ラズベリーパイとはんだ付けで作るサイクルチェイサー

自転車の回転に合わせてアニメを投影するDIYキット

ラズベリーパイ、超小型のパソコンを使ったさまざまなキットが登場している。教育用コンピューターという当初の目的と同じように、ラズベリーパイを使うことで、コンピューターとハードウェアの仕組みを習得することが可能だ。オープンソースという特性から多くの人が簡単に利用することが可能で、電子工作DIYとしてアメリカやヨーロッパでは空前のブームになっている。

これまで一般の人々が参入することができなかったエレクトロニクスのモノづくりに門戸を開き始めていると言っていい。門戸が開いているとはいえ、その入門やより専門分野に行くためのステップアップとしてラズベリーパイと様々な電子部品を使ったDIYキットは最適だろう。本日ご紹介するサイクルチェイサーもそのうちの一つだ。アメリカ発の電子工作キットのWebマガジンMAKEに掲載されている。

ラズベリーパイとモバイルプロジェクターのはんだ付けで組み立てる

サイクルチェイサーは、自転車の後部に、小型プロジェクターを取り付けることで、自転車の回転にあわせて影絵が動くといった電子工作DIYキットだ。超小型のモバイルプロジェクターであるピコプロジェクターを小型コンピューターであるラズベリーパイで制御し影絵を動かす仕組み。影絵のアニメーションは自転車のタイヤホイールに取り付けられたミニ磁石とセンサー技術によって、回転数に応じてスピードが変わるというものだ。

自転車の車輪の回転が60RPMである場合にはアニメーションのフレームは毎秒1フレーム、1fpsという比率で回転していく。基本的なこの仕組みを制御するプログラムは、創造的なコーディングのためのC++のオープンソースツールキットOpen Frame worksで作られており、Windows、Mac、iOS、アンドロイド、Linuxで使用可能だ。

ちなみにラズベリーパイはそのままキットとして使用できるが、アニメーションを投影させるためのモバイルプロジェクターははんだ付けによって回路を取りつけ、単純なHDMIケーブルでプロジェクターに取り付ける必要がある。

ラズベリーパイ サイクルチェイサー
ラズベリーパイ
ラズベリーパイ はんだ付け
はんだ付け

サイクルチェイサー動画

まとめ エレクトロニクスの基本「はんだ付け」が学べるキット

ラズベリーパイの大きな役割の一つは、ハードウェアとソフトウェアの二つの仕組みを知ることができる点にある。今回ご紹介したようなサイクルチェイサーのようになんでもないDIYキットを自分で組み立てるだけでも、プログラミングと、センサー技術など、ハードとソフトを結ぶ今後のモノづくりに必要な技術を習得することができるわけだ。

またこのサイクルチェイサーで面白い点は、一般の人にはあまりなじみのないはんだ付けをしなければならない点にある。手はんだ付けをするためには、はんだゴテが必要だし、はんだのつけ方をある程度習得する必要が出てくる。この一見アナログ作業のような「はんだ付け」は現代の電子機器、電気を使ったモノづくりには欠かすことができない最も基本的で重要な技術になる。

しっかりとついていなければ電気を通さないし、逆につけすぎても電気の通りが悪くなる。極論を言うと、エレクトロニクス製品の精度や性能はそのまま「はんだ付け」の性能だということが言えよう。プログラミングやハードウェアの知識ももちろん重要だが、最も基本である電気を通すための接合技術、はんだを学ぶことでより一層深みを増すに違いない。

電子機器のクオリティを左右する、はんだの重要性についてはこちらをどうぞ