトウェアアプリケーション、3Dプリントの専門を持つ10名のスタッフが開発を行っている。

スタイルにあわせて全てカスタマイズ

全世界で靴のローカル製造の可能性

現在Feetzはサービスの本格オープンを2015年度中に開始することを予定しているが、その形態は全世界に及ぶ可能性が高い。サービス開始の当初はアメリカ国内における製造と販売だが、将来的には3Dプリンターと3Dデータによって、全世界に拡大することを狙っている。既にローカルモーターズのように地域のローカルファクトリーにおいて、3Dデータを元に自動車を3Dプリント製造しようという動きが登場しているが、Feetzもサービスの特性からそうした展開は容易に思いつく。

世界展開を狙う

まとめ 3Dプリンターと3Dソフトの性能アップが普及を促進

Feetzのビジネスを押し上げる背景には3Dプリンターの性能向上と3Dデータの簡素化が挙げられるだろう。現在、デスクトップタイプの3Dプリンターの低価格化と高性能化は目覚しいものがあり、わずか数万円である程度の性能まで向上している。到底最終品をつくるレベルまでには至っていないが、この性能向上は早晩、エンドユーザーが使用できるレベルまで追いつくかも知れない。

また、3Dデータの取り扱いは、従来に比べれば格段に簡略化されてきている。Feetzの場合はもっと簡単な写真をアプリで撮るだけという機能なため3Dデータをわざわざつくる必要はないが、多くの3Dデザインや3Dスキャンのアプリケーションが誰でも使用できるものになることで、多くの、これまで無関心であった人たちが興味を持ち始める。

こうした背景から、Feetzのような3Dプリントのカスタマイズサービスは大きな力を持ってくるだろう。特にインターネットの普及と圧倒的な物の普及で多くの諸国ではユーザーニーズが細分化しており、カスタマイズは必須のサービスになるかもしれない。

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