電子部品を炭素繊維3Dプリントで内蔵、スマートインソール

炭素繊維3Dプリンターで作る電子機器の試作

3Dプリンターで作ることができる最終品の多くは、工業用や製造業用のパーツ類、あるいはインソールや補聴器などの医療機器がほとんどだ。中でも靴を室内でも日常的に履く欧米では、インソールの3Dプリントが盛んだ。昨年以降、アメリカやイギリスではその人の足の形状や体重に最適なインソールを3Dプリントするサービスが起こっているが、あらたに最新のスマート技術と3Dプリントを連動させたインソール3Dプリントが登場している。

その取り組みに使用されるのは炭素繊維配合の3Dプリントで、内部に小型のセンサーやモジュールを組み込むことを可能にする。本日は以前もご紹介した炭素繊維を3Dプリントできる3DプリンターMark Oneを使ったスマートインソールをご紹介。この取り組みにあたっては、Mark OneのメーカーであるMarkForgedが新たな複合材のプリントを可能にするソフトウェアも開発している。

ノズルの交換で電子部品を内蔵

3Dプリントのご紹介の前に、スマートインソールとはどのような機能を持つインソールなのだろうか。インソールは言うまでもなく、靴底にいれて正確にフィットさせ、体重からくる足の裏のダメージを防いでくれる機能を持つ。日本でも靴のサイズと自分の足をフィットさせる目的や、履き心地をよくするために使用される。

しかし、部屋の中でも靴を履いて生活する欧米では足病予防で盛んに使用されるものとして知られている。このインソールだが、内部に小型センサーなどの電子部品を内蔵することによって、スマートフォンで足の動きを測定し、インソールの部分や箇所ごとの最適なフィット感をデータとして収集することが可能になる。

それによって移動距離や歩き方にあった痛みの少ないインソールを提供することができるというわけだ。このインソールだが、FDMの熱溶融積層法といった3Dプリントの方法が採用されているが、単一のノズルによって3Dプリントするのではなく、2つのノズルを切り替えることで電子部品を内蔵することが可能になる。

基本はナイロンと炭素繊維、ファイバーグラスを使用して各部分を3Dプリントしていき、電子部品を組み込む場合は一時停止をし、ベッドを削除し、その部分に電子部品を設置、プリントを継続するという方法だ。この方法ではセンサー、RFIDモジュール、ボールベアリングなどの部品を組み込むことができるという。

2本のノズルで電子部品を内蔵
専用ソフトで複合材料をプリント可能

まとめ 専用ソフトで複合3Dプリントを容易に

このスマートインソールを3Dプリントするために、MarkForgedのチームは専用のソフトウェアを開発した。Eigerと言われる専用ソフトウェアで、このソフトウェアを使用すると複合材の3Dプリントプロセスが大幅に簡素化することが可能になるという。このソフトぅエアは彼らが提供する3DプリンターMark Oneと完全に対応しており、プロダクトの機能を実現するために、必要な場所に応じて自動的に炭素繊維の3Dプリントを使用することができるとのこと。デスクトップタイプの3Dプリンターも少しづつ高性能化が進んでいるようだ。

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