拡大するドローン市場、3Dプリンターで開発コストを半分に

拡大を続けるドローン市場

ドローン市場が拡大し続けている。CEAの予測によると、世界におけるドローン市場は2015年度には昨年の50パーセントも拡大し1億3000万ドルの規模にまで成長するという。また、アメリカによるドローンの販売台数は、2015年度は65パーセント増の42万5千台に達すると予測されている。

この成長は今後も拡大しつつけ、2020年頃には、現在の10倍、10億ドル規模に到達する可能性があるとのことだ。ドローンの商用利用は幅広く、例えば、アマゾンがドローンを配達用のロボットとして採用したり、農場の栄養分散布や監視にも使用が開始されている。現にアメリカの連邦航空局はドローン飛行を許可するための法律を整備している最中であり、2018年までには重さ25キロ以下の7500台ものドローンが飛び回ると予測されている。

配達・監視などのドローン利用

主なドローンの用途として第一に挙げられるのが配達としての用途だ。先に述べたアマゾンは自社の配送システムとドローンをマッチさせ、より配達を迅速にしようとしている。また、配達に関してはあらたにGoogleもドローン開発に乗り出している。既にオーストラリアでドローンによる飛行実験を行い、その動画も公開した。Googleは配達だけではなく、警備や監視などでの利用も視野に入れているようだ。

既にアメリカではドローンを農場の管理や経営に活かし、栄養分や農薬散布などの役割を担い始めている。また、通常の配達だけではなく、製薬会社が薬や医療品を専用に配達するドローン艦隊の整備を検討したりと、自社の付加価値を高める用途で盛んになりそうだ。

アマゾンの配達用ドローン

Googleドローン実験

おもちゃやエンターテイメントとしてのドローン

ドローンの利用は配達だけではない。あらたにおもちゃとして親しまれ始めている。最近では日本でも毎号パーツを集めて組み立てるディアゴスティーニでドローンが登場したり、自分を追尾して空中から撮影してくれるドローンAirDogは、資金調達サイトキックスターターで大人気を集め130万ドル調達に成功した。さらには重さが55グラムでスマホでコントロールもできる手のひらサイズのドローンおもちゃも登場している。このように商用利用が拡大すればするほど、ドローンは我々の身近なものとして普及が広がりそうだ。

手のひらサイズのドローンおもちゃ
Airdogはキックスターターで大人気に

ドローンの開発コストを3Dプリンターで半分に

このように急速に拡大が見込まれるドローンだが、その製品開発もハイテク化が進んでいるようだ。オランダのドローンメーカーAerialtronicsは、3Dプリンターメーカーのストラタシスと組むことにより、その開発コストを50パーセントも削減している。Aerialtronicsは、農業や家畜などの監視、やセキュリティ監視、エンターテイメントにおける動画撮影など、幅広い用途で高性能ドローンを手がけるメーカーだ。

その最大の特長は35名と言う小規模機能ながら、さまざまな業界からの要望にカスタマイズで応えている点にある。前述下通り、ドローンは、エンタメ分野から、配達、監視まで、使用する業界や用途が多岐に渡っている。また使用する環境は同じ撮影でも千差万別だし、監視や配達でも行く場所、監視する場所で環境が大きく異なる。

こうした用途に応じたニーズはさまざまで、それに応じたカスタマイズを行うことはそれ相応のコストがかかるものだ。しかし、Aerialtronicsは、ストラタシスの3DプリンターuPrint SEプラスを使用し、開発時間を50パーセント削減することに成功している。uPrint SEプラスは、ABSフィラメントの高性能3Dプリンターでドローンに求められるパーツ製造に最適な機能を有している。

例えばドローンはモーター部分から大量の熱を発生させるため、耐熱性が高く、一定の強度と重量特性を備えたプラスチック素材でなければ使用できない。こうした点からuPrint SEプラスの材料であるABSプラスは最適というわけだ。また、ドローン開発には飛行テストと言うパートが必要不可欠な部分。設計しプロトタイプができると5回、10回と飛行テストを行い、不備や改良点が見つかった場合にはプロトタイプ自体を作り直さなければならない。

そうした際に、金型からの射出整形よりは、ダイレクトにプラスチックパーツを作り出すことが出来る高性能3Dプリンターは最適だ。特にストラタシスは3Dプリント技術だけではなく素材も開発していることから、製品開発の幅広い分野にわたって多くのサポートを提供している。

ドローン3Dプリントの動画

まとめ 素材と機能性を発揮する3Dプリント技術

今後ドローンのニーズと普及はますます拡大していくことになる。既にドローンメーカーは多数登場しており、用途に応じた製品開発を行っている。こうしたドローンの拡大にあっては、あらゆる環境、さまざまな使用用途に適応させることが最も重要になってくるのではないだろうか。環境ごとの使用実験や飛行テストを行い、それに適応させるためにプロトタイプを作り変える。

そんな作業が求められる。またこうしたプロトタイプの開発を加速させるためには3Dプリンターは大きな役割を発揮することになる。ストラタシスとオランダのドローンメーカーAerialtronicsの取り組みが格好の例だといえよう。より細かいユーザーニーズに答えるには素材と機能性を熟知したオンデマンドの3Dプリント技術が重要な役割を果たすだろう。

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