EOSと3D-Micromacは合弁企業3Dマイクロプリント社を設立

マイクロレベルの金属3Dプリントが可能になる

EOS社と3D-Micromac社が新たに合弁会社3Dマイクロプリント社を設立した。

EOS社はドイツのミュンヘンに本拠を置く金属加工の3Dプリンターメーカーとして代表的な企業だ。一方3D-Micromac社もドイツメーカーで、レーザー微細加工装置のトップレベルのメーカーとして知られている。

このドイツの2社は微細な技術を必要とするモノづくりには欠かせない機械加工装置を製造する企業として知られているが、今回の合弁でより微細なマイクロレベルの3Dプリントを行う企業を立ち上げることとなった。

既にEOS社の3Dプリンターは自動車産業や航空宇宙産業のパーツ製造や医療分野などのインプラントなどで使用されている。一方で3D-Micromac社のレーザー微細加工装置も自動車用部品や精密機器部品、医療器具の製造などで使用されており、両社の持つ強みを合わせることで更なる販路拡大に結び付けられると考えられている。

ちなみにレーザー焼結技術とは3次元デジタルデータにもとづいてレーザー光を用い金属粉末を積層して物体を生成する手法。

今回のEOSのレーザー焼結技術と3D-Micromacの微細加工技術が合わさりマイクロレベルの部品製造が可能になる。

下記の画像は新たなマイクロレベルの金属3Dプリントパーツだ。マッチ棒やコインと同じくらいの大きさの精密部品が3Dプリントできることになる。

マッチ棒なみの金属部品

EOS社のCEOハンスJランガー氏が語るところによると、

従来のプロセスを用いて製造するのが難しい非常に小さな部品の需要が飛躍的に上昇している。マイクロレーザー焼結技術は三つの主要なトレンド(個別化、機能統合、小型化)の解決策をもたらしてくれる。

とのことで今後の主要ターゲットとしては自動車産業用のノズル、医療機器や宝飾品のパーツ個別生産、航空宇宙分野でのマイクロ部品などを狙っているとのことだ。

まとめ

EOS社と3D-Micromic社の合弁によって従来の3Dプリント技術では不可能であったマイクロレベルの金属加工が可能になる。

これにより今までは量産でしか対応することができなかった非常に微細な歯車やパーツ類が3Dデータからダイレクトに製造することができるためより製造プロセスの効率化が図ることができる。

今回の合弁企業である3Dマイクロプリント社も既に3Dプリンターが導入されている自動車業界や航空宇宙業界をターゲットにしており更なる微細パーツまで裾野を広げる方向だ。

マイクロレベルのパーツ製造は修理などによるパーツ交換や部品の劣化などに際しオンデマンド生産の強みを発揮するとともに、新たなパーツ開発の段階でもより効率的に生産することが可能になると思われる。

一方、金属加工で細かいディティールが再現できるようになれば、製造業のパーツ製造だけではなく、貴金属のジュエリーやアート分野でも利用が拡大しそうだ。

3Dプリント技術は素材の多角化とともに、ディティールまで表現できる精密性が向上することでますます拡大しつづけるだろう。

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