普及が進むデスクトップタイプ3Dプリンター
2013年度以降、3Dプリンターの出荷台数は飛躍的に増加する傾向にある。
2017年度までの市場予測では年率20%の成長率で伸び続けると言われており、あらゆる業界での使用が拡大傾向にある。
もともと3Dプリンターは製造業の現場で使用される工作機械としての役割で、デバイス自体の価格が非常に高いものであったが、製法特許の期限切れなどによってはるかに安価な製品が登場し始めている。
デスクトップタイプの機種でもっともポピュラーと言えるメーカーは何と言ってもMakerBotと3Dsystemsだ。両社の販売するデスクトップタイプの3Dプリンターは新たな2014年度を迎えてニューモデルを投入してきた。
本日は3Dsystemsの新しく発表したモデルCubeProをご紹介。従来のデスクトップタイプを超える性能を備えることで、まさに製品設計に最適な機種となっているようだ。
プロダクトデザインに最適
Cubeシリーズは既に日本でもヤマダ電機などで販売されているデスクトップタイプの3Dプリンターだ。
今回新たに登場したCubeProはどちらかというとハイグレードモデルのCubeXよりもさらに性能がアップしたモデル。
CubeProの最も特長的な性能は0.075㎜から可能な積層ピッチと3色同時印刷にある。これにより従来のCubeシリーズよりも精密で表現の幅が向上したモデルを再現できることが可能になる。
基本的にデスクトップタイプの3Dプリンターは1色印刷であり、機種によって異なるが積層精度も粗く、形状確認程度にしか使えないしろもの。
当然、生成されたものが最終製品として使えることは無く、あくまでも3D設計図を再現する模型としての使用だ。
しかしハイエンドタイプと比べてはるかに価格が安いため、プロダクトデザイン事務所など製品設計に関わるメーカー以外のシーンでの導入が期待される。
CubeProはどちらかというとそんなプロダクトに関わるデザイナーが、ある程度表現や再現性に満足できるような仕上がりをもたらしている性能を合わせたものだ。
下記はCubeProの動画
CubePro写真
CubeProで作られた模型
CubeProスペック
- 印刷タイプ:プラスチックジェット印刷(PJP)
- 印刷ジェット:シングル、デュアル、トリプル·ジェッツ
- 最大造形サイズ:275 mm×265 mm×240 mm
- 分解能:75μ(シングルヘッド)、200μ(デュアルジェッツ)、350μ(トリプルジェッツ)
- プリント速度:最大毎秒15mm
- 接続:カラータッチスクリーンディスプレイ、モバイル、無線LAN
- 材料:PLA / ABS /溶解ナチュラルPLA
- 対応OS:Windows XP、7、MacのOSX10.8以上
- 重量:36kg
- 価格:5000USD(約50万円)
- 発売時期:2014年中旬
まとめ
デスクトップタイプの3Dプリンターは急速に増加している。
3Dsystemsは2014年の末をめどに、デスクトップタイプのフルカラー3Dプリンターの発表を行った。価格は約5,000ドルの予定で、さらに表現の幅が広がることになる。
また材料や性能も様々なタイプが登場してきており、性能も向上し始めている。また造形スピードも大体ひとくくりにして言えば1㎝積み上げるのに1時間程度かかっているが、スピードを大幅に向上させる研究開発が進みつつある。
積層スピードの改良の記事はこちら
このようなクオリティの向上は見込めるが、デスクトップタイプの3Dプリンターの用途はあくまでも模型や試作品の造形に限定されるだろう。
しかし、従来よりもはるかに精度が高く、はるかにスピーディに、はるかにコストが安く、従来よりも表現の幅が広がった試作品の製造をもたらすに違いない。
すなわちものづくりの中におけるプロダクトデザインの力をより強化してくれると考えられる。
プロダクトデザインの作業の中における、試作品のモデル作成を、より安く簡単に修正し、スピーディに改良することで、最終品により近いプロダクトを再現できるということをもたらすだろう。
3Dプリンターや3Dモデリングはあくまでもプロダクトデザインの中における、「作業」の一環に過ぎないが、その作業をよりコストをかけずに効率化することが可能だ。
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